Rico Tsuruno

すべての人が対等で尊重し合っていることが当たり前の世界を想像してみようと思い、Sci-…

Rico Tsuruno

すべての人が対等で尊重し合っていることが当たり前の世界を想像してみようと思い、Sci-Fiとして書くことにしました。想像できないことは実現できませんが、想像できることは実現できると聞いたので。 書き終わった。 https://linktr.ee/RicoTsurumino

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最近の記事

領域

今日は領域について学んだ。 アサーションで「気持ちを話す」「I statementで話す」ということが言われるのは、それが自分の領域内のことだからだと気づいた。 相手を尊重するというのは、相手の領域を侵害しないということだ。 わたしは、お節介は頼まれない限りしない方がいいと思っている。頼まれても嫌なことは断った方がいいと思っている。冷たいと言われても、自分の領域は尊重した方がいいと思っている。たとえ自分が原因だったとわかったとしても、それでどうするかは相手の領域なのだと思

    • 他人と自己に関する考察

      私たちは他人を他人だと思っている。ある意味それは正しい。他人は自分ではない。でも、他人をどう捉えるかということを考えると、他人と自分の境界線は非常に曖昧になってくる。また、その意味において、私たちは自分が他人に投げかけたものが、必ずしも自分に対して発せられたものとして返ってくるという期待ができない。 私たちは隔絶されているが、いわゆるマインドフルネスによって隔絶は減るだろう。 問題は問題があることではなく、問題を見続けること、解決しようとしすぎることにある。 今すぐ、こ

      • Faith

        啓示があった All beings are good Species are all good no matter what 性善説ではなく 「説」なんかではなく 内側の奥深いところで 「信じる」なんかではなく わかっている 「識る」なんかではなく 知っている ただ、上手に解決できず 傷つき、恐れている だけ どんなに暗闇の底まで行っても 光は消えることはない むしろ、深い闇の中でこそ 光に気がつけるのだ 安心していい 知っていることを思い出せばいい

        • 老いてできるようになったこと

          細かいことが気にならなくなった 老眼で 気持を引きずらなくなった 物忘れで 冷え性が治った ホットフラッシュで 自分を大切にできるようになった 体力が落ちて 挑戦することが増えた 技術の進歩について行けなくて 褒め上手になった 自分を励ますことが増えて 諦めと受け入れの違いがわかった 受け入れつつできる範囲でやるようになって マイナスをプラスにすることができる ものは考えようだと学んで

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        • 七人姉妹
          10本

        記事

          バカにされたくなかった

          女に生まれたこと バカにされやすいんだと理解した バカな部分もある たしかに、バカなところもある そこはかわいいところ 愛すべきところ でも、さげすまれるところではないと憤った 女であること バカにされないように頑張った バカな部分もある たしかに、バカなところもある そこは学ぶところ 成長すべきところ でも、それは人間ならみんな同じだと確信した 女ということ バカだから固定されたものだと信じてた バカな部分でもある たしかに、バカなところでもある それはグラデーション

          バカにされたくなかった

          神秘体験

          わたしはメコン川の泥色の水に漂っていた その日のツアーの疲れを体に纏って 舟のエンジンがポンポンと鳴り 傾きかけた太陽が斜めに差し込み 心地よい風が頬を撫でていた 夢と現実がクロスオーバーする 自分をまとめていることが難しかった 見えている世界とわたしが境目を失った 川面の波頭すべてが黄色い太陽光を乱反射していた 舟は揺れ エンジンはポンポンとリズムを刻む 波頭が何かを言っているような気がした 心の耳を澄ますと 「愛してる」 という意味の言葉でない何かが聞こえた気

          神秘体験

          クリティカル・マスと帰還

           その日は昼から突然の大雨が降って、夕方に止み、プロジェクトの集まりが始まる頃に大火事が起きているのかと目を疑うような夕焼けが出ていた。 「そうではないかと感じていることを、思い込みや願いによって否定したり保留することは、本来辛い状態です」  マタは話を前置きもなく始めた。 「批判ではなく、思いやりとして最後に大切なメッセージを伝えます」  マタは少し悲しそうな眼をして私たちを見回した。 「どんなに物質として距離が離れていても、地球の人々と私たちはつながっています。

          クリティカル・マスと帰還

          異星人のほほ笑み

           タウリの仲間がほほ笑みながら話し始めた。 「私たちは血のつながりはありませんが、二人が幼いころからたくさんの時間を共に過ごしています。私たちは7人で地球に来ました。地球に来てから自転600回くらいです。地球の単位で2年近くということでしょうか。他の5人はアジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカなどで同じように地球人に会って私たちの星の話をしています。私はオセアニアを担当していました。クリティカル・マスをそろそろ超えるようなので、私たちは自分たちの星へ帰る準備を始めていま

