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【商業出版する方法+268】商業出版では有料商材の内容をアウトプットしてください。

元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+ビジネスプロデューサーの渡邉です。
 

時々起業家や経営者のかたで、

>本では”さわり”の内容(情報)だけを出して、本質的なお役立ち情報・ハウツー・スキルなどはバックエンド(有料&高額)のセミナーや講座でお伝えする
  


という意識で出版活動に臨まれる人がいます。
 

すなわち「商業本をフロント商材のように考えている」ケースです。


これ、完璧にやめたほうがいいです。
 

出版企画書を書いて出版社に持ち込んでも・・9割とおりません。
 

こういう発想する人ほど、いわゆる「セミナー集客理論」みたいなのをイメージしがちです。すなわち・・
 
「フロントのセミナーで20〜30%程度を伝え、本当に役立つ&有益(おいしい)情報はバックエンドの講座や塾でお教えします(・・だから塾や講座買ってね)」


これです。

こういう「導線」発想で出版を考える、という手です。
 

>フロントセミナー・フロント商材=商業本
 

というイメージです。
 

でもこの発想で商業出版の活動をしても・・・いっさい出版社は相手にしません。
申し訳ないのですが(^^;;。。
  

なぜか。出版社側の目線からお伝えします。
  

1、商業出版は「広告や宣伝物ではない」

この概念は大きいです。

>フロントセミナー・フロント商材=商業本

・・の発想で出版を考える場合、編集者や出版社の捉え方としては

「あ。この人自分の商売ツールのためだけに本を出したいと考えているな」

です。

なのでNGです。

「あなたの商売ツールのため」だけに出版社は本を企画し製造したりはできません。
 
「あなたの商売ツールのため」ということは、、完璧に宣伝や広告です。

商業本は原則「宣伝や広告」物、、ではない商品です。
  

あくまでも「社会公器」の商品として、出すことを(それでも)各出版社は使命としています。 


だから、フロント商材=本!・・イメージで出版活動をするのは避けましょう。


そういう出し方をダイレクトにしたいのであれば「電子出版」「Kindle出版」のほうが有効でしょう。


世の中には「ビジネスに直結する、売上や集客につながる!Kindle出版の出しかた、手法」のノウハウが出ていますし、実際「稼ぎに直結しやすい」です。
それを斡旋するKindle出版プロデューサー/コンサルタントも多く存在しますので、これらの業界で活躍されることをオススメします。


2、商業本は「価格が付いた商品である」。だから、情報価値は重い

商業本=フロント商材、、的なイメージで「さわりの情報だけば出してまとめればいい」と考えている起業家・経営者にすっぽり抜け落ちている概念があります。

それが「商業本はれっきとした(バックエンド)商品である」という概念。

賛否あろうかとは思いますが、それでも本は”価格がついた商品”です。

ただ「安価」の部類に入る。起業家や経営者にとっては。1000円〜2000円台で価格がつけられるので。。


でもですね。
それでも値段がついている「商品」です。
出版社の名を冠し、権利関係も明確にして出版契約を結んだ上で刊行される商品です。

電子書籍やkindle出版と違い、

・編集者
・校正者
・編集長や営業部(営業部長)などが、目を通して「問題ない」となった場合にのみ世に出される
 
いろんな人の目が入って出される情報コンテンツ商品です。

さらに、電子書籍やkindle出版と比べて「紙で印刷され、初版ある程度まとまった数を流布する」プロダクツになります。


だからこそ、情報の価値は重い・・部類に入ります。

商業本を出すと「権威性」や「影響力が高まり」起業家や経営者のブランディングにつながりやすいのは、紙の本としての”情報の価値が重い”・・この状況が歴史的にも作られてきたからでもあるのですよね。

ゆえに「安易で薄っぺらい情報」をまとめることはできません。

情報価値が弱いものを、商品として本にすることはできません。

「商品としての情報価値が弱いものを出してしまう」・・・それは、ゆくゆくは「読者への信頼を貶める」行為にもつながるからです。

さわり20〜30%の情報だけがまとまった形になると、、

・は。どっかで見た、聞いた情報ばっかじゃないか。こんなの書きやがって(舐めてんのか)
・バリューがちっともない(詐欺じゃないのか!?)
・チープなことばっか書いてて、これが本当に商品として世に出されているなんて馬鹿みたい。信頼できないね。

 
・・・以上の読者の反応がフツーに返ってくるだろう、、
と容易に想像できてしまうのですよね。


こうした反応、あなたはほしいですか?
そうではないでしょう。


商業本は原則的に「”著者のお客さんのため(お客さんを集めるため)”に出されるものではありません」し、そのために編集者も出版社も原則本作りは行なっていません。
 
(色々思われる方はいるかもしれませんが)それでも「読者の生活や仕事に貢献するため」にありますので、ここを忘れないようにしておいてほしいです。


3、本としての面白さ、差別化、個性に欠け、商品価値が下がる

「フロントのセミナーで20〜30%程度を伝え」・・・的な発想で本を出せばいい、本としてまとめればいい、書ければいい、、な起業家・経営者に多いのが、いざ出版企画を立案しようとしてコンテンツをヒアリングしてみると、、

>ネタの内容が浅はかで表面的

>すでに他の著者が言ってることと、著書で語られている、似たことを話されるのでつまらない(本としての商品価値が下がる脆弱コンテンツになる可能性がある)

