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独力でインカムを得る心得。

変化しないぶら下がり社員は淘汰される。

 一昔前に比べると、noteの有料コンテンツやKindle出版など、クリエイターが創作した作品を直接購入することができる環境が整っている。これからは個の時代だと持て囃されていることもあって、フリーランス的な働き方は更に加速することだろう。

 現にクラウドワークスやランサーズのような、クラウド上でのアウトソーシングサービスの市場規模は成長している。それだけ、社会保障的な側面もセットで雇用する状況下で、極力正規雇用を抑えたい企業側と、企業に中抜きされるよりも、自分の実力だけで稼いだ方が良いと思っている個人が増加傾向にあるのは、トレンドとして間違いない。

 これまでのキャリアの考え方では、正社員であることが絶対で、譲れない条件であるかのような思想が蔓延っていたが、これからの時代はメンバーシップ型の雇用契約を企業と交わして労働するのが当たり前な時代から、プロジェクトベースのジョブ型雇用や、UberEatsのような個人事業主として企業と契約を結んだ働き方と、時代の変化に適応できる働き方が主軸となる未来も、そう遠くないのかも知れない。

 これによって割を食うのは、大して利益に貢献せず、企業にぶら下がっている正社員である。巷では年収2,000万円の窓際族をWindows 2000(疫病禍でリモートの場合はHome Editionが付加される)と揶揄するらしいが、最低でも1日10回は鉄の箱に乗務しないと年収360万円に届くかすら怪しい、Xbox 360民には想像がつかない世界である。

 そもそも、個人作業の鉄道乗務員では、一線を超えて怠けると、その分だけ遅延による多客、多客による遅延の負のループに陥り、余計に負担が増える性質上、典型的な働かないおじさんは存在しない。

 しかし、社会主義のように決められた作業手順さえ踏めば、どれだけ頑張ろうが、適当に片付けようが賃金も評価も変わらないため、マニアを除いてモチベーションが低く、必要以上に働こうとしない意味では、全員が適度にぶら下がっているとも捉えられる。

 とはいえ、編成で何十もある乗降扉を、針の穴に糸を通すような、一瞬の隙を見計らって励磁弁を操作するスキルや、1両20トンを悠に超える鉄の箱を運転した経験など、異業種では何の役にも立たないことは、誰の目から見ても明白である。

 それでいて先行きが明るくない斜陽産業であり、袋小路である自覚があったからこそ、高卒で入社して10代のうちから、本業以外でインカムを得る手段で、出来そうなものを片っ端から試し、トライアンドエラーを繰り返した末に、私は資産運用に行き着いた。

個人の財布は狙わない。

 私は資産運用で金融資産に働いて貰うことが、最も効率よくインカムが得られのは、恐らく亡くなった曽祖母から意地汚い下の兄弟との対比で、意地のきれいな子と言われる程度に生まれつき無欲で、天性の仙人ぶりを遺憾なく発揮できたことが要因だと思われる。

 アルバイトのような時間の切り売り以外の副業と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、せどり、コンテンツ販売、ハンドメイドなどの、個人を相手にする副業ばかりだが、買う側は我々と同じ一般庶民で、無い袖は振れないのだから、財布の紐が硬いのは自明の理である。

 私も不用品整理でフリマアプリを駆使して、年間10万円単位でインカムを得ているが、これはあくまで売却損を計上する形で現金化しているだけであって、利益が出ている訳ではなく副業とは言い難い。

 応用して安く仕入れればせどりになるが、誰でも参入可能であるが故にレッドオーシャンで、底値で買い叩く知識と度胸は必要で、労力に見合った利益を得るのは難しい。

 しかし、支払う相手が企業なら話は別である。企業は節税などの思惑から広告宣伝費の予算を組んでいるため、財布の紐が硬い個人と違い、毎年ある程度まとまった額の広告費用を、経費で落とせるだけのキャッシュがある。

 その経費のおこぼれに預かれるような仕組みを構築することで、大して労力を掛けずに本業以外のインカムを得られる可能性は、個人相手に副業をするよりも高くなるのではないだろうか。

 私がnoteを毎日更新していても決して有料販売せず、Amazonアソシエイトからの広告収入のみを受け取っているのも、そう言った思惑からである。

 失われた30年と揶揄されるように、雇用は不安定、賃金は横ばいにも関わらず、税金や社会保険料は増加の一途を辿り、可処分所得は減少する一方。原材料費の高騰や急激な円安となり、生活苦なのは皆同じで、マイナスサム同然な個人間で情弱を騙して財布を太らせる行為が、未来永劫持続するとは到底思えない。

 私が尊敬する岡本太郎さんは、芸術はその辺の石ころ位、身近なものであるべきと言う信念に基づき、パプリックアートの依頼は喜んで受けたものの、生涯を通じて絵を売ることがなかった。売ってしまえば作品が多くの人に見て貰えないからである。

 晩年に爆発面白おじさんとして、テレビタレント的な役割も担ったことから、名高い芸術家として地位を確立したが、例え世間に名が知られなくても「売れないアーティスト」と「売らないアーティスト」では天と地ほどの差がある。

 どれほど欲しいと思う大富豪が居ても、売りものではない以上、お金で買うことはできない。そんな作品はお金持ちが大切する健康、知識、経験、人間関係などの、資本主義社会で流通する通貨では価値が計れないものと同列となる。

 だから私は全ての作品を無料開放しているし、リンク先の商品を猛プッシュすることもない。ただ、応援する気持ちがある方は、Amazonで何かしらを購入する際に、リンクを踏んでから買って頂くと、リンク先の商品でなくても私に報酬が入る仕組みなので、身銭を切ることなく応援できるプラスサム状態となる。

 そのため、創作のモチベーションに繋がり、作品で還元すると言う好循環が生み出せるかも知れない。


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