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ヴィッキー・アレッシオの訃報
「私が最も興味深かったことの一つは、世界中の女性に関して、私たちは全く平等ではないのですが、現代の劇作家たちがまだ私たちに興味を持っていないということです。現代の劇作家で女性を中心テーマに据えている人はほとんどいません。そしてそれは奇妙だと思います。私はこのことについて長い間話し続けてきたが、誰もそれを気にしませんでした。」3年弱前にガーディアン紙に寄せられたインタビューでのグレンダ・ジャクソンの言葉
検索すると映画「ウイークエンドラブ」のファンは数名ですがおります。わたしももう一度観て笑いたいくち。不謹慎な映画なのですが、大げさな修羅場もなく、それぞれが元の生活に戻っていきます。ヴィッキー・アレッシオは「ウイークエンドラブ」のグレンダ・ジャクソンの役名。
グレンダ・ジャクソンが亡くなった折に発表されたポルトガル語の「クラウディア」誌に載ったエッセイを豪傑訳しました。
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恐れ知らずで多才な彼女は、舞台や映画で複雑な女性を演じてきました。 1936 年生まれのグレンダは、15 歳で学校を中退し、デパートで働き、家の手伝いをしました。数年後、偶然にも彼女は演劇が好きであることに気づき、王立芸術アカデミー (RADA) への入学をなんとか許可されました。
彼女は1957年にプロデビューし、わずか6年後、ピーター・ワイスの戯曲『 マラー/サド』でフランス革命急進派ポール・マラーの殺人者シャルロット・コルデー 役にピーター・ブルックにキャスティングされ、 スターダムを駆け上がりました。それは非常に成功したため、『マルキ・ド・サドの指揮の下、シャラントン精神病院の狂人たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と殺人』という長いポルトガル語のタイトルで映画でも同じ演技を繰り返しました。
2年後、DHローレンスの物議を醸した小説を映画化した『 恋する女たち
Women in Love』で、初のオスカーを獲得。また、ケン・ラッセル監督とのパートナーシップのもと、1971 年の『恋人たちの曲/悲愴 The Music Lovers』でチャイコフスキーの取り乱した妻を演じました。
体制に挑戦する大胆な女優は、ファッションを気にしたことはなく、エリザベス1世を演じるために頭を剃り、オスカーを2回、エミー賞を2回受賞し、受賞するためにハリウッドに行こうとしたこともありません。
マーガレット・サッチャーの反対者であった彼女は、舞台映画のキャリアを捨てて英国議会に立候補し、労働党を代表して25年間勤務し周囲を驚かせました。表面的な質問に対する彼女の「性格の悪さ」は、演技の才能と同様に伝説的でした。
型にはまった人生は彼女の天才には当てはまりません。80歳を超えて俳優「復帰」し、劇場で「リア王」を演じ、続くエドワード・オールビーの戯曲『三人の背の高い女性』でトニー賞を、3年前にはエマ・ヒールの原作『エリザベス・イズ・ミッシング 』の感動的な演技で、2度目のエミー賞を受賞しました。ベストセラーとなったこの作品では、親友エリザベスの失踪を捜査しながら認知症に苦しむ女性を演じました。
晩年は息子で政治コラムニストの ダン・ホッジスの近くで庭の手入れをしたり、孫と遊んだりしながら過ごしました。彼女は友人のマイケル・ケインと、ポストプロダクション中の最後の作品『The Great Escaper』を残しました。
冒頭引用のインタビューの中で、記者はドラマ「ザ・クラウン」を意識しつつ彼女に政敵マーガレット・サッチャーを演じる気があるかと尋ねて女優を挑発しました。
「それはとても難しいと思います。私は常に、自分が演じている人物の目を通して世界を見なければならないという、ルールに従おうとしてきましたが、サッチャーが私たちを住まわせたかった世界を見るのは、とてもとても難しいと思います」
エリザベス2世に関しては 「誰でも女王を演じることができます。もし自分を内に秘めている女性がいたら、それは女王なのです。彼女がどのような外見をしているか多くが知っています。ですが人間としてどのような人物ですか?それは世界で最もよく守られている秘密の一つです」
下の写真はイギリスを代表するオスカー女優たち。筋金入りの4人。グレンダは2本筋。
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最後の作品は「大いなる脱走者 The Great Escaper」。
ケインは現役引退し、ふたりの最後の作品に。
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受賞式には行かないけれど、マペットショーには出演したことがあります。
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