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私の見た世界 - 3

漂流の果て


少し休憩をはさんでから、いよいよ前世誘導に入ります。私はベッドに横たわり、深呼吸を何回かして、先生のテノール歌手のような張りのある声に身を任せます。

今見る必要のある前世に行ってみましょう。
3 … 2 … 1
さあ、そこにいます。

何が見えますか? 
こんな感じがする、でもいいよ。

見よう見ようとしないでいいと言われていたので、イメージが湧いてくるのを待っていたのですが、なにやら大きなコントロールルームみたいなところが見えてきました。発電所とかダムとかビルとか、大きな施設の電気や空調設備なんかを一括で管理するような建物の内部の様子。
あれれ、過去っぽくないじゃん…?と若干混乱しながら、「機械がいっぱい見えます」と伝える私。

「その機械で何をしているのかな?周りに人はいるかな?」
と、促されるまま見ていくと、すーーーっとカメラワークでいうところの『引き』の状態になっていき、その建物を外から眺めるカタチに。

…ん??

…浮いてる?

てゆーか、飛んでる???

ええーーーーーっ!?!?




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(形はちょっと違うけど、こんな感じ )

え、うそうそ、なにこれ?  
制御ルームだと思っていたのは操縦室で、この物体を動かしてたんだ。

どう見ても宇宙船みたいなんだけど、私、スターウォーズもスタートレックも、それ以外のSF系も、そんなに見たことないし、詳しく知らないし…

もう、自分の見ているものがなんだかわからず、内心あたふたと混乱気味でした。

「えっと、えっと… なんだか宇宙船っぽいんですけど」
と、催眠状態に入ったまま、半分はっきりしている意識で恐る恐る言うと、

宇宙にいるみたい? そう~。
じゃ、その宇宙船はどこに向かっているのかな?

と、私の動揺なんて気にも留めずに先生が返してくれた。

なんだ、変じゃないんだ。
さすが百戦錬磨の先生、こんなことは日常茶飯事なのかもなとちょっぴり安心。セッションで宇宙人とかUFOとかを見たという話を聞いたこともあったけど、まさか自分が見るなんて…。

どこに向かっているんだろう、ということに意識を向けると、なんだか急に焦りの気持ちが顔をのぞかせてきた。
「どこに向かっているのかわからなくて、焦って混乱しているような気がします」

「どうして?自分で決めたんじゃないの?」

「うーん。よくわからないです」

「じゃ、宇宙船に乗り込む前の場面に行ってみよう。
3、2、1 … さあ、そこにいます。どうして宇宙船に乗ることになったのかな?何をしに行こうとしているのかな?」

すーっと場面が変わり、赤い土の果てしない荒野が出てきます。このページのトップ画像によく似た風景が延々と広がっていました。いたるところが真っ赤な乾いた土で、切り立った崖やごつごつした大きな岩もたくさんあるところ。

温かくも寒くもなくて風も吹かず雨も降らない…… そう、言ってみれば『単調』なところでした。

「周りに人はいるかな?」
という誘導に従って、周りを眺めてみると
あ、誰かいる…

てか、たてがみがあるじゃないかっ!

もう、自分の見ているものが信じられなくて、なんだこれ?まじか~?などと思いながら、じっと見ていくと、ライオンのようなたてがみを持った、大柄の男性が見えてきます。

顔つきは人間とライオンが半々な感じ、白目のない真っ黒でビー玉のような真ん丸の目は眼光鋭く、でも身体つきはイメージでいうと2メートル以上ある二足歩行の存在です。言葉でどうイメージを伝えたらいいのかわからないけど、アニメのライオンキングのような威風堂々とした雰囲気をまとった存在でした。

それを伝えると、
「あなたも同じような格好をしてるの?」

え?そうなの?と自分の身体つきを俯瞰して眺めてみる。
すると、私も人間のような身体つき(二足歩行)ではあるものの、どうやらたてがみはない様子(内心ホッとする)。

ん?でもなんかついてるぞ…
と、よくよく見ると、頭の周りに大きな羽根飾りがついています。自分の体の3分の1くらいの大きさの羽根ひとつを頭の右側につけていて、それが自分の特徴のようです。なんで羽根かは全然わからないのですが。
でもって、そのライオン氏とは違って、ちびっこい感じ。なんか、キャラが全然違うんですよね、不思議なことに。

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どうやらライオン氏はその世界でのリーダーのような立場の人で、それぞれの想いをサポートする役割を持っているようでした。

で、どうして宇宙船に乗ることになったのか、どこに向かうためなのかを探っていくと、

● 好奇心から、(単調な)ここから出てみたい
● 宇宙船に乗って、人間として生まれ変わるポイントまで行くことになった
● いろんな経験ができることを楽しみにしている


というようなことが、次から次へと自分の口から出てきたのでした。

初体験の前世療法で、しかもひとつ目に見たものが、まるっきり自分の想像を超えていて、なんで?なんで?が止まらなくなってしまいました。てっきり古い時代の悲しいストーリーが見えてくるんだろうという思い込みがあったのです。

催眠状態では、いつも私たちが自覚している「意識」もはっきりしているので、半分は「うそでしょ~」と思ったりもしているのですが、このしょっぱなに見た前世は、想像しろと言われても絶対無理だよな~というシーンや存在、感情が出てきたこともあって、とりあえず「ま、そういうことらしい」とすべて受け入れることにしました。この辺、得意です。

どうやら私は、どこまでも赤土の広がるあの単調な世界では経験できないようなことを、この地球で、人間として、あえて体験したいという好奇心に満ち溢れていたようです。

そう思うと、いろんな痛みやつらさ、喜びも愛情も、すべて望んできたことだったのかぁと、この仕組みの奥深さに恐れ入った!という感じでした。
その時に抱いていた「いろいろ経験してやるぜ!」的な好奇心をいい具合に満たしているのかは謎ですが(笑)


しょっぱなからこんな展開でしたので、勢いに乗らないと書けない気がしていました。

とか言いながら、この初日のセッションでは全部で6つ(!)の前世を見ることになるのです。
朝から夕方までのフルセッションですからね。

次回からはかいつまんでまとめようと思います。
お読みいただきありがとうございました。


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