>編集者目線からして、ちっとも面白くない(ことが多い)

>多く売れそうなコンテンツにならない(なっていない)


以上が経験上、圧倒的です。

何でこうなるのか?
そりゃ、、「さわりの情報」だけしか出さないからです。

さわりの情報って、、「あたりさわりのない」「面白みもスキルもインパクトに欠ける」情報やコンテンツになりやすいのです。

そういうコンテンツは、ぜんぜん「面白くてためになる」商品=ビジネス書/実用書にならないので、編集者はとても嫌います。

もっと言えば編集者は、、

・著者としてもコンテンツとしても「個性がなく」
・差別化もしづらく
・明らかに商品価値が低い情報ばかりなので、本にする意味がない


こう考えを巡らせ始め、、そして断じます。


「この人、ネタないわー(著者として依頼できないわ)」


と。


・・こうなると、完璧に編集者への信頼も落ちます。
企画は通りづらく、執筆依頼がくることも永遠ないでしょう。

「さわりの情報は教えて、ほんとの解決法・手法(=おいしいところ)は、バックエンドの講座で教えます」


・・・みたいなイメージで商業出版活動は、絶対に行わないほうが良いのです。集客もできないですよ。


4、バックエンド(有料講座・セミナー)で教えていることを、本で全部出していい!という大盤振る舞いのほうが、企画は通りやすく売れやすい本になる。

不思議に思われるかもしれませんが、今の出版の世界では、こうした発想のほうが、、

・本が売れるし
・著者としての知名度も上がり
・ブランディングにも寄与しやすい
 
が本質です。

だから私も出版コンサルのクライアント様には

「情報の出し惜しみはしないでください、バックエンドの講座で教えている情報を出してください。そのほうが、質の良い企画・企画書が出来上がり、出版社で早く企画も通り、売れる本になりやすいです」

と明言しています。


「本質的なお役立ち情報・ハウツー・スキルなどはバックエンド(有料&高額)のセミナーや講座でお伝えする」これをむしろ、商業本の「出版企画書」作成、かつ実際の商業本の制作にあたっても全てアウトプットしてもらったほうが、面白いほど成功します。


今はSNS社会でもあり、もう昭和時代ではありません。

誰もが、あまたの情報に閉塞性なく触れられるようになっています。

当たり障りのない情報は、どんどん消費され、目新しくもなんともない。

情報の受け取り方の価値が、一昔前に比べて「とても平易」で「大いに下がっている」のです。

スマホが現れ、SNSが普及している「令和」ならではの現象です。


だからこそ「バックエンドの有料&高額講座やセミナーで教えているハウツー」をアウトプットしてもらえれば、、

・商品価値は高く
・情報価値もバリューがつき
・本と著者に圧倒的な個性が生まれ差別化もでき
・売れる本、ベストセラー本に生まれ変わりやすい


・・・よって「出し惜しみなく」「GIVER」の精神で臨んでほしいですね。


なおそうやって有料&講座の内容を出すと

①情報を盗まれるんじゃないか
②すでに講座を買ってくれるお客さんに迷惑がかかるのではないか、、
 

という懸念を持たれる方も多いですが、、

まず①については、万が一「盗まれた」なら場合によっては真っ向から「法的措置」を取ることが可能です。
本になっている情報なので、著作権や出版権をはじめとした「権利」が発生しています。だからこそケースによっては堂々と法的措置を取れます。


②についてですが、これは実際多くの著者先生から聞いた話ですが、講座の内容を出したからといって「クレームが来たことが、意外とない」「講座生が離れたり、ビジネスに影響が出ることは・・思ったほどなかった」そうです。

むしろ講座生や関係者の人から「本を出した」ことに対し応援してもらえて、非常に暖かく見守ってもらえた。といった声を多く聞いてます。

そして、全部手の内を出した、からと言って「講座に来てくれるお客さんが減ったことは全くなく」、むしろ認知度が上がり信頼性も高まったので、もっと繁盛するようになった!

・・・としたケースも多数見受けられています。

実際「Web上で本の内容を全部出した」著者がこれまで幾人かいましたが、、


そういう人の本、むしろ爆売れしているのですよね。


有名なのが西野亮廣さんの絵本のPR手法。
こちらのブログで、その裏側を完全公開しています。


まあ、本を読んで「そのハウツーをモノにできる人」もいれば「モノにできない人」もいます。本を読んだけど、先生に直に教えを乞いたい!と思える読者だって出てきます。

人の心理って、ヘタに単純なモノではありません。


そして本の著者としてあなたが立ったとき、読者の一部は「コアなファン化」をしていきます。

「ファン化」してしまうと、起業家・経営者としてはさまざまなコンテンツを販売もしやすい。売れやすいです。
ここで、しっかり収益を上げられる構図が打ち立てられてしまうのです。


だから「手の内を明かす」「全部アウトプットする」ことで、実は、誰も何も困らないのですよね。


出版社+著者+読者「三方よし」の関係をいかに作れるかが、ビジネス・実用書の世界における成功法則です。


あなたが「実は隠しておいて、限られた人にしか教えたくない」情報を出せる勇気があるか、それを持って「有名になる覚悟があるかどうか」が商業出版で成功できるか否かの分かれ目です。


ぜひ、意識と行動の変容をおこなって、進んでほしいと思います。


参考になれば幸いです。
 

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