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#10:みんな気になる「お金」にまつわる注目本をpic!〜ハウツー本出版コンサルによるビジネス・実用書ひとこと書評トピ

元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+ビジネスプロデューサーの渡邉です。

ビジネス・実用書の世界では「定番テーマ・ジャンル」として一定の人気を誇るのが「マネー本(お金の本)」といわれる世界。
「投資」「家計(ファイナンシャルプランニング)」「貯金」にまつわる本とも言い換えられるかもしれませんが、最近では「マインドセット」「スピリチュアル絡み」がコンセプトになっている本も多く出ていて、よく売れています。

コロナ禍・ウクライナ戦争などなど、世界が激変を見たここ2〜3年、やはり社会不安が増幅していることもあり「お金」にまつわる興味関心は高まっており、お金に関する発信やそれをモチーフにしたビジネスなども流行っていますね。
 
今回はそんな「お金」に関するテーマで、渡邉の完全独断&偏見も入り混じったpicでお届けします。


1)やっぱり(?)売れてしまう「翻訳本」


2年前に出た本ですが、いまだにガンガン売れていますね。
『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』(ダイヤモンド社)です。

この手の本(翻訳ビジネス書)はとにかく「装丁が美しい」ですね。
装丁で勝ちをとりにいってる!って感覚がビシビシきます。
コピーの扇動性と営業力がどどっとダダ漏れながらも、どこか芸術的。
「手元に持っていても、なんか自分が賢くなった気がする」心情を呼び起こす装丁が、「ああ、勝ちをとりに行ってる本だよなー」ってイメージを持ちます(笑。

内容については、、、、Amazonなどの情報をしっかり読んでもらうといいですが。。まあ、他の書評ブログなんかでゴマンと書いていると思うので、そっちを参考にしてください(笑。

今回は「編集者目線」で、翻訳本にまつわるトピックを特別にお伝えします。

お金と富・豊かさ・投資にまつわる本は、「ぶっちゃけ書いてある本質内容はどれも一緒」だったりします。
でも切り口がこれまでの本とは違う角度から屹立していたり、エピソード力が力強く感銘を受けるものだったりすると、それだけで売れ本になりやすいのかな、って思います。

そして翻訳本の場合は、必ず「他国で大ベストセラーになっている」がデフォです。それがないと、商業本の舞台で戦えません。
時々「某国の本が”よかったから”日本で本にしたい」などの理由で相談も多く寄せられますが。。。
ほとんどは「無理」とお答えせざるを得ないです。
その本が「出版国を含め、他国に渡っても大ベストセラーを記録している」ことが証明されないと、日本の出版社は本にはしてくれませんので、注意が必要ですぞ。
 
あと翻訳者も腕のいい人が求められます。
編集者は人脈だったり、他書での実績だったりを熱心に調べて慎重に「翻訳依頼」します。
誰でもいい、ってことではないんですよね。
翻訳は難しいのです。他国の言語を日本語に直すだけではなく、そこから「読み応えのある文章に仕上げていく」作業も入るので。
私は翻訳の編集仕事をやったことはないのですが、色々見聞きするところによると、翻訳者の選定はマジちゃんとやらないと、おかしな原稿をいただくことになりかねないので、そこは編集者の著者マネジメント力などが問われることになってくるのですよね。

まあ、翻訳者の方の原稿を「リライトする」ライターも別につける場合もあるのでしょうが、、、コストは倍乗ってくるので、できるだけ「日本語の読み物として質のいい文章に翻訳してくれるプロ」に依頼していくのだろうな〜と想定もします。

話脱線しましたが(笑、何か裏話として参考にしてもらえれば。

とにかく日本でもベストセラーないまいまの”お金”教育本です。
 
 

2)厚切りジェイソンって、優秀だよね〜ってことが改めて理解できる本


『ジェイソン流お金の増やし方』

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日本人でもそうですが「売れる芸人」って、総じて「賢い」んですよ。勉強ができる、とかではなく「地頭がいい」って感じ。
学歴に対し頭脳を生かすのではなく、まさに「芸」に対し頭脳を優先させてきた人たち、ってイメージでもあるかな。

日本人でさえそういう人たちが日々切磋琢磨の中、外国人で日本でお笑い芸人として活動しよう、、なんて人たちは、そりゃもういっぽ抜きん出ていてもおかしくないわな、って思ったりもします。

ジェイソンもそうだけど、「アイクぬわら」という芸人も、確か”ゴールドマン・サックス”でエンジニアとかやってたんですよねw?
そんな彼、「たけしの元気が出るテレビ」をアメリカで見て衝撃を受け、芸人になろうと決めたんだそうです。

ジェイソンも、よくよくみたらIT企業の役員やってたり、「FIRE(Financial Independence, Retire Early)を達成」したりもしちゃったので、それがきっかけで本にする、って話が出ていったのでしょう。
これを嗅ぎつけた編集者はさすがです。

”ジェイソン流”なので、彼の実話が元ネタになっています。こういうケースはもう「体験を語ってもらうしか」なく、それがより際立った個性にひも付き、そして芸人としても活躍している。
知名度
実績
コンテンツ
売れる本の3拍子は揃っていますね。

この本もぶっちゃけ「書いてある内容は、他のマネー本でもよく言われているスキルやマインドセット」のオンパレード、、だと思うのですが、「厚切りジェイソンがどうやって資産形成を成し遂げられたのか」は、なんとも「興味はそそる」ところ。
そんな「興味はそそる」の読者心情を上手に掬い上げ、調理してできた逸品料理、と言っても過言ではない本に仕上がっていると思います。
 
 


