見出し画像

詩 【 アトピーマン − 痒みの正体 − 】

痒いところに手が届く


手が届きすぎる

掻くと一瞬「痒み」が治まったかにみえるが

また数秒後にはちがう「痒み」が倍加し襲ってくる

それでも掻くことはやめない

掻くと一瞬「痒み」が治まったかにみえ、瞬間気がまぎれるので
掻くことは快楽なのだ カタルシスなのだった

− 痒みの正体 −


それはジャンキーとみつけたり

中毒であり依存することである

パチンコや競馬などの賭博もそう

酒やタバコ、麻薬などに溺れるもそう

親や子ども、恋人など
人は何かにつけ依存してしまう

「痒み」が刹那まぎれるので
どこかしら掻き毟ろうとする

やめられないし とまらない とめる気概もない

痒いところに手が届く

おお神よ これは苦行でしょうか

こんな惨い仕打ちもないではありませんか

掻いても掻いても まだ掻き足らない

人はたぶん 死ぬまで一生「痒がり」なのだ

痒いところに手がとどくばかりに
死ぬまで一生 掻きつづけて 描きつづけて

もがきつづけるのだろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?