#4 Don't think! just feel!!
今週は、同僚の先生がワクチン2回目で休みを取っているので、その先生の代講ウィークです。
代講って、「初めまして」の学生に教えなくてはいけないし、いつもの先生と比べられるプレッシャーがあるしで、まあ、アウェイ感がすごいです。
できればやりたくないけど、自分が休むときにも誰かに代講をしてもらわなくてはいけないので、そこは避けられない。
そんな気重な代講授業で、久しぶりに日本語の沼にハマりました。
ズブズブズブ…
L1 「質問が怖くて、授業どころじゃなかったです」
昨日と今日の代講は、どちらも中級文法(JLPTだとN3〜2レベル)のクラスだったのですが、中級のクラスって本当に、難しい!です。
日本語特有の曖昧な表現(〜っぽい、〜わりに、〜がち、〜気味とか)、感情が入っている表現(〜のおかげで、せいで、せっかく…とか)、否定形をやたら多用する表現(わけではない、わけがない、ないことはない…)などなど、難解な文法だらけ。
「〜するわけではない」とか「〜ないことはない」なんて、もう、学生は「どっちだよーーー!!」と絶叫しかねない。。
昨日は、「〜どころじゃない」という文型を教えたのですが、(例えば、「初デートで緊張して、映画どころじゃなかったです」)
ある学生が、「こんな表現は英語にはないから、おかしいです。」と言い出しました。
は…?英語ファーストか…?(←私の心の声)
「う、うん、そうだね。たしかに英語にはないかもしれないね。でも、これ、英語じゃないからねえ」と思わず言ってしまったよ…。(学生クン、うなだれていたよ。ごめんよ…)
まあ、気持ちは分かるんです。外国語を勉強しているとき、どうしても自分の母語に訳そうとしてしまう。でも、そうするとますます沼にハマるので、思考回路を日本語に切り替えないといけない。
その思考回路のスイッチを切り替えてあげるのも、私の仕事だと思うんですが…それがなかなか難しい。
この文型を使う時はいつなのか、話者はどんな気持ちなのか、聞いた相手はどう思うのかを説明すると、だいたいは腹落ちしてくれるんですが…
結局、この日は、他の学生が、英語の近い表現の文を言ってくれて、それで納得するというオチでした…。トホホ…
そして、今日の夜のレッスンでは、さらに深い沼が…。
ズブズブズブ…
L2 「導入をしていたところで、質問攻めに会いました」
今日は「〜ところ」という文型(例えば「テレビを見ていたところに、電話がなりました」とか「カンニングをしているところを、先生にみつかりました」)を教えたのですが、例文の導入中から、
「先生、〜する時、〜したら、〜するところ は何が違いますか?」
「先生、〜ところ、の後ろの助詞<に・で・を>は、いつどれを使いますか?」
などなど、質問が出るわ出るわ…。
1つ目は説明できたものの、2つ目の、「に・で・を」の助詞の使い分けが鬼門でした。特に、目的格の「を」を使うときが分からない学生に大苦戦!「を」を使う動詞の例をあげても納得してもらえず、またもや深い沼に、
ズブズブズブ…
ちなみに、この学生が作った文を見ると、ことごとく助詞が抜けていました。(ごはん食べる、友達会う のような文です。)独学だったからなのか、初級初期に習う目的格の「を」の機能を理解できていないようでした。
休憩時間に急いで何冊か文法書の説明を確認し直したものの、曖昧すぎて、日本人の私が理解するのも難しい。果たして、これをどうやって学生に理解してもらえばいいのか…。
こんな沼にハマった時はいつも、
「説明するな!例文を見せろ!」
という言葉を思い出します。養成講座時代の恩師に言われた言葉なのですが、つまり、それは、
"Don't think, just feel!"
だと(拡大)解釈しています。日本語を日本語で感じろ!です。めざせ、例文の鬼!です。
しかし、今日の授業ではそんなにたくさんの例文を用意できていなかったため、結局、モヤモヤしたまま学生を帰すことに。。ショボーン。。
この代講ウィークで、中級文法恐怖症になりかけています。が、この沼を反省点にして、これからは違いが分かる例文をがっつり用意しておこうと思います。
成果が出たら、またこのnoteでレポートしてみます。
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