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メンタルは強くならないし、ならなくてもいい。

私はよく落ち込むし、気分のアップダウンも結構あるし、いわゆる「メンタル強いタイプ」とは程遠いところにいる人だと自分で思ってます。

HSP(繊細さん)気質で、刺激を受けやすく、色々な事について深く考え、ぐるぐる沼から抜けられなくなることがあります。以前は自己肯定感の低さも伴って、うつ状態にはまり込み、2回適応障害で休職した経験もあります。

そんな自分がずっと嫌いでした。否定していました。

【メンタル強い人】を、仮に、そもそもあまり落ち込むことがないとか、落ち込んでも深く落ちることがあまりないとか、ポジティブ思考が染み付いている人、と私流に定義するならば、そんな人達が羨ましくて、そうなりたいとずっと思ってきました。

が、結論、【私のメンタルは強くはならない】、に至ります。そして、【強くならなくてもいい】、というところに着地しました。

強くなくてもいい。でも、【しなやか】でありたい。

強くなると思ったら、真逆のことが起きた

「自分ってメンタル弱いなぁ」と思う時って、怒り、悲しみ、怖れ、罪悪感、無価値観、自責の念、モヤモヤ、そんな感情を感じている時。そして、頻繁にその状態に陥るということに気が付いた時。それらの感情を感じている時って、居心地悪いし、早くここから抜けたい。「不快」な状態なんです。

「快」の状態の方が気分も良いし気持ちがいいから、快の状態になりたいですよね。

メンタル強くなれば、「快」の状態が多いのだろう、今より楽に幸せに生きられるのだろうって昔は思ってました。

11年前、カウンセリングの勉強をスタートし、コーチングに出会い、心理や意識の探究を続けてくる中で、「心や意識のことを理解して、上手に操縦できるようになれば、メンタルも強くなるに違いない」と思ってました。

ところがどっこい、真逆の事が起きました。

カウンセリングやコーチングでは、自分が何を感じているのか、どういう感情がそこにあるのかを言語化して認識していきます。自分の心や意識に向き合うことで、自分の感情のセンサーが本来の繊細さ・敏感さを取り戻し、これまでは蓋をして気が付かないようにして麻痺させていた感情にもどんどん気が付くようになっていきました。

「私、こんなに怒りっぽいんだ」
「私、こんなに嫉妬してるんだ」
「私、こんなにナマケモノなんだ」
「私、こんなに闇が深いんだ」

出てくる出てくる、「私ってこんなに・・・(涙)」のオンパレード。

「明るく前向き頑張り屋の優等生」という側面だけを全面的に出して必死に走り続けていた30代前半の私の自己理解が、ガラガラ音を立てて崩れていきました。

職場で、突然上司に怒りをぶつけてしまったり、泣き出したりしてしまうことが出てきました。今までは何か感情に触れても、それを感じすぎないようにしてきたことでなんとか保てていた自分が、自分の感情に気づきそれを感じられる自分に変わっていったことで、その感情を抑えきることができない状態に陥りました。

そして、それをやってしまった自分を責める。そのループで、私のメンタルは、心理や意識のことを勉強する前よりも、どんどん弱くなっていくように感じました。「カウンセリングやコーチングで自分の気持ちに向き合ったり、自己理解を深めることって、むしろ事態を悪化させていないか??」って思った時もありました。

でも、それでよかった

職場で感情的になってしまう、そんな大人げない態度を取ってしまう自分を責めていたのですが、予想外に、周囲の人はとても優しかったんです。

「それだけ仕事に本気だっていうことですよね!」
「気持ちすごくわかるよー」
「一緒にやっていこうね。味方だよ!」

て。

もうびっくり仰天、目からウロコ。え、感情、出してもいいの?って。こんなカッコ悪い自分でもいいの?って。

世界がひっくりかえったような衝撃。

さらに、その時期に、一緒に心理や意識の探究をする仲間や、自分のコーチに、私に起こっていった変化をシェアする中で、「いいね!」「素敵だよ!」「どんなあなたでも価値があるんだよ」っていうことをたくさん言ってもらい、そういう応援のエネルギーをたくさんもらうようになっていきました。

