pear

2020年に教壇デビューした新人日本語教師です。 日々の授業の失敗や生徒とのエピソード…

pear

2020年に教壇デビューした新人日本語教師です。 日々の授業の失敗や生徒とのエピソードなど、新人だからこそ感じることを記録していこうと思います。

最近の記事

#8 「継続は力なり」 比べる相手は過去の自分

去年の12月にJLPT(日本語能力試験)が行われたのですが、以前、#3で書いたディスレクシアの学生も、N4(初級文法を一通り勉強した人が受けるレベル)を受けました。 彼女は試験前の約1ヶ月、週に2時間のプライベートレッスンを取り、苦手な文法と語彙問題に絞って、時間内で解いていく練習をひたすら繰り返しました。 その時、彼女はまだ初級後半のグループレッスンを受けている途中で、N4レベルの文法は網羅できていませんでした。 その上、初級前半の文法も曖昧なところが多かったので、私

    • #7 喧嘩上等!(後半)

      (前半はこちら) ******** その日の授業中、私は例文をホワイトボードに板書していました。すると、突然、背後から誰かの怒鳴り声がしてきました。 え!? 何事!? 動揺して振り返ると、例のスイス人のKさんが、鬼のような形相で、ドイツ人のAさんを指差しながら、ドイツ語で叫んでいるのが見えました。今にもAさんに殴りかかりそうな勢いです。 しかし、叫んでいるのがドイツ語なので、何を言っているのかさっぱりわかりません。 ど、どうした!? 何が起きたーー!? 私はとっ

      • #6 喧嘩上等!(前半)

        私が教えている学校は、日本人が通う英会話スクールのようなイメージで、朝から夜まで、いろいろなカリキュラムのレッスンがあります。 通ってくる学生も、時間帯によって、年齢層や性別、職業などの傾向も変わります。例えば、夜は20〜30代くらいの、仕事帰りの人が多く、週に2回ペースのグループレッスンがメインです。 夜のクラスの学生は皆、朝から仕事をしてきた後にも関わらず、まじめに通ってくる人が多くて、本当に尊敬します。(私は、週1回の英会話だって面倒だなと思ってたよ…) 私は、夜

        • #5 神の御言葉

          前回書いた#4で、「カンニングしているところを、先生にみつかった」のような文型「ところ」の後の助詞「を」を、いつ使うか分からない学生がいて、説明に困ったという話しを書きました。 一人で悩んでいても沼が深くなるだけなので、早速、勤め先の学校の「神」的存在の大先輩(と言っても同年代)に、御言葉を頂戴しました。 すると神、いや大先輩は、 「そうですねえ。僕だったら、例えば、カンニングしている人の絵を見せます。で、『さあ、みんな、これ、見たよね? みんなはこの後、どうする?』っ

        #8 「継続は力なり」 比べる相手は過去の自分

          #4 Don't think! just feel!!

          今週は、同僚の先生がワクチン2回目で休みを取っているので、その先生の代講ウィークです。 代講って、「初めまして」の学生に教えなくてはいけないし、いつもの先生と比べられるプレッシャーがあるしで、まあ、アウェイ感がすごいです。 できればやりたくないけど、自分が休むときにも誰かに代講をしてもらわなくてはいけないので、そこは避けられない。 そんな気重な代講授業で、久しぶりに日本語の沼にハマりました。 ズブズブズブ… L1 「質問が怖くて、授業どころじゃなかったで

          #4 Don't think! just feel!!

          #3 学生の力を信じること

          2020年からの1年半だけでもいろいろな学生と出会いましたが、その中で1人、とても印象的な学生がいました。 「ディスレクシア」という言葉を知っていますか? イギリスから来たその女性の学生は、自分が「ディスレクシア」であることをスタッフに伝えていたので、私もそのことは認識していました。 でも、実際は、私もスタッフも「ディスレクシア」が何なのか、どんな問題があるのかまでは、正しく理解できていませんでした。 「ディスレクシア」とは、「国立成育医療センター」のサイトの説明から抜

          #3 学生の力を信じること

          #2 2021年はハイペースで頑張りすぎたのが反省点

          さて、去年は一回も書かなかったnote。 最近読んだ『書く習慣』という本に触発されたので、しれっとまた書いてみます…(^_^;) 日本語教師を始めて一年半がたちました。 「新人は体力と時間が許す限り、入れるだけ授業に入った方が良い、それで見えてくることがある」とベテラン先生方からアドバイスをいただいたこともあり、ハイペースで走り続けました。 去年は週5日(たまに6日も)ペースで授業に入り、月120コマ(1コマ50分)くらい入ったときもあって、常に「教案書かなきゃ!」と追い

          #2 2021年はハイペースで頑張りすぎたのが反省点

          【新人日本語教師の一人反省会】#1え、何で不機嫌?!

          私が最初に担当した授業は、まったく日本語を知らないゼロ初級者向けの、サバイバルジャパニーズのクラスでした。 そのコースでは文法よりも、日常生活で使える便利なフレーズや単語をたくさん覚えてもらいます。 生徒はオーストラリア人の男性とドイツ人の女性で、ふたりとも日本語はまだ話せないので、教師は少し英語も使いながらリードします。 初めの頃はふたりともたくさん質問をして、楽しそうに授業に参加していました。しかし、2週目に入る頃から、少しずつ様子が変わってきたのです。 * *

          【新人日本語教師の一人反省会】#1え、何で不機嫌?!

          新人日本語教師の一人反省会レポート始めます。

          はじめまして。今年、2020年10月に420時間日本語教師養成講座を修了したばかりの新人日本語教師です。 養成講座修了前でしたが、早めに就職活動を始め、2020年8月に教壇デビューしました。現在は国内にある、生活者向けの語学学校で教えています。 教壇デビューをしてからというもの、いつも授業が終わるたびに、 「あの文型の導入、もっとこうすればよかったなあ」 「あそこで余計なこと言わなきゃよかった」 「先輩にもっとやり方を確認しておけば…」 などなど、後悔の連続です。

          新人日本語教師の一人反省会レポート始めます。