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精神科の入院形態について。

精神科で入院するって、どういうこと?
どんな種類があるの?
といったことについて簡単にお話します。

精神科で看護師として働くなら、まず最初に知っておかなければならない知識です。
この入院形態を知っていないと看護が始まりません。
その理由は、患者さんが自ら治療したいと思っているのか、それとも患者さんからすると無理やり入院させられたのかで看護師の関わり方が変わるからです。

細かく全てを把握するのは教科書を読んでいただいて…ここでは私のイメージも含めながらさっくり解説します。

🌱任意入院



患者さん自ら治療したい、入院したいと言って入院する場合です。

医師が診察をして、入院が必要だと判断し、患者さんに話して、患者さんから同意が得られれば任意入院となります。
「退院したい」と患者さんが言えば、退院できてしまうのもこの入院の特徴です。

病棟で患者さん同士が喧嘩して、居心地が悪く病状が悪化する可能性があり、どちらかが自発的に退院する、ということもしばしばありました…。


🌱医療保護入院


患者さん本人から同意が得られない場合に、患者さんの家族や周囲の人からの同意をもとに、医師の判断のもとで入院する形態です。

本人の意思よりも、医師の判断と家族の同意が優先されます。
「嫌だ、入院したくない」「退院させて」と患者さんが言っても、退院できません。病状が良くなり、だいたいは医師の判断のもと、任意入院に切り替える段階を経てから退院となります。
同意者が誰なのかも重要です。基本、友人は同意者にはなれません。家族のみです。誰も親戚がいない場合は市町村長が同意者となる場合もあります。

入院してすぐは、治療の必要性を、患者さん本人はなかなか理解できません。
自分が病気であるという自覚『病識(びょうしき)』を獲得するまでが非常に難しいです。

それはそうですよね。いきなり入院させられて、医師を名乗る人に「治療が必要です」と言われても、「自分はおかしくない、入院する必要はない」と考えるのが当たり前です。

患者さんのこの気持ちを理解したうえで、信頼関係を築き、今の現状、退院するためにはどういった条件があるのか、家で困っていたこと、帰ってから困ることなどを患者さんとすり合わせていきます。


🌱措置入院+緊急措置入院



警察への通報などがあり自傷他害の恐れがある場合に入院が必要とされるといった形態です。

患者さんの精神疾患の影響が顕著で、最も注意して関わる必要があります。

怒鳴り続ける、暴れ続ける、気分が高揚しており話し続ける、自傷が止まらない、手や足が出る、などなどいろいろなトラブルが起こります。

正直、怖いですよね。
必ず看護師は2名対応をします。
精神科は男性看護師の割合が高いと思うのですが、こういう時はやっぱり男性がいてくれたほうがいいですよね…。

先輩看護師はぶっ飛ばされたこともあると言っておられました。男性のほうが力加減されにくい場合もあるようです。

でも、患者さんは悪くありません。
もちろんわざとではないですし、一番苦しんでおられるのは患者さんです。
ただただ病気が悪いので、とにかくお互いが怪我をしないよう安全のために人手をかけて対応します。

暴言もいっぱい言われます。
ですがその時言っていることは患者さん本人もそのうち忘れますので、自分も忘れてました。
言葉だけを受け取るのは、良くないと思っています。その裏にある患者さん本人の気持ちに気付いて寄り添うのが理想的な看護師だと私は思っています。
不思議なことに、病状が落ち着くと、本人は、悪かった時のことを覚えていないことがほとんどです。

病気が全て悪いですね。


まとめ



いかがでしたか。
任意入院、医療保護入院、措置入院について話してきました。
詳しくは調べてもらうほうがいいと思うのですが、なかなか文章だけではわかりにくいので、今回は私の働いてきた中でのイメージも含めてお伝えしました。
精神科はやっぱり怖いですかね…?
看護師の同期達でも、あまりいいイメージはないようです。
怖いところもあるけど、それだけじゃないんだなぁ…楽しいんですけどね…。
また楽しいところも話していきますね。

読んでくださりありがとうございました。

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