そして、次第に、本当に次第に、「あぁ、どんな自分でもいいんだ。大丈夫なのかもしれない。」って少しずつ、少しずつ、少しずつ、思えるようになっていきました。

感情を感じて解放していく中で、偽りの自分ではなく本当の自分を取り戻していく感覚が生まれていきました。

自分の深く奥底に眠っていた感情の膿を出したところで、私の世界には何も悲しい事は起こらなかった。

いや、正確に言うと、そんな私を、「大人げない」「自己中だ」と批判する人もいました。けれども、それ以上に、「いいね」「大丈夫だよ」と言ってくれる人が増えた、ということ。

感情さんという生き物

ちなみに、私は、「職場で怒りを出してもいいです」と言っているわけでも、それを推奨しているわけでもないです(苦笑)

感情全部もろだしで生きたら大変なことになります・・・!

伝えたいのは、「感情に良い悪いもない」ということ。そして、「感情に蓋をせずに、感じてあげるといいよ。そして、適切な場面でそれをやろうね。」ということ。

感情に蓋をすると、膿がたまり、くさい臭いを放ち、いつか爆発します。爆発しなかった場合は、心や身体をむしばみ、病みます(私はそれで、2回、適応障害を経験してます)。我慢すればするほど、一番それを出したくない場所でブレーキがきかなくなり、大爆発、という事態にもなりかねません(はい、ここに経験者います)。我慢強い人ほど、急に大病を患うということもあります。

ならば、早めに、その蓋をとって、中にある感情をしっかり見て感じてあげようよ、ということ。感情を感じることは時に辛いこともあるけれども、感じてあげることで、感情さんは満足します。

「あぁ、よかった。ちゃんとボクの存在に気が付いてくれたぜ。」

って。だから、わざわざ暴れて悪さするようなこともなく、満足しておさまるべきところにおさまってくれる。

ただ、感情を感じることって、時にはすごく怖い。戻ってこれなくなるんじゃないかっていう恐怖もあります。わかります。怖いなら、一人でやらない、というのがとても大切だと思います。

私は信頼できる人(プロのコーチ、セラピストさん、家族)に話を聞いてもらうことで、どうしようもなくなった感情を感じるプロセスに立ち会ってもらうこともあります。

メンタル弱い⇒メンタルしなやか

こんなに自分の心や意識に向き合ってるし、学びも進めているのに、私のメンタルさんは一向に強くはなりませんでした。

むしろ、以前よりも色々なことを繊細にキャッチし、感情的になっているかもしれないし、苦悩を感じることも増えているかもしれない。

でも、あきらかに、落ちてからの戻りが早くなりました。そして、「ここでは一旦今の感情は保留にして、あとから感じてあげよう」とすることもできるようになりました。

仕事をしているときに、いつでも感情を感じっぱなしでいると仕事にならないので、そこは自己管理して律することもできるようになりました。でもこれは我慢ではなく、後でしっかり感じてあげることをしているので、大爆発ということにはなりません。

昨日もめっちゃズドーンって落ちて、「もうほんと最悪。どうしよ(涙)」ってなりましたが、1日で本来の自分に戻ることができました。

アップダウンの幅は変わらないし、アップダウンは相変わらずあるけど、その兆候に早めに気がつくことができるようになりました。そして、もし気がつけなくて実際にアップダウンの中に入ってしまったとしても、あまり時間をかけずに戻ることができるようになりました。

ダウンの時は正直しんどいです。しんどいですが、ダウンの時にしかできない経験があり、その時にしか感じられない感情があり、その時だからこそ差し伸べてもらえるサポートにも感謝が溢れ、その時だからこそ、そんなあたたかい人のつながりに「あぁ、私は生きているんだな」と自分の命を思いっきり感じる経験ができます。

前は「ダウンしている自分はダメだ」と捉えていたけれども、「そういう時もあっていいよね。むしろ、人生を豊かにしてくれているよね。」という捉え方に変わりました。

これが、私自身が色々学び、自分の身体で人体実験をして、辿り着いた場所です。

私はこの状態を、勝手に【しなやかメンタル】ととらえています。

【しなやかメンタル】に大切なこと

この3つかなと思います。

①感情をしっかり感じる

②自分のトリセツをつくる

③ありのままの自分でいられる場所、人をつくる

①感情をしっかり感じる

これは上記に書いてあることそのままですが。感情に良い悪いもないので、否定をせず、感じてあげることを自分に許可する。

どんな感情があっても批判せず、「そう感じているんだね。そうなんだね。」受け止めてあげる。

「こんな感情的になってる自分だめじゃない」と自己批判をすると、二次災害につながります(もっとしんどくなります)。批判せず、ただただすーっと受け止めるようにしてみると良いです。