3)女性向けの「お金との付き合い方、稼ぎ方」の指南書


基本ビジネス書は「男性向け」「男性性強め」で制作されていきます。今まで「仕事=男がやるもの」だったし、男性性の強い領域なのが”ビジネス”でしたから、どうしても「男が読むもの」のイメージで今でも作り続けられているのが実態(でも今はユニセックスイメージも増えてますけどね)。
 
そんな中でも最近は「個人で起業する」女性も増えてきて・・・
まあいわゆる「起業女子」ってやつでしょうか。
そういう人たち・あるいは「予備軍」の人口も醸成しつつな背景もあって、「女性とお金」にまつわる本も出てきて、売れています。

その中でも、なかなかユニークな「女性向けビジネス・マネー書」がこちら
『お金持ちスイッチ、押しちゃう? (うさんくさい(けど効果バツグンの)成幸法則)』

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起業女子・・・と言われる人の中には、面白いことに「月に数万円も稼げない」人たちがいます。
は!?それで起業家??って思われるかもしれませんが、実際「中小企業庁」のデータによると、、

>女性起業家の個人所得は7割が100万円未満

という衝撃のデータがあるんですよね(^^;;;

ヲイヲイ!!
って感じなんですけど、これが実態。

で。このデータを見てお分かりかと思いますが、とにかく「女性はお金との付き合い方が下手」です。

これは・・・歴史的に培われてきてしまった「労働環境」や「女性が取り巻く社会環境」にも起因するかと。

男女平等で、女性でもガンガン男性の平均収入以上を稼ぎまくっている人ももちろん多いんですが、、

実はそれ以上に「会社員やパート・主婦などで、、、そこそこしか稼げてない」という現状に置かれている女性も圧倒的多数!ってことなんですよね。

おまけにもう一つ困ったこととして、、、
女性の場合「勤めているときは給与はいいけど、起業になると稼げなくなる」みたいな人も増えます。

なぜかというと「営業力」がない、ってことが多数だから。

すなわち「給与で自動的に入金される(受け取る)ことには慣れているけど、お金ください〜って受け取ることに慣れてない」ってパターンも多いです。

起業は「お金が勝手に決まった日に振り込まれているわけではない」。
「請求してお金をもらう」がデフォですよね。
だからその辺の「営業力」が皆無なわけですよ。

加えてサラリーマンとは「決定的に違う!」「働き方」「お金のもらい方」に変容するので、そこを受け入れてきれない女性も多いからだと思います。
 
なんちゃって起業女子(特に中年世代)が増えるのも、無理からぬこと。

そんな人向けの「ビジネスマインドセット」の本でもあるのですよね。
 
でも女性はいきなり「起業で稼ぐための営業力の本!」とか出しても、響きません。
だから「成幸法則」みたいなコピーを上手に使って、「フワッと」させないとコンテンツも売れていかない。

女性特有の「ザ・プリンセスマーケティング」を巧みに取り入れながら、著者の個性もうまく引き出した本作りになっているとも感じますね。
 
 

4)女性向けの「小説」形式のマネー本もある


それがこちら↓↓

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投資コミュニティを運営し、自身も個人投資家として活躍する冨塚さんの本。著者さん自身もとても「キラキラ」とした”女子”ではあるんですが、もうその存在は「堂に入って」いて「振り切って」いるので、その辺りは「自分の道をどうぞ突き進んでください」って感じではあるんですがw。
にしても「お金の本」で女性に焦点を合わせたビジネス書で、「ストーリー形式」なのは、これまた思い切った編集をやったなーって感想です。

一時期「ビジネススキルをわかりやすく演出するために、ストーリー形式で本を作る」ってのが流行りました。
その時は私もまだKADOKAWAにいた時代だったんですが、まあ「ストーリー形式のビジネス書作りたい!」て相談受けるのも多かったな〜。

でもこの「ストーリー形式」ってのも、本作り側からすると「簡単ではない」ですね。
まず「著者のコンテンツ力」も高くないといけないし、文章力も問われたりもしますからね。
普通のハウツー本の文章とは違う、小説の技法を用いないといけないので、書き手の技量が問われます。

その意味でも、この本、、、製作陣は著者さん含め「頑張ったんだろうなーっ」て感を受けますw。
 
でも、重版もどんどんしているみたいなので、売れ本になっているのは事実ですね。

興味のある方は、一読してみましょう。
 
 

5)幸せにお金を「引き寄せる!」指南書


それがこちら

はい。
これ実は私の「出版コンサル」のクライアント様の商業本です。
私のプロデュースで、商業本に至ったケースです(笑。
とゆーことで、ここで宣伝ぶっ込んでしまってすみませんが、、

でもこの本も「お金との付き合い方に、拗らせている女性」向けにうってつけ、です。

お金との付き合いがうまくいかない女性ほど、並行してほぼ高い確率で「家族との関係」「周囲との人間関係」などに悩んで惑っている場合も多いです。

自己肯定感も低いですし、とにかく「自信がない」「お金がない」「子供がいうことを聞かない」・・・などなど「ない」へのフォーカスも強く、それがそのまんま悪い状況をまさに「引き寄せ」「現実化」させてしまっているケースも圧倒的。
 
そんな「ザ・拗らせ女」のマインドを、「幸せなお金、幸せなライフスタイルを引き寄せる美人マインド」に変える本でもあります。

ぜひ一読くださいね!


 

ということで、5選。超!独断と偏見でpicしました。
お金の本は・・・他は「投資の手法」本がやっぱり圧倒的です。そういう本はお金の本というより「投資本」になるし、投資本はやっぱり著者ブランディングが強く反映されているような本作りに・・・なってはいるので、ここでは取り上げませんでした。
 

独断と偏見すぎ、他にもこういういい本あるよ!という意見には・・・全く反応しませんが(笑、何かご参考・ご笑覧いただければ幸いです。

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