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映画【キューブリックに愛された男】美しい友情と、可愛いかわいいキューブリックの素顔、


運命だとしか、言いようがないだろう。

映画【キューブリックに愛された男】


「時計じかけのオレンジ」
「2001年宇宙の旅」
など

数々の名作を世に送り出した天才監督
スタンリー・キューブリック。

彼の没後20年のメモリアルイヤーとなる
今年11月。
キューブリックの真の素顔に迫る、二つのドキュメンタリー作品がカップリング上映されます。


本日はその内のひとつ
【キューブリックに愛された男】の試写へ行かせていただきました。


STORY
ロンドンでタクシー運転手として働いていたイタリア系移民のエミリオ・ダレッサンドロ。ある雪の夜、ある物を運ぶようにと依頼されたエミリオは、その仕事ぶりを買われて依頼主の元に呼ばれる。その依頼主はなんと、映画界の名匠スタンリー・キューブリックであった。この出会いをきっかけにエミリオとスタンリーの30年にも及ぶ熱き友情が生まれることになり…


◯運命としかいいようのない出会い

優しく、しわくちゃな笑顔を見せながら
スタンリーとの出会いを面白おかしく話すエミリオのインタビューシーンから物語は、はじまる。

雪の日にたまたま運転の依頼がきて、
その依頼主がキューブリック。
しかも、キューブリックはエミリオを気に入り自分の専属の運転手にする…


「ほんとうに実話ですか…???」

と疑ってしまうほどに、二人の出会いはなんだかドラマチックだ。


普通のタクシー運転手だったエミリオを気に入り、どの部下よりも近くに置いたキューブリックの姿がエミリオの語りから浮かび上がるのです。

キューブリックがエミリオを気に入ったのも
エミリオの穏やかで真面目でブレない芯の部分を見出していたからだということも、インタビューを受けるエミリオの映像から感じることができた。


エミリオの語りからすると、
キューブリックは相当に
エミリオのことが大好きだったようだ。

しかし、
当のエミリオは名監督なのにも関わらず
キューブリックに媚びることもなければ、
彼の方から固執することもなかった。
(エミリオはキューブリックの作品を見たことすらなかったらしい)

そんな、
どこかアンバランスにさえも見れる二人は
出会うべくして出会ったのだと本編を通して納得する。



◯キューブリックの素顔

私たち映画ファンにとって、
スタンリー・キューブリックという男は
完璧主義な彼の完成されすぎた映画、
彼の芸術に対する強いこだわり、
常人には理解できない思想などから、どこか同じ人間とは思えない違う生き物のような遠いイメージがある。

しかし、エミリオがインタビューで語るキューブリックの姿は私たちと同じ人間そのものだった。


「完璧主義」という性格は、
その通りだったようだ。

専属運転手であるエミリオには運転以外にも、身の回りの雑用をお願いしていたらしい。
エミリオへ書かれたメモの中には、細かいお願いばかり。
車のメンテナンスをはじめ、食材の補充や飼っているペットの世話など。

私生活でも、とことん細かい部分まで気を配り、完成させるこの性格が名作の誕生に繋がっているのだと感じられるエピソードでもあった。


しかし、
そんな完璧主義な性格のインパクトが強いだけでエミリオが語るキューブリックの姿というのはとても人情に厚く、人と過ごすのが好きだったり、動物愛護に力を入れていたり、親近感が湧く一面ばかり。


寂しがりなところもあって、
エミリオが故郷のイタリアに帰ると決めた時も必死で引き止めようとしたり(かわいい)、
エミリオがいないからと撮休にしたり。(かわいい)

冷徹で人間に対して嫌悪感さえ感じていそうなキューブリックのイメージが
ぼろぼろと壊れてゆく心地の良い瞬間が、この映画には存在していた。



◯ふたりの友情

30年もの月日をエミリオとキューブリックは共に過ごし、
ゆるぎない友情と絆を育んだ。


エミリオはキューブリックからの細かい依頼にも、着々としっかりこなし、彼を尊敬していたし

キューブリックはエミリオの存在に感謝し
エミリオの周りの人間にも愛を持って接していた。


出会うことのないような真反対の人間が
生涯の友として添い遂げた物語はあまりにも美しくて。こんな友情がこの世界に存在してくれたことに感謝するほど。


…私は感謝しました。心の中で全力で拝みました。お賽銭入れて拝みました。それほど素晴らしい友情だと思うのです。拝



ふたりの美しい友情を知れることはもちろん、
エミリオの家族の話やシャイニングで主演を務めたジャック・ニコルソンの珍エピソードまで楽しめる素晴らしいドキュメンタリーです。
若い時のジャックニコルソン、あほでかわいい〜となる。


監督はイタリアでアーバンギャルドなMVを撮るなどしてその芸術性を認められているアレックス・インファセッリ。

演出もおもしろくって、
ヨーロッパのトリッキーな部分が入ったアニメーションが入っていたり、効果音のつけ方がとても良かった。


今までみたドキュメンタリーのなかでも
上位に入る良さでした、かわいっくって興味深くって。

11月1日より、
ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国上映です。
カップリング上映なので、
もう一本の「キューブリックに魅せられた男」もまた観に行って感想を書ければと思います。







キューブリックには生活信条なるものがあって
その第12条の


「自分が関与せぬことには干渉しないこと」


という言葉が妙にささってしまった。

現代の私たちが肝に命じなければいけない言葉かもしれません。



ほんとうに素敵な監督だ、



では

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