②自分のトリセツをつくる

自分がどういう時にアップ状態に入るのか、どういう時にダウン状態に入るのか。そこにはパターンや傾向があるはず。

過去の出来事を振り返り、パターンや傾向を理解し、そうなりそうな兆候を早めにつかめるようにする。

または、なってしまった時にどうしたら本来の自分に戻れるのかの対処法を作っておく。

自分ではなかなか客観的に発見できない場合もあるので、身近な人に聞く、プロの力を借りるなどもお勧め。

もし、家族や恋人など、近い関係の人がいるならば、自分の傾向と対策の情報を共有しておくのもお勧めです。

例えば私の場合、ホルモンバランスの影響を受けやすいので、毎月のホルモンバランスの流れをアプリで管理し、夫と共有しています。「あ、そろそろ危ない時期に突入だね(苦笑)」とお互い握りあい、その時期はそっとしておいてもらっています(^-^;

③ありのままの自分でいられる場所、人をつくる

これが本当に大切だと思います。

いくら自己理解が深まり、対策もできていても、どうしようもないゾーンにスポっとはまる時はあります。そして、あっていいんです(そうなっちゃダメって否定すると、かえってしんどいです)。

「もう駄目だー、最悪ー、この世の終わりだ・・・」と絶望に打ちひしがれてしまう時はあります。

そういう時に、「この人(人達)の前では、ありのままの自分でいられる。どんな自分も見せられる」という人がいることが、本当に心の支えになります。

そして、本当は、自分自身が自分に対してそういう存在になれることば一番。自分が「どんなあなたでもいいよ。大丈夫だよ。」って自己受容できていることが最高の状態です。

ですが、「それができればこんなに悩んでないよ」っていう気持ちもありますよね。

なので、自分以外の人とのつながりもちゃんと持っておく。そうすることで、少しずつ、自己信頼にもつながり、自分軸に戻ってくる感覚もつかめていきます。

「あぁ、またいつもの落ち込みきたきた。でも、きっと、大丈夫だろう。ちゃんと上がれるから、今は落ち込んでいる状態のままでOKとしよう」

そう思えたら、落ち込みは何も怖くないです。

むしろ

その経験が、あなたの経験を豊かにし、感性を広げ、共感できる人の幅も広げ、人として深みのある人へと導いてくれる

と思うのです。

私が自分の人生で体現したいこと

それは、「私自身が、ありのままの自分でOKを出せる自分でいること」そして、「誰かにとっての、ありのままの自分を出せる場所・人であること」です。

【ありのままでいるってこういう感じなんだ~】

という安心感を感じられる時、本来その人が持っていた純粋なパワーが溢れてくるのを感じます。そこから、「私はこれをやりたいんだ!」「こういう風に生きたい!」という命の声が出てくる。その命の声が出てくるその瞬間がとんでもなく好きです。

「強くなきゃいけない」でもないし、「弱いのがだめ」でもない世界。
強くあっても、弱くあっても、どちらでもいい。落ちても上がっても、泣いても笑っても、どちらでもいい。
どうあろうと、自分(あなた)の価値は変わらないし、きちんと本来の自分(あなたに)に戻ってこれる。

これからも、喜怒哀楽の波とゆらぎを味わいながら、しなやかメンタルで人生を歩んでいきたいです♬

今日も読んでいただきありがとうございました(*^-^*)

★私の公式HP★
パーソナルコーチングや、HSP(繊細さん)向けのキャリアコンサルティングを行っています。ご興味ある方、ぜひ「問い合わせ」よりご連絡くださいね。

★今回のテーマに近い内容について音声配信しました★
(感情には本来「良い悪い」はないのですが、この中では、話をわかりやすくするために「悪い感情」「ネガティブな感情」という表現を使っています)

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