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vol.1.2『堀文子の言葉 ひとりで生きる(堀文子:著)』を読んで自分のこれからの生き方を考える

本書紹介

群れない
慣れない
頼らない
これが私のモットーです

私は本書の帯に書かれていたこの言葉に惹かれ、思わず手に取りました。言葉の主は、日本画家の堀文子さん。100年の生涯を生き抜いた方です。

堀文子さんの経歴を簡単にご紹介します。

1919(大正7年)東京生まれ。女性の社会的な自立や自由が制限されていた時代にあって、なにものにも縛られない絵の道を志す。70歳でイタリア•トスカーナに移住。77歳でアマゾン、80歳でペルー、81歳でヒマラヤ山麓へ取材旅行を続ける。83歳のときに大病に倒れるも奇跡的に復活。2019年100歳を生き抜き永眠。(本書一部抜粋)

彼女のことは本書を読んで知りましたが、女性というだけで夢や希望を叶えるのが難しい時代に性別や年齢に囚われない生き方を貫いたとても強い女性という印象を受けました。

彼女の行動で1番驚いたのは、70歳でイタリア語しか通じない町に移住したことです。70歳になってまであえて不便な土地に移り、その苦労が楽しいと感じるバイタリティーにもう脱帽です。

1ページ200字程度の文章なので1日で読み切ってしまいました。特にP64.65がとても印象に残りました。

自由は孤独

補足説明と致しまして、私には離婚歴があります。友人たちに離婚報告をした際に言われたのは『マッチングアプリ登録しなさい』でした。しかし今の私には仕事とは別の関係性を一から築き上げる気力がありません。それに単なる出会い目的で登録した既婚者をうっかり引き当ててしまう素質があるような気がしてならないので迂闊に足を踏み入れられません。そんな事で怯えているより仕事や趣味の創作に頭を悩ましている方が断然いい。

以前、友人から『ひとりでいて寂しくないか?』と聞かれたことがありました。私は寂しい時もあるけど気ままに暮らしていると正直に応えました。するとその友人は私の今の生活スタイルに憧れると言いました。

30代ともなれば結婚・子育てをしている友人は多い。妊娠産後から育児、それから職場復帰した友人たちは、母として妻として女性としての役割を光の速さで進んでいく。それが出来なくてドロップアウトした私にはそんな友人たちをとても尊敬しています。
そんな多忙な友人から見れば自由勝手な生活に憧れを抱くのもわかる。逆の立場なら私もそう思っていることでしょう。

隣の芝は青く見える現象のようなもので、どちらも幸せだしどちらも大変。どちらかが自分にとっての幸せかはその人次第でしょう。

自由は孤独。

なにかを得るにはなにかを失う。なにかに縛られていない分、孤独を受け入れる覚悟がないとひとりでは生きていけないなと最近よく思います。
でも、孤独を感じるのは周りと比較している時に発生する感情だと思っているので堀文子さんの言うとおり、ひとりではいるときは案外孤独を感じません。

所詮人は通ずるもの同士の集まりを好みます。自分が経験していない事を知るのはそれはそれで楽しいと思えればよかったのに、周りを比べると孤独感が増すのは歪めません。

人間社会において群れをなして生きるのは当然です。人は支え合わないと生きていけないけど、時にはひとりでいるより人といるほうが孤独を感じる事もあります。本書ではこうあるべきとは書いておらず、あくまで一個人の意見として慎重に言葉を選んで書かれているように感じました。

本は出会い

私は書店や図書館で何万冊ある中から1冊の本を手に取るのは運命的な出会いだと思っています。この本を手に取ったのは、私が無意識に発していたアンテナに反応し、少なくともなんらかの情報を与えてくれる本だと察知したから手に取った。それを証拠に私が今までに手に取った本はその後の人生に影響している気がします。(こうなりたかったではなく、こうなってしまったという意味のほうが多いですが)まるでこれからの自分の人生をタイムテレビで見ていたかのようで今思うとちょっと怖いです。

とは言え、

自然災害が多い近年においてひとりで生きていくのはさらに厳しい時代になっていくでしょう。
そういう生き方を貫くのは当時と比べれば幾分柔軟になってきたのの、それを選ぶなら必要最低限の力や知恵を身につけなければなりません。たとえ物理的な力はなくとも、知恵を蓄えて自分を守れる装備を身につけていないといけませんね。
もちろん気が変わることもあるでしょう。また誰かと生きていきたいという方向にシフトチェンジしても、それまでに身につけた力や知恵は無駄にはならない。

戦争真っ只中の時代をひとりで生きる事を貫いたひとりの女性の実績を知るとそういう生き方も出来なくはないと思います。

そういう生き方もありですよね。

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