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作家の最適ジャンルとは?

小説を書くとなると、ジャンル選びは非常に大切になります。このジャンル選びをミスると中々結果が出にくいです。

なぜジャンル選びは大切なのか?


プロの作家でもいろんなジャンルを書く人はいますが、やっぱり得意ジャンルでないとダメなんですよ。代表作と呼ばれるものは、もれなく得意ジャンルからしか出ていません。ほんとジャンルって不思議です。

というのも小説って基本一人で制作するものなので、極めて属人性が高いんです。

これが複数人で制作するものならば、そこまで影響しないです。それぞれの能力を組み合わせるので、一人の特性のズレぐらいでは、さほど結果にあらわれないです。

ハリウッド映画とかこういう作り方ですよね。いろんな才能を組み合わせると、失敗のリスクを下げられます。

ところが小説の場合は、自分の特性と少しでもズレるとうまくいかないんです。

一人で作るリスクですね。個人の才能に頼るということは失敗のリスクも高まります。監督の作家性が高い映画はバクチといわれるのはそのためです。

小説は競争率が高い


あとジャンル選びが大切なのは、小説の競争率の高さもあります。

作家人口は志望者も含めると500万人と極めて膨大です。小説はスキルもコストも含めて制作するハードルが低いので、競争も必然的に激しくなります。

ここで頭一つ抜けるには、自分とどんぴしゃのジャンルを選ばないとダメなんですね。能力が最大で発揮できるジャンルではないと、この競争率では埋もれてしまいます。

作家における幸福な結婚とは


ということで作品を作る前に、自分の最適ジャンルを選ぶ必要があります。

もちろん人気ジャンルと自分の得意ジャンルが合致すれば最高です。作家における幸福な結婚です。

例えば現在ではSFよりもミステリーの方が読者層が広いです。ミステリー作家の中には、ミステリーが一番読まれているからという理由だけで書いている人もいるぐらいですから。

でもだからといって自分の適性がSFなのに、「やっぱりミステリーの方がジャンルとしていいもんな」とミステリーを選ばない方がいいんです。

それだとほんと結果が出ない。「人気ジャンルじゃないけど、俺はここが最適ジャンルなんだからここでやる」と腹をくくるしかないです。

ではどのジャンルが自分に向いているか? それを見極める方法を考えたいと思います。

そのジャンルが好きかどうか?


まず第一は好きなジャンルです。

好きというのは才能です。そのジャンルの作品が好きだということは、それが自分の適性である可能性が高いです。

好きになるというのは、理解できるってことなんですよ。そのジャンルの魅力を理解できるから、好きになるんです。

理解できないで作っても、面白くなる確率は極めて低いです。

例えば今お店系の小説とかBL小説とか人気ありますが、僕はこれの魅力がちっともわかんないです。ということは適性がないんです。

だから自分が好きだと思わないジャンルを書いてはダメなんです。

嫉妬できる作品


続いては嫉妬すること。

たまに小説を読んでいて、その面白さに嫉妬するみたいなことないですか。

嫉妬も好きと同じで、理解がないと生まれない感情です。その作家の才能を感じれるから嫉妬するんです。

しかも嫉妬の感情は、「このジャンルのこういう部分に嫉妬した」とすごく精密に自分の適性が把握できるんですよね。

だから嫉妬は、「ここに適性があるぞ」というサインになります。

人から言われたジャンル


第三は、人に言われたもの。

「こういうのを書いたらどう?」などと他の人が助言してくれたら、それが適正ジャンルである可能性も高いです。

時代小説の人気作家・佐伯泰英先生のエピソードがその良い例です。

佐伯さんは時代小説を書く前に、スペイン語圏を舞台にした冒険小説やスパイ小説などを書いていました。

ところがヒットに恵まれず、作家を廃業する危機に直面します。

そこで編集者に、「時代小説か官能小説を書いたらどうですか」と助言されたんです。

ただこの時は助言というよりは、作家引退勧告みたいなニュアンスの方が強かったそうです。

もう藁にもすがる想いで、佐伯さんは時代小説を書くことにします。

その初の時代小説がヒットなり、人気作家の道を歩まれたわけです。

時代小説が佐伯先生の最適ジャンルだったわけです。

苦労しても中々結果がでないときは、人の意見に従ってみるというのも大事です。

鳴かず飛ばずの作家がジャンルを変えて人気作家になれたんです。作家にとってジャンル選びがどれほど大切かというのがよくわかります。

↓浜口倫太郎の最適ジャンルで、最高の感動作です。ぜひ読んでみてください。


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