万華鏡 第一曲『常世の理想郷』6
如何して私の両親が殺められなければならなかったのか。
世が終戦を迎えた中、同じ疑問が浮かんでは消えていく。事実が合っても答えが有るのか無いのかは定かではなく、胸の内では誰にも聞こえない自問自答を繰り返す。
「争い合うのも生命だ。だからこそ……時にぶつかり合ってでも、過ちを正し、共に手を携え生きていける未来があると信じて、神様に仕え、願い祈るんだ」
昔から父は気恥ずかしそうにしながらも、自信を持ってそう言っていた。そんな父を母も慕い愛し、少し喧嘩はしても同じ未来を目指して