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メンタルの不調がある時、どこに受診すればいいのか?

『病院に受診って言っても、精神科、心療内科、メンタルクリニックとか、いろいろあってどうしたらいいのかわからないよ?』
『こんな症状で病院に行ってもいいのかわからない』
そう思われる方もいるのではないでしょうか。
それぞれ解説していきます。

主な違いを『精神保健福祉法』に則って解説していきます。
精神科に携わる人は、必ずこの法律に従っているので、少し専門的な話になります。

精神保健福祉法での分類

精神科、精神神経科

「精神科」と「精神神経科」は、基本的には同じことをしている医療機関です。ここでは、心の病気を専門に診ています。たとえば、気持ちがずっと沈んでいる、現実と違うことを感じる、気分がとても高まったり急に落ち込んだりするなど、心の病気を診てくれます。

心療内科

「心療内科」は、ストレスなど心理的な要因で体に症状が出る心身症を主な対象としています。しかし、実際には心の病気も診ていますが、全ての心の病気を診るわけではありません。たとえば、ストレスで胃が痛くなる、頭が痛い、心がとても疲れているなど、ストレスが原因で体に出る症状を診てくれます。また、軽いうつ病や神経症など、心の軽い病気も診てくれます。

小児科

小児科は、子どもの体の病気を診るところですが、中学生以下の子どもがストレスや心の問題で体に不調が出た場合、一部の小児科ではそういった心のケアもしています。たとえば、不登校やストレスによる体の不調などを診てくれるところもあります。

神経内科

「神経内科」は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診るところです。パーキンソン病や脳梗塞、手足のまひや震えなどを診ますが、てんかんや認知症など、一部は精神科と重なる病気についても診ています。しかし、主にはこころの病気を診るわけではありません。

どこに連絡すべきか

どこに行けばいいのか迷ったら、まずは電話してどんな病気を診てくれるのか、問い合わせてみるのがいいです。また、スクールカウンセラーや学校医、保健所や精神保健福祉センターの相談窓口で、地域で活動している精神科医を紹介してもらうことができます。また、かかりつけの医師がいれば、その医師を通じて適した病院を紹介してもらうこともできます​​。

精神科、心療内科、メンタルクリニックについて

精神科

は、心の病気を診る専門のお医者さんです。例えば、とても悲しくて何もする気になれない「うつ病」や、妄想や幻聴、幻覚といった現実と違うことを感じたり聞いたりする「統合失調症」、気分が極端に高かったり低かったりする「双極性障害」などを治療します。お薬を使ったり、話を聞いてもらう治療をしたり、時には病院にしばらく入って治療をすることもあります。

もし、こんな症状があったら、精神科に行って相談してみましょう。

  1. 重度のうつ病や不安障害…すごく悲しくて、毎日がつらい。不安で仕方がない、心配事が頭から離れない。

  2. 統合失調症や双極性障害などの精神疾患…変な声が聞こえる、変なことを信じ込んでしまう、気分がとても高まったりとても落ち込んだりする。

  3. 自殺念慮や自傷行為がある場合…死にたいと思ったり、自分の体を傷つけたくなったりする。

  4. 長期的な精神的な問題や行動の変化…ずっと元気が出ない、友達と遊ぶのが楽しくなくなった、学校や仕事のやる気が出ない。

これらは、心が大変なサインです。一人で悩まず、お医者さんに相談してくださいね。お医者さんは、そんな心の病気を治すために勉強したプロですから、きっとあなたの力になってくれますよ。

心療内科

は、心の悩みが体に出てしまうときに助けてくれるお医者さんです。たとえば、すごく心配事が多いとお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりすることがありますよね。それは、心が原因で体に影響が出ているんです。心療内科では、そんな心と体のつながりに注目して、お薬や話を聞く治療をします。精神科よりも、日々の生活の悩みやストレスに重点を置いて診てくれます。

心療内科に行ったほうがいいかもしれないサインには、こんなものがあります。

  1. ストレスが原因で思われる身体症状…試験や大事な試合の前にお腹が痛くなる、いつも頭痛がするなど、心配事やストレスで体に不調が出るとき。

  2. 軽度から中度のうつ病や不安障害…ちょっと気分が落ち込んでいる、いつも心配で仕方がないなど、心が普段と違う感じがするとき。

  3. 睡眠障害や食欲不振…なかなか寝付けない、朝起きられない、ご飯が美味しく感じないなど、日常生活に影響が出ているとき。

  4. 仕事や人間関係のストレスが原因の心の不調…学校や家庭、友達との関係でストレスを感じて、心が疲れていると感じるとき。

もし、こんな感じがしたら、心療内科に行って話を聞いてもらうといいですよ。お医者さんは、心の悩みについても、体の不調についても、いろいろなアドバイスをしてくれますから、一人で悩まないでくださいね。

メンタルクリニック

は、心の健康について相談できるクリニックです。いろいろな悩みや心配ごとを気軽に話せる場所で、普通の病院と違って少しフレンドリーな感じがします。ここでは、少し気分が落ち込んでいる時や、なんだか不安が続いている時に、専門のお医者さんやカウンセラーと話すことができます。

精神保健福祉法において、メンタルクリニックという用語は特別に定義されているわけではありません。精神保健福祉法では、精神科医療施設として、精神科病院やその他の医療機関に言及しています。メンタルクリニックは通常、精神科や心療内科の治療を提供する私立のクリニックを指し、法律上の特別な分類として扱われているわけではないです。

しかし、メンタルクリニックであっても、精神科や心療内科の治療を提供する場所として、その施設や医師は医療法に基づいて適切な資格を持っている必要があり、医療保険の適用なども法律に則って行われます。メンタルクリニックが提供するサービスは、精神科や心療内科の一環と見なされることが一般的です。

