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#164 聴覚過敏さんにおすすめしたい!わたし愛用の耳栓&イヤホンのご紹介

 もうすっかり、聴覚過敏さんの仲間入りを果たした自覚のあるわたくし。外出時はもちろん、室内においても何らかの形で外音と距離を取らねば、訳のわからない不安が増大し、体に緊張が走ります。

 過去記事で紹介した製品と重複しますが、本稿では、わたし自身の使用経験から「聴覚過敏さんにおすすめできる製品」という観点から選択したアイテムを、改めてご紹介したいと思います。

耳栓:JVCケンウッド(Victor) EP-S433

 わたしは就寝時間が早いため、隣近所の生活音が気になることから、耳栓をして寝床につくことがありました。たまたま自宅にあったスポンジの耳栓を使っていたのですが、今年に入って本格的に聴覚過敏(物音に怯えています)を自覚するようになり、購入したものがこちらの耳栓です。

 正直なところを言うと、購入時には「耳栓のくせにイヤホンが買えるような値段じゃないか…高いなぁ…」と思いましたが、近所の家電店にはこれしか置いていなかったのです。

 スポンジの耳栓はすぐに外れるし、耳栓のトレンドはライブ用耳栓(ライブの爆音から聴覚を守る)が多く、ネットで調べてみても、どれが良いのかさっぱり分からない状態でした。

音のソーシャルディスタンス
ー静けさを持ち歩くー

昨今の生活スタイルの多様化に伴い「騒音を気にせずに勉強や仕事に集中したい」「ぐっすりと眠りたい」「落ち着いて過ごしたい」と考える方々へ、当社のイヤホン技術を活かした新しい“イヤープラグ(耳栓)”を開発いたしました。

いままでは睡眠時に使用することが多かったイヤープラグ(耳栓)を、家の中だけでなく外でも手軽に利用するという新しいライフスタイルを提案します。

Victor公式サイトより

 果たしてこれを買うべきかどうか。店内でうんうんと悩みながら、公式サイトの説明を熟読しました。なるほど、ライブや睡眠のような特定の用途を想定した製品ではなく「音のソーシャルディスタンス」という訳か。さすがは大手メーカー、キャッチコピーに威力があるなと思いました。

 というわけで購入して以来、毎日使っています。これまでのスポンジ耳栓と違って簡単には外れないうえ、装着感も抜群に良いですね。寝相の良かった日は朝まで耳についたまま、ということもあるくらいです。(もっとも、寝相の悪さで枕周辺に転がっていることの方が圧倒的に多いのですが…)

 就寝時はもちろん、室内も屋外でも、いつでも遮音できるようにと常に持ち歩いています。既に、わたしにとってなくてはならない相棒です。これを無くしたら速攻でまた買うぞ!というレベルで愛用しています。

 就寝時を含む1日の3分の2程度の連続使用なら、特に疲れを感じません。写真で見るとイヤホンのようで固そうに見えると思いますが、内側がぷにっとしたシリコン素材になっており、エアクッションの役割を果たしています。わたしは就寝時に、これをつけたまま横になっても異物感こそあれ、痛みを感じたことはありません。

 遮音性能は最大35dB。これは概ねノイズキャンセル機能付きのイヤホンと同等ですが、電子的なノイズキャンセルは良かれ悪しかれ、遮音する音に不自然さがあります。騒音はカットするが、人の声の帯域は聞こえるようにしておく等、メーカー毎に調整しているためです。また、ノイズキャンセラー自体の駆動音(サー…のようなホワイトノイズ)がある場合も多いです。

 このEP-S433は、当然ながらそうした不自然さはありません。外音を自然な音のまま、全体的にボリュームダウンしてくれるイメージです。もちろん、音楽が流れる訳ではないため、外音が聞こえなくなることもありません。これも良い塩梅だと思います。コンビニの会計程度の会話なら、装着したままでも大丈夫です。

 それに何より、見た目が「ただのワイヤレスイヤホン」というのが実にいいですね。外出時に使っていても不自然さがありません。当然ですが充電も不用です。

有線イヤホン:SHURE SE215SPE

※カラーはブルー、パープル、グリーンの3色から選べます

 外出先で音楽を聴きたい時に、遮音性能を重視する場合、わたしの第一選択はSHUREのSE215SPEです。最大37dBの遮音性能で、かつ音楽が流れるため、外音はほとんど聞こえなくなります。個人的には、これまで使用経験のある、全てのノイズキャンセル機能付きイヤホンより、こちらの方が遮音性は高いと感じています。(使用したまま外を歩くのは危険だと感じるレベルです)当然ながら、音漏れにも非常に強いです。

以前の記事にも書きましたが、1万円前後の価格帯はイヤホンの激戦区です。有線もワイヤレスも選べる予算ですが、本稿の趣旨から鑑みてイチオシになるのは、定番中のド定番ではありますがやはり、このSE215SPEですね。

写真のケーブルは他社製品に換装済
(付属品のケーブルは黒です)

 そもそも、SHUREのSEシリーズというのはインイヤーモニター(イヤモニ/IEM)です。ミュージシャンがライブ中にミキサーからの「返し」を聴くための製品です。このSE215SPEというのは、そのイヤモニを音楽鑑賞用にチューニングしたもの(スペシャルエディション→SPE)です。

 当然ながら、遮音性能はプロ用のイヤモニそのままの性能があります。長時間の使用に耐える装着感の良さも備えています。ケーブルは着脱可能になっており、断線してもケーブルだけを購入して使い続けることができます。イヤーピースは付属品のものが最良であり、キャリングポーチも付属します。

 音質は、定位の良さ(音の配置や位置関係がよく分かる)と、鬱陶しくならない程度に強調されたアタック感のある低域、聴き疲れしにくい柔らかめの音が魅力です。一聴してボヤッとした音に聴こえるかもしれませんが、慣れれば唯一無二の聴き心地があるイヤホンだと気づける音だと思います。

 しかし、高域の表現には不満があります。そのことが長時間使用に耐える聞き心地に寄与していると思えるため、本稿の趣旨に照らす限りはデメリットになり得ません。ただし、音質を最優先で検討する場合なら、やはり価格に対して見劣りする製品だとは思います。

(同価格帯で音質最優先ならfinalのE4000を、長時間使える聴き心地の良さと音質を両立した製品としてはA3000をおすすめします。ただし、どちらもSE215SPEと比べて遮音性能は低く、音漏れもします)

 とはいえ、この製品は2012年の発売からいまだに売れ続けているロングセラー。客観的な音質評価では割高かもしれませんが、長期に渡り愛され続ける理由は、前述した遮音性能や装着感などを含めた総合評価が高いからでしょう。

 とりわけ、本稿が想定する読者、わたしと同じタイプ(音に怯えてしまうので耳を塞ぎたい)の聴覚過敏さんには、是非とも試してほしいイヤホンです。

 もし、「ワイヤレスでノイズキャンセル機能付きのイヤホン/ヘッドホンも検討したいんだけど…」という方がいらっしゃれば、下記の記事でご紹介している2機種がおすすめです。よろしければこちらもご覧ください。

それでは皆様、良い耳栓ライフを。

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