          異星人のほほ笑み

          目的と仲間とコミュニケーション

           タウリは初めて1人仲間を連れてプロジェクトの集まりに来ていた。私たちはタウリとその仲間を見て初めて彼らの見かけの特徴を感じた。それは私たち地球人と違うという傾向が二人以上いることで顕著になったものだった。顔の特徴はライオンやピューマなどの大型のネコ科の動物に似ている。鼻筋が太い印象だ。眉間から鼻先まで高く太い。背が高い。漂う雰囲気は非常に柔らかいが、意志の固そうな印象を受ける。  私は手を挙げて質問した。 「見かけは何か地球にいるために変えているのですか?」 「はい。

          目的と仲間とコミュニケーション

          個と集団

          「前回、メリットということを話されていました。このことに関して質問があります」  メンバーが最初に手を上げて質問を始めた。 「メリットというか、ベネフィットというか、それは公共と個人の間で常に対立するものであると思うのです。集団は規律と滅私や無欲を求めますし、個人は承認と自由と自己実現を求めます。このバランスをあなたの星ではどのようにとっているのでしょうか?個と集団はいつもその利益を争うものとして地球では認識されています」 「なるほど。利益ですね。これは私たちの星で目指

          個と集団

          6番目の感覚器官

           タウリが「では、実際にやってみましょう」と言い、私たちはエネルギーでのコミュニケーションをやってみることにした。 「みなさん、目を瞑ってください」  私は言われるまま目を閉じた。 「何か感じたら手を上げて、目を開けてください。感じなければじっとしていてください。気のせいかなと自信がない時は肘を曲げて手を上げます。自信がある時は肘を伸ばして手を上げます。いいですね?」  しばらく何も感じなかった。急に笑いが込み上げてきて、大きく手を上げて目を開けた。半分手を上げている

          6番目の感覚器官

          テレパシー

          ある時私たちはタウリとエネルギーによるコミュニケーションのことについて聞いた。 「私たちの星では、言葉より感じたエネルギーの方に重きを置きます。言葉がエネルギーと違うときは嘘をついたということですから、お互いに見逃したりしません。嘘は本人にとっても、周囲にとってもよくないからです。嘘ではなく、迷いの時点で気がつきます」 「前にも聞いたと思うのですが、エネルギーがわかるのであれば、言葉を使う必要性はあるのでしょうか? テレパシーと私たちが呼ぶようなコミュニケーションができる

          テレパシー

          悪意のない星

          「この星に来て一番びっくりしたことを話したいと思います」  タウリは少し考えてから、言葉を絞り出すように一語一語考えながら話し始めた。 「これは批判として受け取る地球人が多いので、どう説明したらいいか難しいのですが……、地球人には明らかな、何というか、悪意と感じられるエネルギーを、他人に、自分以外の人に、簡単にぶつける人がですね、……言いにくいですが、わりとたくさん、皆さんが思っている以上に、たくさんいる上に、それに気がつかないふりをして、あるいは自分のせいとして受け止め

          悪意のない星

          平等についての話

          「私たちの星では」  彼女の話が始まる。 「固定された値の平等を目指しません。それが不可能であることを認識しているからです。例えば、胃腸の働きの強い人と弱い人が同じ量を食べることを目指さないのと同じです。目指すのは、個々人の満足です。それは、量や見た目などの外側に基準を置くことができず、個々人の体質や信念や体調などに常に左右されて定点としての値を持つことはありません。同じ個人であっても時間によって違ってきます。そのため、私たちの星では自分の体や気持ちや感情に注意深く心を傾

          平等についての話

          プロジェクトの始まり

           プロジェクトは単純なものだった。彼女の星の話を聞くだけ。それだけだった。  彼女には少人数で数ヶ月にわたって繰り返し会い、質問を度々挟みながら理解を深めていった。 「初めに理解してほしいのは、私たちの星では優劣というのが何を目的としたときに優れているのかということしか表さないということです。これは非常に重要な世界の捉え方です。度々私は説明のために比較をしますが、それはいつでもこのプロジェクトの目的である世界平和のためだけに用いられる尺度であることを適宜思い出してください」

          プロジェクトの始まり

          来訪者

           知り合いを通じて私が彼女に会ったのは去年の夏だった。ウィルスの蔓延で人々の中に不安が渦巻いている中だった。彼女は非常に背が高く色白で細身だった。あまり汗をかいている風でもなく、酷暑にも涼しげな顔で公園のベンチに腰かけていた。背が高い割には目立たず、何というか、気配というものが薄い人だった。  しかし彼女の話は衝撃的なものだった。 「優劣というものを固定された尺度と考えるのは地球人の特徴ですね」  彼女は唐突に「地球人」と言った。それで私はハッとして彼女の顔をまじまじと