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老夫婦の日用品が壊れるのは一大事

大事に使っていても、道具や機械はいつか壊れる。壊れたのを契機に使うのをやめるという選択もあるけれど、生活で使っているものの場合、それはまず取り得ない。

私自身、ある朝冷蔵庫を開けて、中の麦茶容器を持ち上げた時、「……冷えていないなあ」と思ったら、実際寿命でコンプレッサーがイカレていて、冷凍食品も「自然解凍」されていて困ったという経験がある。もちろん、買い換えた。

お年寄りにとって、新しいテレビ電話はともかくとしても、日々の生活で用いている道具や機械が壊れるのは、一大事である。昔気質なので、まず何とか直らないかと期待してあれこれいじってみたりする。それで直らないとなるとやはり私と同様に買い換えるのだが、その後が大変なことになる。

新しい購入品は当然使用感が異なるし、使いたい機能のボタンも違う。それに慣れるところから始めなければならない。でも、それが厳しいのだ。

本来、新しいものの方が機能も増えて、使う人に便利になっているはずなのだ。しかし、ただ単に前のものと使い勝手が違うという一点で批判の対象となる。

しばらくは手元に置かれた取扱説明書で使い方を調べられるのだが、なかなかその理解が進まずああだこうだと不満をぶつけられることとなる。身体に染みこんだ使い勝手には、なかなか追いつかない。

そして、せっかくの新機能もその実力を認められることがまずない。「今まで通りで良いのに」で終わってしまう。

変化が嫌いでも、年に数回はこのような事態が訪れる。それはどの家庭でもそうなのだが、お年寄りには私たちの想像以上にそれが負担となる。

このことは、頭の片隅に置いておいた方が良いと思う。

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