精神保健福祉法に具体的に「メンタルクリニック」という言葉は登場しませんが、メンタルクリニックで行われる治療や診察は、精神科や心療内科としての医療サービスの一部として扱われ、それに関わる法的な規定や医療保険の適用などは、医療法や保険法の範囲内で実施されます。

メンタルクリニックに行ってみようと思うかもしれない症状には、こんなものがあります。

  1. 生活のストレスや悩みが原因の心の不調:学校や家でのいろいろな悩みがあって、それが心に重くのしかかっている感じがするとき。

  2. 軽度から中度のうつ病、不安障害:なんだかずっと悲しい気持ちが続いていたり、いつも心配事が頭から離れなかったりするとき。

  3. 人間関係や仕事の問題に関連する心の悩み:友達や家族との関係で悩んだり、学校やバイトのことでストレスを感じたりするとき。

  4. 気分の浮き沈みややる気の低下:いつも気分がコロコロ変わったり、何をするにもやる気が出なかったりするとき。

これらの心の変化は誰にでも起こるものですが、もし長く続いたり、日常生活に影響が出たりするようなら、メンタルクリニックで相談してみるといいですよ。お医者さんやカウンセラーは、あなたの話をじっくり聞いてくれて、心がラクになるようなアドバイスをしてくれます。一人で悩まずに、少し勇気を出してみましょう。

どんな時に、どんな病院にかかればいいのか

  1. 症状が重く、日常生活に大きく支障をきたしている場合…こんな時は、精神科に行くのがいいです。とても悲しい気持ちが続いていたり、現実と違うことを感じたり聞いたりすることがあるなら、精神科のお医者さんが専門的に治療をしてくれます。学校や家での生活がとても難しいと感じる時も、精神科を訪れてください。

  2. 心理的なストレスが原因で身体的な症状が出ていると感じる場合…もし、心配事が多くてお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする時は、心療内科がおすすめです。心と体の関係を見て、ストレスや心の悩みが体にどう影響しているかを診てくれます。心療内科は、心の問題を中心に、身体の不調にも対応してくれます。

  3. 気軽に相談したい、軽度の心の悩みがある場合…ちょっとした不安や悩みがある時は、メンタルクリニックを利用するといいですよ。フレンドリーな環境で、リラックスしてお話しできます。心の問題について気軽に相談できるので、ちょっとした心配ごとがある時にぴったりです。

どの医療機関も、あなたの心の健康を守るためにあります。もし、心に何かしらの変化を感じたら、勇気を出して、お医者さんに相談してみてください。一人で悩まず、心を健やかに保つ勇気を踏み出しましょう。

もっと詳しい情報を載せておきます。興味のある人は、読んでみてください。

医療保険の適用

  • 精神科、心療内科、メンタルクリニック…これらの医療機関は、原則として医療保険が適用されます。ただし、診療内容や治療方法によっては保険適用外のものもあるので、事前に確認することが大切です。

医師の診察の有無

  • 精神科、心療内科…これらの診療科では、医師による診察が行われます。診断、薬物療法、心理療法などが行われることが一般的です。

  • メンタルクリニック…メンタルクリニックでも、精神科や心療内科の医師が診察を行います。カウンセリングや治療が提供されます。

専門性のレベルやランク分け

  • 精神科…精神疾患全般に対応し、特に重度の精神病や幅広い精神医学的問題を扱います。専門的な治療や、多くの場合、幅広い診療科目をカバーしています。

  • 心療内科…心因性の症状やストレス関連の問題に焦点を当てています。精神科に比べ、身体と心の相互作用に特化した治療を行います。

  • メンタルクリニック…一般的な心の健康問題に対応し、より気軽に相談できる環境を提供します。専門性のレベルは診療科により異なりますが、広く心の健康に関する支援を行っています。

費用の違い

  • 医療保険が適用される場合、自己負担額はそれぞれの医療機関で大きく変わることはありませんが、治療内容や診療時間、保険適用外のサービスの有無によって、実際の費用は異なる場合があります。また、プライベートクリニックなどでは、設備や環境に応じて費用が高くなることもあります。

基本的に、カウンセリングは10割負担なので、1回で3000円から10000円程度と、場所によって異なります。費用はかかりますが、カウンセリングでしかできないこともあるので、薬剤治療だけで良くならない場合には必要です。私は個人的に、保険適用してほしいのですが…。10割負担のせいで、なかなかカウンセリングを受けられない人が増えてしまっていると思います。

入院できるのはどこか

  • 精神科…精神科の病院や診療所では、必要に応じて入院治療が行われます。重度の精神疾患や緊急を要する場合には、入院が必要になることがあります。

  • 心療内科、メンタルクリニック…通常は外来中心の治療を提供していますが、所属している病院によっては入院施設を持つ場合もあります。入院が必要な場合は、専門の精神科病院への紹介などが行われることもあります。

まとめ

本記事では、精神保健福祉法に基づいて、精神科と心療内科、そしてメンタルクリニックの違いを分類し、それぞれの診療科がどのような症状に対応しているか、どんな時にどの診療科に受診すれば良いのかを解説しました。

精神科は、重度のうつ病や統合失調症、双極性障害など、広範囲の精神疾患を診るのに適しています。

一方、心療内科は、ストレスが原因の身体症状や、軽度から中度のうつ病、不安障害など、心の問題が身体に影響を及ぼしている場合に特化しています。

どちらも大切な役割を持ち、あなたの心と体の健康をサポートするための専門医療機関です。

自分の症状や悩みに応じて適切な医療機関を選び、必要な時にはためらわずに専門家の力を借りてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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