ロンドンの建設現場をガーデンに。都会のオアシス「Skip Garden」
ロンドンでビルや商業施設が立ち並び、今も開発真っ只中のキングス・クロスという地域。そんなキングス・クロスで、ビルに囲まれながらも異様な存在感を放っているのが「Skip Garden(スキップ・ガーデン)」です。
Skip Gardenは開発エリアの空き地を花や草木で彩り、その土地が売れてビルの建設が決まれば別の空き地に引越しするという「移動するコミュニティガーデン」。若者やローカルビジネスのボランティアによって管理され、新しくてサステナブルなコミュニティ作りをめざしています。近隣の建築学校の学生にデザイン・建設が行われたんだとか。
ガーデンでは花壇やビニールハウスでオーガニックの野菜が育てられており、収穫した野菜はすべて併設のカフェで使われます。提供されているメニューは全てヴィーガン・ベジタリアン対応。
私がいただいたフムスのオープンサンドは5.5ポンド(=約750円)、友人が頼んだ炭火焼き野菜のサラダは7.5ポンド(=約1020円)。物価の高いロンドンにしてはお手頃な値段で、新鮮な野菜を使っているのでとっても美味しい!
色鮮やかな草木に囲まれながら食べられるのも嬉しいです。
この日は晴れていたこともあってか、平日の昼間にもかかわらず、ガーデンは多くの人でにぎわっていました。
そこには大人だけでなく、小さな子どもたちの姿も。幼稚園の園外授業でしょうか?みんなでガーデンを歩き回り、さまざまな色のお花を集めたり、いい香りのする植物を探したりしていました。
都会に暮らしながらも、少しでも自然に触れて学べるコミュニティガーデンが近くにあるのは親も子も嬉しいですね。
ガーデンではこのように地域の人々を受け入れてワークショップなどを実施しているほか、ロンドンに新しく移住してきた人たちに英語・ガーデニング・料理を教えるクラスも定期開催しているそうです。
ご近所付き合いのうすい都会に引っ越してくると、その地域の人々のつながるのに苦労することもあると思いますが、言語が違えばさらに不安になることも。ガーデニングや料理など、手を動かす活動を通して、新しい人と知り合ったり言語を学んだりできるのは素晴らしいです。日本でも真似できそうな取り組みですね。
そのほかにも、Skip Gardenにはユニークな工夫が盛りだくさん。
廃材をアップサイクルして作られた、野生の虫が休める「虫ホテル」や...
ロンドン中から集めてきたという中古の窓を組み合わせてできた小屋など。
こちらの小屋の屋根では雨水を集めて、水やりに使用しているんだそうです。
虫ホテルの写真に写っているようなオレンジ色のカードがガーデンのいたるところにあり、様々な取り組みについての説明が書かれているので、散歩しながらカードを読むだけで学びがあります。
コンクリートのビルが立ち並ぶキングス・クロスの人々にとって、Skip Gardenはまさに「都会のオアシス」。青々とした草木や色鮮やかなお花を見て、新鮮で美味しい野菜を食べた人たちは、みんな満足そうな笑顔を浮かべてガーデンを後にします。
「この辺りには土地がないから」「開発エリアだから」などと諦めずに、柔軟な発想で若い人やローカルな人を巻き込むことによって実現している素敵なプロジェクトでした。
私たちの身近な地域では、どんなことができるでしょう?
(参照:Skip Garden公式サイト)
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