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ハイヒールで踊れますか?

 アルゼンチンタンゴのイメージと切っても切り離せないハイヒール、でも実際タンゴを踊る皆さん(の半数強)にとっては、何かと悩ましいことも多いですよね……。今回はハイヒールに関するアレコレを書いてみたいと思います。(タイトルイメージ by Femme Spirit

まず最初に質問です

 どんなダンスでもいいですが、一番初めに踊った時、どんな靴履いていたか覚えていますか? お母さんのおなかの中とかだと裸足ですが、幼稚園のお遊戯会などだとゴムの上履き、バレエの発表会でもはじめはバレエシューズでしたよね? ちゃんと地に足がつくペタンコの靴でしたよね? 
 で、最後に人前で踊ったときからウン(十)年たって、諸般の事情によりアルゼンチンタンゴを踊りはじめて、フォロー用の靴を買おうとした時、どう思いましたか? 
「きゃーこれ素敵💕……でも無理~😭」
「うーん、踊れるようになるまではこっちのにしとこう...…😞」
「ソックスのままだったら先生に叱られるかしら?🤔」
 ……ハイ、わかります、わかります。あの光輝くタンゴシューズピンヒール👠と現実のギャップ。

何センチ?

 ハイヒールを履いて踊るのは、何もアルゼンチンタンゴだけではありません。ボールルーム、ラテンダンスのフォロワーもそうですし、プリンスもすごいの履いて踊ってましたよね……。え、でも歩くのに苦労するほど高くなくてもいいんじゃない、って? ハイ、ごもっともです。実際、タンゴを踊るのにヒールの高さは最重要じゃありません。何センチでもいいんです。

 フラメンコのような踵も頻繁に使うダンスと違い、タンゴでフォローする場合、基本的に踵は使いません。フォロワーの踵は常に浮いている状態です。ここでポイントは踵を浮かせることが目的なのではなく、重心を片足のできるだけ狭い一点に集めるために踵が浮くのだ、ということです。重心を一点に集めると、例えば、ピボット方向転換しやすくなりますし、リーダーと共通の重心も維持しやすくなります。

 タンゴで「片足のできるだけ狭い一点」と言う場合、バレエのポワントトゥシューズような爪先の一点ではなくて、足のアーチ上のから指球(猫でいうところの肉球)の上までの広い範囲内のどこか一点ということなります。もう少し具体的に言うと...…そうですね、何かにつかまっていろいろな高さで踵を浮かせて片足立ちになってみてください。体が安定して手が離せるポイントがいくつかあると思います。例えば、踵が床に近い時は足のアーチの真ん中に体重がのって安定しているでしょうし、足の甲が垂直になるような爪先立ちでは拇指球あたりに体重がのっていると思います。これらの点を一瞬一瞬使い分け、重心を常に安定させながら、フォロワーは踊っているわけです。

 重心を維持できる範囲が広いと(当然ですが)ヒールの高い靴でも、低い靴でも、問題なく踊れます。ついでに言うと、床面の状態が凸凹だったり、滑りやすい・にくい、といったことにも対応しやすくなります。そのようなわけで、靴を選ぶ時は、ヒールの高さが何センチということより、自分が重心維持できる範囲がどのくらいかということが重要になってきます。(その辺を把握するために、ヒールを履かずに練習するという手も有効かと。noteにもありました、関連記事❤️)

デザインは?

 それでも憧れますよね、華奢なピンヒール……。タンゴを踊るなら一度は履いてみたい。どうしても履きたい靴のヒールが十センチ、なんていう場合、体幹鍛えて重心あげよう! でまさにタンゴエクササイズの世界ですが、時にはペッタンコのバレエシューズで可憐に踊る、とかも、かわゆくていいものです。今日はダンススニーカーでヒップホップ風に、なんていうのもいいな、と思います。ですから、基本的な体重移動と方向転換がスムーズにできれば、靴のデザインは、TPOや、個人の趣味でいろいろアリだと思います。まあ、体育館シューズで踊ってる人は、まだ見たことありませんが……(←小説Oblivión へのフリです。読んでやってください)

 迷いは尽きませんが、七転び八起き、めげずに行きましょう。皆様のタンゴシューズのアレコレもぜひ#タンゴシューズで教えてください。それではまた~♡

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