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クリティカル・マスと帰還
その日は昼から突然の大雨が降って、夕方に止み、プロジェクトの集まりが始まる頃に大火事が起きているのかと目を疑うような夕焼けが出ていた。
「そうではないかと感じていることを、思い込みや願いによって否定したり保留することは、本来辛い状態です」
マタは話を前置きもなく始めた。
「批判ではなく、思いやりとして最後に大切なメッセージを伝えます」
マタは少し悲しそうな眼をして私たちを見回した。
目的と仲間とコミュニケーション
タウリは初めて1人仲間を連れてプロジェクトの集まりに来ていた。私たちはタウリとその仲間を見て初めて彼らの見かけの特徴を感じた。それは私たち地球人と違うという傾向が二人以上いることで顕著になったものだった。顔の特徴はライオンやピューマなどの大型のネコ科の動物に似ている。鼻筋が太い印象だ。眉間から鼻先まで高く太い。背が高い。漂う雰囲気は非常に柔らかいが、意志の固そうな印象を受ける。
私は手を挙げ
プロジェクトの始まり
プロジェクトは単純なものだった。彼女の星の話を聞くだけ。それだけだった。
彼女には少人数で数ヶ月にわたって繰り返し会い、質問を度々挟みながら理解を深めていった。
「初めに理解してほしいのは、私たちの星では優劣というのが何を目的としたときに優れているのかということしか表さないということです。これは非常に重要な世界の捉え方です。度々私は説明のために比較をしますが、それはいつでもこのプロジェクトの