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趣味だけの人生を過ごすには、毎日は長すぎる 〜2年間のリタイア生活で出した結論〜

好きなことだけして過ごしたい

そんな暮らしを夢みて、サラリーマン勤めだった20代の頃から色々と準備をしてきました。

「願えば叶う」とかいっちゃうと自己啓発書(以後J.K.S.と表記)みたいで恥ずかしいんですけど、数々のとんでもない幸運に恵まれて40代に入って好きなことだけして暮らせるような状況となりました。それは、なんだか色々な形のパズルが勝手に組み合わされていったかのような、自分でも思ってもみない出来事が勝手に展開していった末にできた奇跡みたいなものでした(ますますJ.K.S.みたいで恐縮です)。

リタイア生活はじめました

そんなこんなで、15年以上続けていたサラリーマン生活を思い切って辞めて、リタイア生活をはじめました。

そしてリタイア生活のモットーとして「好きなことだけをして過ごす」と決めて、それを手帳に書いたものでした(J.K.S.)。

幸い、家族(特に私が心配していた妻)の反対もこれといってなくて、この先にはバラ色の人生が広がっているように感じていました。

当時は趣味がたくさんあると思っていて、時間ができたらやりたいと思うことがいっぱいありました。

マラソン、水泳、自転車、トライアスロン、トレイルランニング、筋トレ、サーフィン、登山、ピアノ、プログラミング、瞑想、マインドフルネス、薪割り、心理学、読書、映画鑑賞、スポーツ観戦、企業分析、株式投資、資産管理

今でも続いているものから、今では全然やっていないものまで、「まーこんだけやりたいことがあれば毎日忙しいよね、趣味以外にも、家事や育児もあるし、地域の活動とかにも参加するから」なんて思っていました。

最初の頃はよかった

リタイアをして最初の頃は本当に開放感があって、精力的にやりたいことをやっていました。

瞑想の10日間合宿に出かけてみたり、トライアスロンの大会に出てみたり、バリ島の兄貴に会いにいったり、テント背負って泊りがけで登山に出かけたり、テックアカデミーでオンラインブートキャンプ受けたり、GooglehomeとラズパイとNatureRemoで自宅のIOT化にチャレンジしたり、ピアノの発表会に出たり、いろんなセミナーに出たり、キャリアコンサルタントの資格とったり、

サラリーマンの時にやりたくてもできなかったことをどんどんやっていきました。

なぜか湧いてこなくなるやる気

しかし、半年くらい経った頃から徐々に行動力が無くなっていきます。何故か湧いてこなくなるやる気。退職時にMAXだったテンションはどんどん落ちていきました。やりたかったことをやっているのに、何をやってもどうも気分が乗らなくなっていきました。

そしてリタイアしてから1年が経つ頃には、ほとんど家から出ないような生活になりました。毎日の長いこと長いこと。これはリタイア前には想像もしていなかった状況でした。

子供に「パパはずっと家にいるよね」なんて言われても、全くその通りでして「そうだね」くらいしか返す言葉がありませんでした。

最初の開放感はどこへやら。自分が小さくなってしまったような感じでした。

趣味は自己満足の世界

これは趣味の特徴だと思うのですが、趣味はどこまでいっても自己満足の世界なんです。

トライアスロンのタイムも、ピアノの出来栄えも、自宅のIOT化も、バリ島の兄貴の話も、瞑想も、読書も、資産運用も、自分がリタイア前にやろうと思っていたことで、この自己満足を超えるものをみいだすことが自分にはできませんでした。

恐らくこれらも、もっと極めていけば趣味の領域を抜け出して、他人に貢献できるレベルまでに成長するのでしょう。しかし、自分はそこまでの覚悟とか、凝り性はありませんでした。

私の大好きな経営管理研究者で競争戦略を専門にされている一橋大学の楠木建先生も

趣味であれば100%自分を向けばよい。自分が楽しければそれでよい。しかし仕事と趣味は本質的に異なる。自分以外の誰か(価値の受け手、すなわちお客)のためにやるのが仕事(すべては「好き嫌い」から始まる,P266)

とおっしゃっています。この定義からいっても、私がリタイア後にやっていたことは明らかに全て趣味であったといえます。

そして、自分にとっては「自己満足だけが人生の目的となった日々を続けるのは限界がある」っていうのを、思い知らされたように感じました。

モチベーションは誰かのために産まれる

自分は社会的な生き物なんだなっていうのが、リタイア生活を2年ほど行って出した結論でした。

信じられなくらいの幸運に恵まれて、長年の夢だったリタイア生活を送った後の結論がこの答えだったとは、20代の頃の自分が聞いたらどんな風に思ったでしょうね。

自分にとっては、何か行動をしようというモチベーションは、それが誰かのためになることで産まれるというのが、身に染みてわかった2年間でした。


趣味だけの人生を過ごすには、毎日は長すぎるのです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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