18歳でデビューしたコチシュのベートーベン

youtubeさまさまの掘り出し物音楽鑑賞
発端はアダム・フィッシャーのブラームス・チクルス。
たいへん面白く聴き、説得されました。
ただ、この調子で協奏曲の伴奏ができるか、または付き合ってくれる独奏者がいるのか、気になりました。
18世紀オケの発足時、ブリュッヘンの語ったベートーベンのバイオリン協奏曲の独奏者捜しの話題を想い出しつつ。
アダム・フィッシャーはあまり伴奏はしていない様子。
たとえばシフとか、どうかしら。残念ながらシフのピアノは全くピンときません。三羽烏の中で聴き入ってしまった経験がもっともない人。
イヴァン・フィッシャーのブラームスが、兄弟で示し合わせたかのように反対方向に走る演奏なのに驚きつつ、そういえばイヴァンははじめコチシュといっしょに活動していたではないか、ところがコチシュは結局ブラームスの協奏曲は演奏しなかったのか、残っていないのか。
あのコチシュのモーツァルトの調子で、ブラームスはどんな風かしら、と想像をたくましく。もちろん、コチシュは独奏を聴く限り、バルトーク、ラフマニノフのようにブラームスも弾けるはずではないかしら。
そこで、コチシュの協奏曲のレパートリを検索したら、ベートーベンのト長調協奏曲でデビューしていたことがわかりました。
1970年18歳らしい。
よい意味で青い演奏だと思いました。
折り目正しくていねいに弾いているように聴こえるほど、なんだかロマンチックな気分になってきます。
出だしのソロ、極端な強弱の独特な第2楽章、第3楽章の主題のときのチェロ、その辺がベートーベンのト長調を選ぶ規準です。
すべて良好、好みの演奏でした。
おかしなほめ方ですが、コチシュのよさはあまり上手に聴こえないところです。研ぎ澄ました音というのでなく、なんでもさっぱりと弾き過ぎるように感じます。でも、そこがいいんじゃない。
ベートーベンの中でももっとも好きな協奏曲なのですが、お気に入りが見つかりませんでした。コチシュで安心。
検索途中で、コバケンとのモーツァルトのニ短調協奏曲も拝見。これもしっかり通奏低音を弾いてました。コバケンの独奏者に沿った指揮が好感。ベートーベンのでないカデンツァは誰のかしら----。


フンガロトンとかスプラフォンとか、本当に文化のレベルが高いなあ。

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