📖読書記録📖『ダンス•ウィズ•ドラゴン』
読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は、3人の女性を視点に織りなす図書館とドラゴンにまつわる大人ファンタジーをご紹介したいと思います。
●今回ご紹介する本『ダンス•ウィズ•ドラゴン』
●おはなし
離婚に向けた準備を整えていた滝田オリエは、夜にしか開かない井の頭公園の奥深く潜む図書館への再就職が決まる。
館内も摩訶不思議な空間に圧倒されながらも先輩司書の巽スグルから図書館業務内容を教わり、少しずつ環境に順応していくオリエ。
さらに図書館の館長である長岡からの紹介で新居も決まり、新生活を楽しむオリエだったが、ある事でなかなか離婚届にサインができずにいた。
そんなオリエの前になんとドラゴンが現れた…。
神社で巫女をしている巽マナミにはある秘密があった。
ひとつは、生まれた時からの記憶をすべて覚えていること。
ふたつは、血の繋がりのない義理の兄である巽スグルに想いを寄せていること。
みっつは、龍のお手つきであること。
スグルの家は代々龍が住むといわれる水場を守る家柄だった。
そこへ親同士の再婚でまだ赤ちゃんだったマナミと義理の兄妹となった。
彼らが幼い頃に、近づいてはいけないと言われていた水場に近づいてしまい、そこでマナミは龍のお手つきとなってしまった。
スグルはマナミを守れなかった事を悔やみ、マナミから離れ、実家からも遠のいてしまう。
そして進学した大学で空想上の生き物に興味を持つようになった事で、自分が龍のお手つきであることに気づくマナミ。
龍の存在を感じつつもスグルへの想いが消えないマナミは、意を決してスグルが勤務する図書館へと足を運ぶ。
夏の龍神まつりをひとり眺めるキリコ。
彼女はオリエがかつて暮らしていたマンションを買い取り、そこでカウンセラーをしているが、実は何度も死んでは生まれ変わり、そらにはその記憶すべてを覚えていた。
最古の記憶では巫女だったキリコが私利私欲からある罪を犯してしまった事で、永遠の輪廻から抜け出せない罰を与えられてしまう。
そして現世では、龍に翻弄するオリエとマナミ、そしてスグルの3人を静かに見守り時には手を貸す役割を担っていた。
●最後に
現実的な作風が多い著者の中でも数少ないファンタジー作。
心が求める事で来館する事ができる夜にしか開かない図書館。
古今東西の空想上の生き物や前世、生まれ変わりといったキーワードを並べられたら、ファンタジー好きにとっては手を取らずにはいられない。
さらには禁断の恋といった大人の雰囲気も感じるまさに大人ファンタジー小説です。
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