医療ソーシャルワーカーの資格に関する考察
医療ソーシャルワーカーに関しては、社会福祉士を必須としている・・・訳ではない。
ただし、診療報酬上、特に退院支援加算については、社会福祉士となっているので、社会福祉士を基盤と考えがちである。
これが退院支援=MSW業務という負の温床である。
日本医療ソーシャルワーカー協会によれば、会員の97%は社会福祉士を所持している。
おそらく、残りの3%は、無資格MSWというよりも、研究者や学生で入会しているのではないかと思う。
MSWは、資格はない。
よって、道に迷う。社会福祉士に加えて、精神保健福祉士、介護支援専門員を所持する人も多い。それ以外では、看護師、介護福祉士、公認心理師などもいる。
この辺は、資格救済期間も影響していると思う。
看護師も多い。ただ、これは、看護師からMSWへ流れた群の方が多いと感じる。
MSWの仕事は、病院経営に直結している。
MBAを所持している人もいる。
経営に強い病院では、医事課の経由をMSWの必須としていたところあるので、医療事務や診療情報管理士の資格を持っている人も多い。
ここで、足し算と掛け算。
精神保健福祉士、介護福祉士、診療情報管理士、介護支援専門員は足し算。イメージとしては、同じ高さにあるもの。
精神保健福祉士、介護支援専門員は、もともと同じソーシャルワークを分化させた先人の結果。そもそもソーシャルワーク。よって、知識の幅が広がる足し算でしかない。
介護福祉士や診療情報管理士は仕事が違う。
病院によっては、資格取得が給与に反映させているところもあるので、取得しても良いかもしれない。
ただ、資格を増やすデメリットもある。
例えば、組織の中に、精神科や介護部門、在宅部門がある場合は、離職者の影響で、資格取得を理由に配置転換させられる場合もある。
MSWと関連のない資格を前面に出すリスクは、事前に把握すべきである。
MBA、看護師は掛け算。
経営に強いソーシャルワーカー、福祉に強い看護師はカッコイイ。
ただし、掛け算は、資格取得後を見据えた戦略を持っている場合に限る。
MBAを取得すれば、自動的に病院幹部になれるわけではない。部門の管理職や、病院の経営幹部を見据えることである。
この点は、病院管理者とのコミュニケーションで、経営学に精通することで希望するキャリアとなるかを事前に確認することが必要である。
大学院は安くない。
MBA、特に医療系のMBAは、他病院の院長等の経営幹部と知り合いなることも多いので、ヘッドハンティングを受けることも多くなる。
「経営が分かるひと」は、常に病院業界では枯渇状態である。
社会保険労務士や行政書士、司法書士などについては、独立開業系資格である。
それを見据えることが必要。
これらは大学ではあまり教えてくれない。
ソーシャル「ワーク」は、人類が常に切望しているものである。
ただし、わが国のソーシャル「ワーカー」は、切望されているわけではない。
ソーシャルワークを外に発信できるスキルを、自分のキャリアからどう展開していくかが重要である。
そう考えると、英語などの多言語習得も有効になってくると思う。
日本の超少子化・超高齢化・人口減少は、世界的に注目されている。
ソーシャルワークを発信していけば、世界のソーシャルワーカーが、経験を積みたくて日本に集まってくるかもしれない。
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