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【簡単あらすじ】天久鷹央の推理カルテ(微ネタバレ)【知念実希人/新潮文庫】

自身の無限の好奇心を満たすため、複雑怪奇な症状を呈する病人だけでなく、陰惨な犯罪がらみの謎であっても自分から首を突っ込み解き明かそうとする、統括診断部・天久鷹央

所属する大病院・天医会総合病院に持ち込まれる様々な相談には、思いもよらぬ「病」も隠されていて…



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『はじめに』
暑い毎日もようやく落ち着き、時季も読書の秋に近づいてきまして、読書もしやすい季節になりました。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。


父親が院長であるため、20代でありながら副院長かつ統括診断部長を務める天久鷹央と、そこに配属された小鳥遊優

天久鷹央は若いとはいえ、自身のずば抜けた「記憶能力/計算能力/知能」を使い、宇宙人に誘拐されたと訴える男による殺人事件や新興宗教が絡む洗脳事件などの大事件から、地域のちょっとしたトラブルまで、様々な事件を解決しています。

統括診断部は探偵事務所では無いため、基本的には、病気に関連しない依頼は受けないものの、統括診断部HPからメールで直接依頼をされていることもあり、その内容で鷹央の琴線に触れた内容に対し、鷹央と小鳥遊優が出動するという形になっています。

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今作は以下の四編からなっています。



1.泡

小学生が深夜肝試しで行った公園の池で、カッパを見た。そのカッパの正体を鷹央と優が調べます。

2.人魂の原料

夜勤で病棟を巡回している看護師が、毎回のように人魂を見るという。他の看護師等は見たことが無い人魂、その正体は…?

3.不可視の胎児

中絶手術を受けた女子高生は、その数週間後に「あの子が戻ってきた」と感じる。手術は成功しているはずなのになぜ?

4.オーダーメイドの毒薬

傍若無人に振舞っていた(振舞っているように見える)天久鷹央が、以前診断した小学生の親から、診断内容を訴えられるというピンチに陥る。

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四編とも、多くの人が「聞いたことはあるけども、それはオカルト的・都市伝説だろう」と思っている内容に、天久鷹央と小鳥遊優が(真剣に)取組んでいます。

そして、その正体を暴く際には、あまり聞いたことの無い・おなじみではないような病名が登場し、さらにそれを取り巻く人間模様も大きく関係してくるため、某バ●スタシリーズよりも読みやすいメディカルミステリーになっています。

この作品も「表紙が若者向きなため、おじさんが手に取ることは少ない作品シリーズ」ですが、私のようなおじさんでも充分に楽しめる作品だと思います。


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