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【簡単あらすじ】バリ3探偵圏内ちゃん(微ネタバレ)【七尾与史/新潮文庫】



ある公園で発見された左手が切断された女性の死体

その後も同様の死体が次々と発見される。

本来あるべきものがそこに無いだけで、背筋が冷たくなるような光景になる。

事件解決に、電波がバリ3の場所でしか生活出来ない女性・見内緑子が挑む。

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『はじめに』
毎日猛暑日が続き体力が削られ、外出どころか何もしたくないと考えてしまうような日々が続きます。
しかし、外出を控えるようになったということは、逆に考えると家の中でエアコンを起動させ、傍に飲み物を持ってくると外の雰囲気に全く影響されない、絶好の読書シチュエーションになります。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。このレビューを読んだことで、作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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本作も「トイプー警察犬メグレ」と同じように、七尾与史さんのイメージに合わない作品シリーズです。


主人公の見内緑子は、電波がバリ3の場所でしか生きていけない引きこもり(もし電波が届かない場所にいると、しゃべれなくなり・失神しかけてしまい・まるでゾンビのような挙動になってしまいます)であり、生身の人間と会話をするのが苦手な女性です。

しかし、一度オンライン掲示板に降臨すると、ハンドルネーム「圏内ちゃん」として、他の参加者からカリスマ的存在として扱われている。

生身の人間としては欠点だらけ、しかしネット上では並外れた解析力を持つ見内緑子。

突然、殺人事件という非日常・非現実に巻き込まれてしまいますが、事件の解決に強制的・自発的に手伝うことで、彼女自身の成長も見られる作品です。

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「オンライン掲示板」や「バリ3」という単語に少々時代を感じますが、私の世代でどちらにもハマっていた友人がいますので、20代の懐かしさを感じながら読み進めることが出来ました。

七尾与史さんのシリーズ作品である「ドS刑事」、前回レビューしました「トイプー警察犬メグレ」、そして本作「バリ3探偵圏内ちゃん」に登場する警察組織は横に繋がっていたり、登場人物が好きな飲料として「ミルクほうじ茶スカッシュ」も登場していたり(恐らく同じ世界線です)、そういった小ネタも楽しめる作品です。

「ミルクほうじ茶」まではすでに現代で商品化されていますので、実現まであと少しかもしれません…


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