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47都道府県を旅し京都の真実が見えた。文筆業りろのプロフィール

日本全国を旅し、人や町に“京都のあり方”を教えられた。
そんな私が人生をかけて守った京町家の魅力と意義

 20年前、街並みが激変していく京都に危機感を抱く人は少数派だった。京町家がみるみるうちに姿を消していくこの町で、未来を案ずる声はまだまだ人々に届いてはいなかった。そんなご時世で、取り壊される運命にあった一軒の“古ぼけた庶民の家”をどうしても守りたいと言い出した私は、単なる“迷惑な夢想家”でしかなかった。実際、この町家を守る意義について必死に訴えた時、返ってきた言葉は「ハイハイ、あなたの夢物語はわかりました。さあ現実の話しに戻ろうね」だったのだから。

 それでもなお私をこの使命感へと駆り立てたのは、全国各地で出会った人や町の存在だった。24歳から始めた旅行雑誌の取材記者として、西日本を隅々まで駆けずり回った日々。独立してフリーランスのライターになり旅と食をテーマに取材を続けた経験。仕事だけでは飽き足らずプライベートでも全国を走り回り、この足で47都道府県すべてを巡りながらここまで生きてきた。

 旅先で巡り合った人と町。そこから私はかけがえのない学びを得た。日本各地の奥深い魅力をこの手足で触れ、五感で受けとめ全身に行き渡らせた時、命の実感が湧き上がった。そしてそこに住まう人々の故郷に対するたゆみない愛を知り、私がいただいたたくさんの愛を両手に抱きしめた時、自身の生き方を改めて問うた。
 私は故郷への愛を何らかの行動にできているだろうか。故郷を訪れた人々に愛を手渡せているだろうか。私はこれから何が出来るのだろうか。

 生まれ育った京都において、これから私がすべきこと。京都という町の本当の魅力と欠点、守るべきものと改めるべきもの。他府県の人と町がそれを教えてくれた。京都の中では見えなかった真実の姿が、外の世界に身を置いたことでくっきりと見えてきたのだ。今、壊れようとしている大切なものを何とかして守らなければ京都は崩れゆく。私にはそんな未来が見える。私にできることを全力でやらなければ。立ち止まっていてはこの先、私は永遠に下を向いて生きていくことになるだろうと、そう思った。

 たかが一軒の古い家。しかしそこに足を踏み入れた途端、家は雄弁に語り始める。いにしえの人々がつむぎ出した「人の生きる道」を、連綿と伝え続けられた「人間にとって本当に大切なもの」を。この家にいると、毎日やさしく心に語りかけてくるその声を感じるのだ。だから、守った。

 私は今、未来を生きる人々に伝えたい。日本じゅうの素晴らしい町と人々が私に教えてくれたことを、京町家が私に語りかける「大切なもの」を、そして私を育んだ京都という町の真実を。
 それが私の生きる意味だと、そう心に決めたから。

                            2024年 夏



りろ
文筆家・今原町家オーナー

座右の銘「明日死ぬ覚悟で10年後の予定を立てる」

「食・旅エッセイ」「京都のこと」をメインに、
人生哲学、ライター業のことなどを書きます。
本に書けないUSJガイドも少し書こうかな。


【略歴】


●1969年 京都市生まれ

●歌と本とハンドメイド好きな子どもが哲学に目覚め、大学では東洋哲学(インド哲学~原始仏教)を専攻

●24歳~ 作詞作曲のプロを目指すためバイトしながら勉強しようと何気なく見た求人欄で「旅行雑誌の取材記者」募集を発見。気付いたら応募していた。夢中で取り組んだハード過ぎるライター下積み時代

●27歳~ 独立してフリーライターに。旅と食を専門としてグルメ雑誌や女性誌などにて取材執筆。日本を代表する偉大な料理人の面々にも取材を重ね多くを学ぶ。USJ開業年から裏技ガイド本を執筆し始め刊行、現在も年間4冊のガイド本を執筆、扶桑社より刊行

●29歳~ 趣味で制作していたドールハウス(ミニチュアの家)が広告写真に採用されたことを機に、ミニチュア作家として百貨店への出展や講師など精力的に活動。平行してミニチュア作家インタビューやエッセイ執筆も行う。名古屋・東京・芦屋にてドールハウス&ミニチュア作品のグループ展を開催

