ライトノベル第四章二話【言葉巧みな奏】
「最近の美琴は、自信がついたせいか、音のメリハリがはっきりでていい感じだな。細かい注文にもすぐ対処できる器用さは群を抜いている」
奏が最近の美琴の成長は素晴らしいと語る。それは俺も思っていた。美琴があまりにも簡単に注文通りの音やリズムを出すから、こちらもつい難易度を上げ細かい注文をしてしまう。俺たち四人の初ライブは、美琴にとって人生初のライブ演奏でもある。技術的なものばかり成長させてしまって、果たして本番は大丈夫だろうか。舞い上がる程度ならまだいい、極度の緊張で失神してしま