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「使わない」は「持っていない」と同じ

お金の価値とは一体何なのでしょうか? 吉田兼好は「お金を持っていても使わないのは貧乏人と同じ」というラディカルな意見を持っていたようです。お金の本質を「交換の媒体(手段)」と考えるならば、お金を貯めこむことはお金の本来の働きを発揮させないことになります。

仰(そもそも)人は、所願を成(じょう)ぜんがために、財(たから)を求む。銭を財とする事は、願ひをかなふるが故なり。所願あれどもかなへず、銭あれども用ゐざらんは、全く貧者とおなじ。(『徒然草』第217段)

お金にどのような価値があるかは人それぞれですが、お金は使ってこそ完成品になるという考え方もあるようです。

蓄えることに安心感を持ちますが、使うことによって生じる価値が大きくなることもありえそうです。お金を増やすリテラシーも当然必要なわけですが、その一方で、お金を使うリテラシーも必要になるのではないかと考えられます。


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