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効果抜群、引越し断捨離。

先に箱を決め、絶対に必要な物から入れる。

 吾輩は引越し魔である。契約更新は一度しかやったことがない。あとは2年足らずで引っ越しているから、実は定期借家でも問題ないのではないかと、最近思い始めている。しかし、メディアで面白おかしく取り上げられる、いわゆるミニマリストと一緒にはされたくない天の邪鬼な側面もある。

 とはいえ、知人や友人を家に招く際に軽いジャブで、片付けが苦手な性分で持ち物の総量を少なくしているから、あがったところで何もない旨を伝えるが、あまりに何もないため、8割くらいの確率で片付けが苦手に対する説得力がないと言われ、残りの2割はあまりの生活感のなさから内見かと突っ込まれる。

 それもそのはずで、サムネイルの5箱が家財道具一式であり、これを宅急便で、全国どこでも合計で1万円前後の送料を支払い、私自身は片道の交通費でバックパックとミニベロを輪行して現地に出向けば、引越しが完了するため実に身軽だ。

 身軽になるためのコツとして、先にどの箱で送るかを決めてしまい、必要なものだけを詰め込み、それ以外は売るなり処分するなりするのが荒技だが手っ取り早い。

 私のように宅急便の複数口割引が適用される5口以内に収めるなんてストイックなことをせずとも、単身者向けのカーゴに収まる範囲内など、予めひとまわり小さいキャパシティで設定すると、否応にも整理せざるを得ない。

 キャパオーバーを解消するには、普段なら取っておく様な、あってもなくても構わない程度のものは、わざわざ超過料金を支払ってまで持って行きたいとは思えず、潔く手放せるだろう。

なくても大丈夫な物は移送費用を鑑みて。

 所有物全てを業者任せで移送しようと思うから、コストがバカにならないのであって、最初から移送費用の天井を設定してしまえば、優先度合いの低い品々は手放す他ない。

 私は家電、家具の類は転居前に処分して、新しい環境に応じて必要なものを調達するスタイルだが、毎回調達するのは洗濯機くらいなもので、毎回新品だとお財布にも環境にも優しくないため、中古品を使い潰すのが性に合っている。本音としては、コスト面での課題が解決するならコンランドリーにしたい。

 これらを踏まえた上で、絶対に必要なものから詰めていくと、私の場合はそれだけで5箱の9割近くは埋まるため、残り1割の容量の範囲内で持っていくものを吟味して、それ以外は処分する。

 極力、転出間際での処分が発生しないように、売れるものはこまめに売りに出すが、それでも今回の最終日は45リットルのポリ袋3つ分程度は排出している。

 因みに役場やWebサイトで見る、引越しで一時的に大量にゴミが出る人向けの案内は別料金が掛かるのが相場のため、明け渡し日は必ず可燃ゴミの日に設定する。

 自治体にもよるが、都内某所は1世帯4袋前後排出を前提に、収集車の台数を決めているらしいから、単身者ではあるものの、私は引越しですら役所が日常生活で排出すると設定した4袋に届かない辺り、計画の緻密さが際立つ。

紙媒体の殆どは処分して問題ない。

 なぜ140サイズ5口の宅急便なんかで収まる程度に持ち物が少ないのか。それは、生活必需品すら本当に必需なのか疑う性格の悪さと、殆どの紙媒体をスキャナで電子データとして取り込み、USBサイズのSSDに格納しているからだろう。

 A4用紙1枚5gを侮ってはいけないことは以前にも記しているが、紙媒体は保管する必要のあるものだけ保有し、それ以外はスキャナで取り込んで処分してしまって問題ない。 

 私の場合は確定申告の書類が7年分や、賃貸契約書などの証書類、期限到来前の保証書程度なもので、人によっては生命保険や住宅ローン、自家用車の書類が加わるが、押さえておくべきものはこれ位で、それ以外は即座〜1年以内に処分でき、肌感覚では後者が9割超を占める。

 大層な認印が押されていようが、上記以外は処分してしまって困ったことは一度もないが、アンチ判子主義者の戯言でいかなる損失が発生しても当方は一切の責任を負わないため、よく考えた上で処分して頂きたいが、そこに取り掛かるよりも前に、あっさり処分できるものは結構あるはずだ。

 最終奥義くらいに捉えておいた方が、やっつけ甲斐はある。一度だけ返却する必要のある、なんとか証を期限が切れたため無印良品のハンドシュレッダーの餌食にしたところ、2週間後位に関係各所から返却の連絡が来た。

 しかし、「期限切れであることを確認してシュレッダーで処分した。返却が必要なら発行時に事前説明するのが筋ではないか?」と逆ギレにも近い返答をしたところ、面倒な奴だと思われたのか、お咎めなしで問題なかった。

 大抵の書類は処分しても何とかなるものだと、身を以て体験した瞬間だったが、それで事務職員の負担を増やしていることは知りながらも、平気でそれをやるのだからタチが悪い。

思い出の品との向き合い方。

 難しいのが思い出の品だろう。並大抵のものは買い直しが効くが、こればかりは買い直し出来ない性質上、納得するまで慎重にまとめて行く方が後悔しないだろう。

 私の場合、卒業アルバムの類は例に漏れず電子化して、原本は処分した。あり得ないと思う方も居るだろうが、アルバムの意義は思い出を蘇らせる点にある訳で、そこに紙の質感が必要かを自問自答した結果、視覚情報があれば十分である結論に至り、電子データに置き換えた。

 それに紙媒体で保管したところで、紙文化だった中国の古書は多くが焼失していることからも、火事が起きれば意図せず焼失してしまう。個人がどれだけしっかり者でも、お隣さんがズボラだと失火の可能性があり、紙だろうが電子だろうが、情報を保管するリスクは存在し、データの寿命を考えるならメソポタミア文明のように、粘土板を焼いて石みたいにするか、若しくは石を掘るしかない。

 電子データの対策として、SSDの保管はもとより、クラウド上にも保管しており、ネット環境さえあればいつでもダウンロードして見れる状態にしているため、同窓会でスマホ越しにアルバムを鑑賞するなんてこともできるのは、電子データならではで、押入れの奥で埃をかぶっているよりも、すぐに取り出せるデータの方が、思い出を蘇らせる本来の目的を発揮できていると思う。

 この境地に達するまでには、それなりの準備や時間が必要かも知れないが、ここまで来ると卒業記念品なども、実用性のあるものなら使い潰して、そうでなければ写真や動画で残せば十分だと思える様になった。

 そうして今、宅急便で気軽に引っ越せる段階になったが、将来的にはスーツケース1〜2個に収めて、長期滞在旅行感覚で引っ越せるようになりたいと思っている。

 それが果たせるその時まで、何度でも蘇る引越しでダウンサイジングするのだろう。何も持たずに生まれてきた以上、何も持たずに死ぬのが、人類のあるべき姿なのかも知れない。


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