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地味に続く介護

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故郷に残る一人親への対応を中心に、関連する話題を書いてまとめています。黄昏時のサラリーマンが直面しつつ、あまり会話に出てこない内容なので、斜め読みして頂くことで取っ掛かりとしてお…
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#遠隔介護

遠隔介護における退院時の面倒ごとを披瀝する

遠隔介護における退院時の面倒ごとを披瀝する

小雨が降ったりやんだりの1日でした。きれいな秋晴れには程遠いですね。

さて、……

先月記載したとおり母は転倒・骨折したために入院していたが、無事に手術を終え、この週末で退院できることになった。

まだ緊急事態宣言が継続しており、今回は退院の迎えも老人ホームのスタッフにお願いした。入院費用は請求書が届き次第支払うということで病院にも了承頂いた。

と言うとすごくスムーズに話が決まったように思われ

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母の差し歯は今いずこ?

母の差し歯は今いずこ?

先日、母がお世話になっている老人ホームから私宛に電話が掛かってきた。冒頭の「お世話になります」は良いのだが、続く言葉に呆気に取られた。

「お母様の差し歯がなくなったのですが、どうしましょうか?」

あまりにも想定外の問合せであり、私もしばらく思考停止に陥った。もし唐突にこのようなことを問われた場合、あなたならどう答えるだろうか?

思考停止が解けた私の頭の中では、以下の内容が頭の中を駆け巡った。

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つれ合いが亡くなると露呈する弱さ

つれ合いが亡くなると露呈する弱さ

わが家は父が亡くなり、母が老人ホームで生活している。

この二人は基本的に仲が良かった。多少言い争うことはあっても、険悪な雰囲気になることもなかった。

父の生前、私が帰省した時に母はこんなことを言ってきた。
「最近、お父さんの行動がちょっと危ないのよ。この前なんて、朝に顔を洗った後、水栓を止めずに戻ってきたからお湯が出っ放しだったり......ボケてきちゃったんじゃないかと心配で……」

傍らで

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老人ホームでただ今に生きる母

老人ホームでただ今に生きる母

老人ホームに入居している母。普段はどうしているのかが謎であった。

コロナ禍で面会ができなくなるまでは、私や姉が訪問する度に「また来てね」と寂しそうに言っていた。だから、多くの時間は一人で過ごしているのかも、と考えていた。

もっとも、コロナ禍前は1ヶ月強に1回は会いに行っていたのに、「何ヶ月も来ないなんて...」と非難がましく言われたこともある。そう、前回の面会の記憶を保持できなくなっているのだ

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老人ホームでの生きがい(親世代と自分たちとの差)

老人ホームでの生きがい(親世代と自分たちとの差)

既報の通り、母は老人ホームでお世話になっている。姉と私は、コロナ禍までは1ヶ月強に一度の頻度でホームへ訪問していた。

その際、母からは「何か……もう生きる張り合いも、やりたいこともないしねえ」とよく言われた。父を失った悲しみもわかるので、そう言われると言い返すことも難しい。

会社勤めで日々期限を意識しながら生活している身には想像もつかないのだが、莫大な時間がある一方で足腰が弱って移動も困難な状

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緊急事態宣言で母との面会が更に間遠になる件

緊急事態宣言で母との面会が更に間遠になる件

1月8日の緊急事態宣言を受けて、私は帰省がしづらくなった。その後帰省先の自治体側も緊急事態宣言の対象となり、更に移動の心理的なハードルが高くなっている。

強制力がないのだから、構わずに帰省するのも選択肢ではある。でも、それは近隣の目との戦いともなる。

緊急事態宣言の対象地域間での車による移動であれば、どっちもどっち感が漂うのだけど、そう思う人ばかりではない。かつて実際にあったように、車に批判的

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老夫婦の日用品が壊れるのは一大事

老夫婦の日用品が壊れるのは一大事

大事に使っていても、道具や機械はいつか壊れる。壊れたのを契機に使うのをやめるという選択もあるけれど、生活で使っているものの場合、それはまず取り得ない。

私自身、ある朝冷蔵庫を開けて、中の麦茶容器を持ち上げた時、「……冷えていないなあ」と思ったら、実際寿命でコンプレッサーがイカレていて、冷凍食品も「自然解凍」されていて困ったという経験がある。もちろん、買い換えた。

お年寄りにとって、新しいテレビ

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変化を嫌うお年寄り

変化を嫌うお年寄り

日々新しいこととの出会いを待ち望むお年寄りがいるのかは、分からない。でも、いたとしてもかなり少数派だろうとは思う。

なぜならば、新しいことと出会えば、それを理解しなければならない。そのために、脳は無意識のうちに過去の経験とつき合わせて、似たようなものがないか、或いは複数の経験や知識を組み合わせれば近いものができるのではないかと働き始める。

つまり、新しいことの受容は、かなり頭を使うことになるの

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