●36歳~ 祖父母の京町家を保存するため立ち上がる。絶対に不可能と周りに心配されながらも、決死の覚悟で駆けずり回り、1年余りで維持保存・補修に必要な数千万円の資金を用意してオーナーとなり、町家保存事業を起業

●39歳 町家保存の一番の協力者だった兄が開業1年半で急逝。ショックと悲しみで10キロやせる。気が狂いそうなのでめちゃくちゃ働き、過労で倒れる

●現在55歳、憔悴しきっていた時に協力を申し出てくれたパートナーとともに、飲食業やイベントなどを通して町家の保存・活用に力を注ぐ。大切な人を突然失った人に向けて作詞作曲した歌をプロの援助を得てレコーディングする。執筆、飲食業、ミニチュア作家を続けながら音楽や洋裁を楽しみ、隙間をぬって旅に出る毎日を送っている


★過去のおもな執筆媒体


JTB『るるぶ情報版』『月刊るるぶ』
昭文社『マップル情報版』『マップルマガジン』
学生援護会『デューダ』巻頭の経営コラム担当
クリエテ関西『あまから手帖』レギュラー執筆
リーフ・パブリケーションズ『Leaf』レギュラー執筆
京都府発行『女性のチャレンジハンドブック』
マリア書房『創作市場』『瞳』
主婦と生活社『週刊女性』
交通新聞社『旅の手帖』『京の冬の旅』
実業之日本社『ブルーガイド』『プチ贅沢な旅』
NTT西日本発行小冊子のグルメリポート
JCBゴールドカード向け高級グルメ専門誌『京爛漫』
世界文化社『家庭画報』企画
阪急コミュニケーションズ『フィガロジャポン』企画
講談社『グラツィア』企画
セブン&アイ出版『SAITA』
扶桑社『すっきりわかるユニバーサル・スタジオ・ジャパン最強MAP&攻略ワザ』執筆・監修
扶桑社『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン凄ワザ&攻略ナビ』執筆・監修
……その他、数百冊に及ぶ雑誌・冊子の取材執筆(本によっては撮影やイラストも担当)を行ってきました


★その他、やってきたことなど


・FMうじ『湧月りろのチャレンジdoki!』パーソナリティ(3年間) 
・文章が苦手な人のための講座「文章なんて怖くない!」考案、開講
・NHK文化センター「樹脂粘土で作るファンタジーの世界」講師
・京都府「女性問題アドバイザー養成講座」修了
・町家では料理人と経営者を担当しております


★学んでいること&趣味


・声楽、DTM(デスクトップミュージック)、洋裁、ピラティス学び中
・コンサートやライブ、ミュージカル、演劇など舞台鑑賞に重きを置く
・美術館や博物館などに行くことが趣味
・「VOW WOW」を神と崇めております。「筋肉少女帯」のライブは何が何でも行きます。近年は薬師丸ひろ子さんのコンサートに通ってます♪
・花や動物が大好き!
・美しい景色を見るために生まれてきたと思っている
・テーマパーク好き人間です
・生きる上で何より大事なのは分泌物だと考えています。『分泌物』という歌も作りました


★TV・ラジオ出演


・TBS『中居と大悟を口説く夜』(USJツウとしてゲスト出演)
・TBS『教えてもらう前と後』(USJ・LOVERとして出演)
・フジテレビ『めざましテレビ』(「ココ調」にてマニアなUSJ案内)
・関西テレビ『ゆうがたLIVE ワンダー』(USJ特集にてパーク案内人を務める。前後編に渡り放送)
・東海テレビ『タイチサン!』(マニアによるUSJ三大おススメポイントを提案&解説)
・KBS京都『京都・味の捜査線』(京都ぶぶ漬け伝説の再現ドラマ出演&ぶぶ漬け伝説の真相の解説も担当)
・ABC朝日放送『おはようパーソナリティ道上洋三です』(本日のゲスト)
・KBS京都『笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ』『平野智美のヒール・リラックス』等
・三条ラジオカフェ『きょうと・人・まち・であいもん』

 ……など。


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