#122 くもをさがす
著者の西加奈子さん自身が、カナダで経験された乳がん闘病記である。
異国の地で病院に行くなんて…と想像しただけで不安になった。
これは私が読みながらずっと抱いていた感想である。
コロナ禍で日本への帰国が容易でなかったことや手術の日時が遅くなってしまうことを懸念してカナダでの治療に踏み切ったそうだ。
西さんには助けてくれる仲間がカナダにもたくさんいた。
それがとても大きいことだと思った。
そしてそういう仲間に恵まれている西さんを羨ましくも思った。
病気の時は、当たり前が当たり前にできないし実質的にも精神的にも誰かの支えは不可欠だと思う。
病気になって、失ったことばかり考えてしまう私とは大違いだ。
※ここから話は少し感想から脱線する。
うつ病の診断をもらってからかれこれ半年。
回復した部分もあればできないことも増えている。
noteの投稿も書く気力が起こらず怠っている。
書きたいことが浮かんでこない。この経験をリアルタイムで残しておきたいという気持ちとは裏腹に私の脳は回ってくれない。
西さんのこの本を読むのにもだいぶ時間がかかったが、生きるための活力になる言葉をたくさんいただいた。
西さんの闘病の苦労からも勇気をいただいたし、考えさせられた。
それだけではない。
西さんがいかにいろいろな言葉に触れられているのか を知ることができた。
いろいろな作品に触れて、いろいろな言葉から新たなものを紡ぎだしていく様が伺えた。
私も読んだことのある本の言葉も引用されており、なんだか勝手に親近感。(おこがましい)
本は、言葉はたくさんの何かを、強さを与えてくれる存在だと再認識することができたのだった。
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