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# 45 この嘘がばれないうちに


皆さん、この映画はご存じだろうか。

このお話の姉妹小説?を今回は読んだ。

今回心に響いた言葉をいくつか引用しようと思う。

人生において何より難しいことは嘘をつかずに生きることだ

ドストエフスキー

「嘘」と聞くとマイナスな印象を受けるかもしれない。

でも誰かのことを思ったがゆえの優しい嘘も世の中にはたくさん存在するのだ。

そのような嘘は私は悪いものではないと思う。

むしろ誰かを幸せにしているとさえ思うのだ。

誰かを想って嘘をつく という行為は嘘をつく側の人間も辛い葛藤があるが、それでも相手もことを想う気持ちが勝って成り立つのだと思う。

第三話 「恋人」に出てくる言葉を以下引用する。

「じゃ、その七十日間、お腹の子は一体何をするためにこの世に命を授かったんだろうね」

「その子はね、七十日という命を使って、麻美ちゃんを幸せにしようとしたんだよ」

「もし、このまま、君が不幸になったら、その子は七十日という命を使って君を不幸にしたことになる」

「でも、君がこれから幸せになれば、その子は君を幸せにするために七十日という命を使ったことになるんだ。そのとき、その命には意味が生まれる。その子が命を授かった意味を作るのは君なんだよ。だから、君は絶対に幸せにならないといけないんだ。それを一番望んでいるのはその子なんだよ…」

亡くなった人の家族は、また大切な人を亡くした人は、自分は幸せになってはいけない、そんな権利はないと自分を責めてしまっているケースがあるようだ。

そのような人がこの話には何人か出てくる。

でも、生きている残された人が幸せにならなくては亡くなった人が幸せになれないというこの発想。
私にはまったくなかった。

でも自分が死んでしまったら?と仮定した時、自分の大切な人が自分が死んだことによって責任を感じたり、自分には幸せになる権利はないと自分に鞭を打っていたら?
そう考えると、私もそんなことは望まない。
きっと誰でも望まないであろう。

誰にでも幸せになる権利は当たり前に平等に与えられているのだ。

ときに、相手を想っての嘘はついてもいいのだ。

そんな大切なことを教えてくれた1冊。

大事なことを忘れかけてしまったときに読み返したいと思う。

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