マガジンのカバー画像

アイドルとレジェンド

92
「アイドルを探せ」と「レジェンド探索」を集めてみました。 写真はビスコンティの「ベニスに死す」の大道芸人。
運営しているクリエイター

記事一覧

レジェンド探索 ババのなかのババ

レジェンド探索 ババのなかのババ

アンサンブル・コンスタンティノープルのライブを鑑賞して、思い出した歌手がいます。(このふたつの音楽の区別がつかないのは、ちょっと恥ずかしいのですが)
ババ・ミルゾエフ氏。
キリル文字 Баба Мирзоев 検索するとすぐでみつかるのですが。
久々にきちんと検索したら古いレコードが聴けるようになっていました。
このメロディアのLPを1973年ころ、初めて聴いた同郷でないひとたちはどう感じたかしら

もっとみる
クープランのルソン動画、おそらく1985年ころ

クープランのルソン動画、おそらく1985年ころ

プルナールとフェルドマンの第3ルソンの映像。
モロネイ、ピエロ、スタッブスの伴奏。
ロウソクを消していく修道女つき。

フェルドマンはルソンのCD録音があります。クープランの第2は歌っていますが、第3はなかったように思います。パリのアメリカ人のひとりで、ジュディス・ネルソンの後輩といえましょうか。
プルナールはリヒターのルソンを歌っています。マルゴワールと来日の折、ヨーロッパのバロックオペラ歌唱の

もっとみる
笑うバロック(663) パワービッグスを偏見と先入観で

笑うバロック(663) パワービッグスを偏見と先入観で

プロレスラーのような名前だと思いました。ですから偏見と先入観しか抱けません。LPレコード初期のオルガニスト兼ペダルチェンバリスト。思いのほかポートレートが見当たりませんでした。たとえば偉そうに腕組みしている写真とか、どこかの政治家のように横柄に足組している写真とか、まったく見当たらず。パトリオット風カバーくらい。
きちんとした奏者を茶化すのは気が引けますが、普段からバロック音楽を聴くときは、まず通

もっとみる
笑うバロック(662) スペクタクル「光陰矢のごとし」、ふたつのオンブラマイフ

笑うバロック(662) スペクタクル「光陰矢のごとし」、ふたつのオンブラマイフ

本当に久しぶりにジェラール・レーヌの歌を聴きました。来日公演に3回くらい接したひとで、独特なテイストなのにバロック音楽の声楽に接するときの目安でした。
かれの周辺世代は概ね健在かしら。

コヴァルスキ1954生
ヴィス、チャンス1955生
レーヌ1956生
リー・レイギン1958生
ケーラー1959生

ただ数年ぶりジェラール・レーヌの相貌に驚きました。
毎日鏡で見ている自分の顔はまあこんなものか

もっとみる
自分を売り込むビルトーゾ

自分を売り込むビルトーゾ

浜離宮朝日ホール賃借は、夜の公演で483,000円。
1人3500円のチケット代なので、138人の正規チケット購入者がいれば、ホール代はとりあえずペイします。552席のホールなので、1/4に当たります。当夜5、6割は埋まっていましたので、300人くらいいたと考えられます。
コンサートそのものでは、儲けないということかしら。
その日のプログラムが含まれた最新CDの先行発売も兼ねています。150枚くら

もっとみる

ソコロフを言葉で伝える人

お気に入りのソコロフについて。
モーツァルトのハ長調ソナタ、ハ短調幻想曲+ハ短調ソナタを動画試聴。
いつも眠気を誘われるのに、やはりソコロフはつい最後まで耳を離せず。機会があれば実演を聴いてみたいと思わせます。
普段しないカタカナで「ソコロフ」を検索すると、「ピアニスト・ライター」の千原ビットナーさとみ氏の記事。なかなか筆の達者でもあり、中村さんの後継者候補の発見に喜びつつ、ソコロフの演奏を表現す

もっとみる

笑うバロック(644) ガンバ王子スーの冒険

1972年3月13日から15日にかけて作曲家の生誕 300 周年を記念してボストンで録音された、アントワーヌ・フォルクレによるソロ・ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための 5 つの組曲の最初の完全な録音。

