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【商業出版する方法+238】商業本にCD-ROMとかカードとか付属品(付録)をつけたい!と思っているあなたへ。

元KADOKAWAでビジネス・実用書の出版コンサルタント+編集者+ビジネスプロデューサーの渡邉です。

渡邉の方では商業出版にご興味があるビジネスパーソン向けの「窓口」として「出版相談」を設けています。

 

この出版相談では、本当にいろんな業種・ステイタス・相談内容が持ち込まれたりするんですが、、

時として「本に付属品をつけてうりたい」と考える人も多いです。

どういうことかというと、、

・音声データや動画や、ほかデータが入った「CD-ROM」をつけた本を出したい

とか、、

・(スピリチュアル系の人に多いんですが)占いに関するカード類・タロットカード類など、”束のカード”を本に付属させて売りたい
 
みたいな要望です。

まあ、確かに「本単体」ではなく、最近では「バッグ」だの「ソックス」だの、はたまた「枕」みたいなのがついて本屋やコンビニで売っている雑誌なんかもありますし、、

書籍でも、いろんな「付属品」がついたものは・・・売られています。
 
多分そういうのを見て、、

「私も本を出すんだったら、自分が作った物品を本につけて販売できないかな」

って希望を抱くんだと思います。


でもね。。


ちょっとまったー!


ってあえて言いたいです。


すなわち、


意外に簡単にはできないんです
よ。


ってことを。


>本に付属品をつけることは実は制作・販売時において「デメリット」の方が大きい


はい。結論からいうと、まさにこの見出しタイトルの通りでして。。

商品的な価値から言うと本は「文字もののコンテンツ商材」であることが前です。
だから「CD-ROM」とか「カード類」とかを販売するのがデフォではない、ってこと。
あくまでも「本」が主役のビジネスなのです


でも「CD-ROM」とか「カードとか」つけたい!って人の頭には、そもそも「本がメイン商品」というイメージが入ってないことが多い。
ここが問題だよなーって感じます。


そして「付属品がついた本」って、極めて「イレギュラー商品」「希少商材」であることを念頭に入れておいて欲しいです。


あくまでも出版社は「文字と紙で作られた”本”というコンテンツ・パッケージ商品制作&販売が前」なのです。だから、本の市場全体から見ても「付録」だの「付属」だのついた本は、希少商材なのですよね。

ということは、どこの出版社でもそういう付属品がついた本をガンガン作っているわけではない、って現実です。
 
付属品つきの本は、非常に「少ない」んだよーってことを覚えておきましょう。


>新人著者がいきなり付属品の本を希望通り作れるとは限らない

この「現実」も・・・申し訳ないですが押さえておいてください。

みんな簡単にCD-ROMだのカードだの、その他付属品がついた本を出しているように「見える」と思います。
 
でもよくよく見ていると、そうした本の著者だったりメイン監修だったりの先生たちの中で「新人著者」は99%いません

多くが、すでに著者としての実績が高いクラスにあるかた、あるいは大御所というべき方々がほとんどです。

そういう方に依頼しないと、権威性がつかず、信頼性も落ちやすく、売れ幅も下がるため、新人著者さんがいきなり自分の希望に沿って、付属品がついた本作りができるか・・というと「そうではない」ケースが圧倒的なのです。

よってこれから初めて出版しよう・・と思う方は、、大変申し訳ないのですが、いきなり付属品がついた本を出す、ということをウキウキイメージとして描くのではなく、、

純粋な文字コンテンツとしての本作りに専念してもらい、そこで著者としての実績を積んでいってほしい

というのが、編集者視点からのアドバイスになりますね。


>制作コストもかかるし、下手に商品のサイズ規定を外すと、書店で敬遠されやすい

これも厳然とある「現実」だ、と申し上げておきましょう。

そう。
「付属品がつく出版物」って、まず「制作コストが高くなります」。
作るためにお金がたくさんかかるんです。
だから「めちゃくちゃ売れる商品」として、多売が見込める著者のステイタスでないといけないし、それが担保されてないと、企画会議でも通らないですよ。
印税も制作コストに組み入れられて、満足に受け取れないことだって発生しがちです。
 

そして。
「書店での棚にスパッと入って売りやすい、形にしておかないと、本屋で売りづらいので、売り手にとって「不利」になりやすい」ってのもあります。
 
本は本らしく、”四角い”皆さんが目にする”定番のあの形”になっておくことが大事なのですよ。

付属品をつけると、商品としての本の形もいびつになりやすい
そしてCD-ROMだのカード類などをつけるとなると、そういう付属品の梱包に対し制作コストもかかってくるので、、、


実は出版社側からいっても結構「リスク高の商品作り」になりやすいのです。だから、「ここぞ!」「これぞ!」という企画でないと、作らないですね。


何よりも「広告」や「宣伝」目的になっては絶対にNG。


CD-ROMとかカード類をつけた本出したい!という人に限って「自分の商材を売りたがる」ことだけに終始しがちです。
商業本はそういう私欲だけにまみれた商品を作るのは御法度
完全に著者にとって、美味い汁になるだけの「広告」や「宣伝」の要素が高いなー、ってコンテンツは出版社も出版流通の現場も「受け付けません」。
なので、自分の都合だけで本作りしよう。と思わないことですね。
(そういうのをしたいのなら、自費出版サービス会社に行かれることがいいでしょう)


>結論を言いましょう!

まずは。。

「シンプルな本づくりでデビューして、著者としての実績をつみ上げること」
「出版社の方から”依頼”があって、付属品つきの本を出したい、という案件なら乗ればいい」

これですな。

ここを新人著者はしっかり目指そうよ、ってことです。

CD-ROMだのカード類だの・・・付属品で表現するコンテンツを「文字と紙上と製本で表現できるよう、ご自身でも考えたり工夫したりして、アウトプットしてもらえませんか?」ってことですね。


出版相談でもこういうご相談が割ときますが、その度に上記のことを率直にお伝えしています。


再度申し上げます。

特に新人著者なら「シンプルな本作りで、デビューして、実績を積む行動。そこからのスタートが、あなたにとっても出版社や読者にとってもハッピーになりやすいですよ」と。

参考になれば幸いです。

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