生命育む蒼い星、【ヤチマタ】。
人間が世界に君臨し、『人(ひと)』が生きる。
支配者は飢え渇く欲望を求める。争いは絶えず、男達が願った世界は具現化し、『女性』を至上と崇め、…
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万華鏡 第一曲『常世の理想郷』4
参道
―――夕焼けに蒼い月が顔を覗かせる頃。見上げる狭間の空は茜色へと落ち、うっすらと見える白い雲はその姿をより儚げに薄めている。
視線を落とせば周囲は黒々とした森に包まれ、鬱蒼とした木々の所為か普段から落ち着いているであろう空間は木漏れ日が差し込む深い陰に覆われ、神秘的な静寂の傍らに、不安を煽るような不穏さを俄(にわ)かに醸し出している。
聞こえる音とすれば自らが歩みを進める足音と、時より
万華鏡 第一曲『常世の理想郷』3
渦巻く情勢
【望まれた現社会情勢】
『真紀2670年代』。社会の変化や時代の流れに伴い、社会進出を果たす人間の女性らによる目覚ましい活躍は眼を見張るものがあり、その影響力は経済のみならず、工業、医学、伝統工芸、スポーツ、武道等、分野を問わない数々において、まるで抑制されていた力を解放するかのように爆発的に発揮され、社会への貢献を果たしていった。
当年代より数年も前からもこの躍進は続き女性の力
万華鏡 第一曲『常世の理想郷』2
星に住まう生命
【各種族の概要】
【ヤチマタ】に生存し、現文明を築く知的生命は『人(ヒト)』及び、各国の人口の凡そを占める『人間』である。かつては人間よりも人々の生息数が多かったが、底を知らぬ人間による数々の侵略行為により人々の総数は減少の一途を辿り、現在における人々の数は現人間の総人口の1000分の1程とされる。
以下にはそれぞれの種族における特徴を記していくものとする。
・人(獣人族