豪快といえば聞こえはよいのですが、少し大雑把な演奏に聴こえます。とにかく早い時期、2枚組レコードが出ていたことがわかりました。

Harpsichord: John Nargesian, Bo

もっとみる

18歳でデビューしたコチシュのベートーベン

youtubeさまさまの掘り出し物音楽鑑賞
発端はアダム・フィッシャーのブラームス・チクルス。
たいへん面白く聴き、説得されました。
ただ、この調子で協奏曲の伴奏ができるか、または付き合ってくれる独奏者がいるのか、気になりました。
18世紀オケの発足時、ブリュッヘンの語ったベートーベンのバイオリン協奏曲の独奏者捜しの話題を想い出しつつ。
アダム・フィッシャーはあまり伴奏はしていない様子。
たとえば

もっとみる
弟子は質実に柔軟に淡麗に、しかし「人の声」で

弟子は質実に柔軟に淡麗に、しかし「人の声」で

山崎旭萃先生のお弟子さんの中でいちばんお若い世代にはいる田中旭泉さんをNHKで拝見。すっかり立派になられました。

口を横に広げてしめたように薄く開いた形で、喉の奥に響かせるような語りがお若いときより堂にいって迫力が増したと感じました。山崎先生の声だと地響きが近づいてくるような物々しさをあらわしていましたが。それに山下先生を想い出す頭に響くしなやかな声も磨きがかかって。

個人的な感想ですが、山崎

もっとみる
笑うバロック(628) E・ナカミチ財団に助成してほしい

笑うバロック(628) E・ナカミチ財団に助成してほしい

現在日本音楽コンクールに名を残す「E.ナカミチ」。ここでは賞ですが、賞金50万円は財団が拠出しています。

財団はというと。
カルバーシティに存在するみたい。

こうした団体はイグノーベル賞とかゴールデンラズベリーといったユーモアには欠けます。
最近では、アメリカ出身またはゆかりの音楽家のプロフィールに名前が刻まれるのみ。

日本のバブル期のメセナの典型のようにも感じられます。

そういえば、わた

もっとみる
笑うバロック(619) もう一人の別なパリのアメリカ人、古楽のユディト

笑うバロック(619) もう一人の別なパリのアメリカ人、古楽のユディト

2012年6月、アナ・キャロル・ダドリー(Anna Carol Dudley) は「クラシカル・ヴォイス」誌にジュディス・ネルソンの追悼文を寄せました。ダドリーは歌手、教師、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授、サンフランシスコ州立大学名誉講師、サンフランシスコ古楽協会のバロック音楽ワークショップの名誉ディレクターです。
その内容は次のようなものです。
両親の名前から察するにフランス系なのでは、

もっとみる

偲ぶバロック展(598) 亡くなったリコーダー奏者を偲ぶ

レネー・クレメンチッチ氏2022年3月95歳。

江崎浩司さん2021年12月50歳。

フランス・ブリュッヘン氏2014年8月79歳。

柴田雄康さん2013年10月66歳。

田中潤一さん2010年9月50代。

ケース・オッテン氏2008年9月83歳。

篠原理華さん2005年6月34歳。

北御門文雄さん1994年40代。

デイヴィッド・マンロウ氏1976年34歳。

笑うバロック展(77) ありがとう!テレマン!

一度訪問してみたかったなあ。
なんでテレマンと名付けたのか聞いておきたかったですねえ。その辺黙して語らず、好い。
こちらは勝手にバロック音楽の大作曲家テレマンからとったと解釈しているのですが、もしかしたら違うのかも。
何しろ大阪と言えばテレマン(協会があり)ですし。
ちなみにテレマン協会のアドレスは「www.cafe-telemann.com」なぜ?カフェ・ツィマーマンのコレギウムムジクムはテレマ

もっとみる
笑うバロック展(76) 悪女の肖像「ランフィデル」

笑うバロック展(76) 悪女の肖像「ランフィデル」

初めてオイゲン・ミュラー・ドンボワのリュートを聴いたとき、とにかくビックリ。

そのCDの中で、とみにヴァイスの「不実な女」というタイトルの曲に惹かれました。
このタイトルで興味を惹かれない男がいたら----むしろおかしいと。
個人的な感想は、実にタイトルどおりのイメージの曲だ!!ということ。
理由はわかりません。絵画のリュートを抱えた女たちを思い出しのか、それとも「第三の男」のアリダ・ヴァリを思

もっとみる