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シード期だからこだわれる、グローバルを見据えたプロダクトづくりとは

Resilireでご活躍されるエンジニアのお二人に、仕事内容やResilireというスタートアップでのこれまでの開発のなかで難しかったこと・こだわったことについて伺いました。


なぜResilireに? 今ここで挑戦する理由

— Resilireのエンジニアメンバーのお二人にお話を伺いたいと思います。まず、簡単にお二人のご経歴をお願いします。

岡本:はい、私はResilire3人目のエンジニアです。前職はウェルスナビで、その前はシンプレクスにいました。17年くらい金融業界にいて、今はResilireにジョインしてサプライチェーンの世界に飛び込んできたという形です。

岡本 健 / Ken Okamoto

— 前職もずっとエンジニアをしていたのですか?

岡本:シンプレクスに10年ほどいたうち、5年くらいはエンジニア、残りはPMをやっていました。その後のウェルスナビでは一応ずっとエンジニアでしたが、3年ほど経ったあとはマネージャーを兼務し、最終的にはCTOに就任し、開発・セキュリティの統括をしていました。

— 今、なぜResilireにジョインすることを選ばれたのですか?

岡本:選んだときに事業・業界に強いこだわりはなく、お話する中で面白そうと直感的に思ったというのがきっかけです。具体的に言語化すると、「ワクワクできるプロダクトか」「成長できる環境がある会社か」そして、「これまで17年間金融業界で培った経験を活かし自分の価値を発揮できるか」という点、これら三つが揃ってResilireにジョインして一緒にプロダクトを作っていきたい、と思いました。
(※詳細は入社エントリー記事をご覧ください)

— ありがとうございます。続いて、彌冨さんもお願いします。

彌冨:私は、Resilireのエンジニア1人目の社員です。昨年10月に業務委託でジョインし、11月に正式に入社しました。前職は建設ベンチャーのアンドパットに4年いました。その前はモルガン・スタンレーという外資金融企業にいて、PM兼エンジニアとして務めていました。

— その3社に共通点はあったのですか?

彌冨:特に業界の共通点や縛りはなく、自分がエンジニアであり続けることを軸にキャリアを積んできました。外資金融のモルガン・スタンレーで『大企業』『グローバル』のキャリアを目指し、アンドパットで『ベンチャー』を経験し、今はResilireで両者を掛け合わせて『ベンチャー』×『グローバル』に挑戦しています。
(※詳細は入社エントリー記事をご覧ください)

彌冨 輝彦 / Teruhiko Yatomi

— ありがとうございます。Resilrieでは、これまでと現在でどのようなことに取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

彌冨:ベンチャーでの一日一日は本当に濃くて、もう5年くらい働いているような気持ちなので、これまでやってきたことを一言で説明するのは難しいですが・・。笑 私が入社したときは、既存のアーキテクチャ(今のお客様が使っているプロダクト)の開発運用保守をしていました。そして現在はそれと並行して、リアーキテクチャ(プロダクトの作り直し)PJの立ち上げと、新しいプロダクトの作成に取り組んでいます。そして、そのための開発組織の準備・採用に目下取り組んでいます。

— そんなに多くのことを同時並行で進めていらっしゃるのですね。まさに「急成長中のスタートアップ」の忙しさですね。

プロダクト開発で難しかった『4つ』の挑戦

— Resilireでの開発の中で、技術的なチャレンジ・難しかったところはありますか?

彌冨:難しかったことは、大きく分けて4点あると思っています。
まず1点目は、開発体制です。普通、リアーキは会社の規模がある程度大きくなってから着手することが多いですね。しかし、その段階になってからやると結局そのPJが完成するまで長ければ何年もかかることが多く、もっと早い段階から着手した方が、改善まで早く終わるのでは?ということをずっと思っていました。

先ほども述べたように、Resilireでは現在の会社の規模が小さい段階からリアーキテクチャに取り組んでいます。ですが実際に、少人数で既存プロダクトの開発運用保守に加えて、新しいこともするとなると、本当に手が回らなくなりました。全く異なるプロダクトを頭の中で両立させて手がけて行くのがなかなか大変でしたね。

岡本:そうですね。大きくなると身動き取れなくなることも考えて、将来いくらかでもそういった人とお金と時間を注ぎ込まなくていいように、今、頑張ればどうにかなるうちに頑張っています。

— 大変であることは想像に難くないですが、それでもやってきた、というところにとてもこだわりを感じました。では、2点目、3点目もお話願います。

彌冨:2点目と3点目は、フロント・バックエンドのそれぞれにあります。

岡本:各領域で難しかったところですね。

彌冨:まず2点目としてフロントに関していうと、Resilireのプロダクトの特徴である、「サプライチェーンをツリー形式やマップ上に表示する構造」の構築が難しかったところで、現在進行形で進めています。お客様が入力した情報を画面で出してあげるだけ、つまりデータをそのまま表形式と詳細の情報として出してあげるだけで成立するプロダクトも多いと思うのですが、Resilireのプロダクトはそうはいかないです。

岡本:確かに、我々が手がけているプロダクト開発の技術的な難しさ・面白さはそこにあるかなと。toBのSaaSなのに、ワークフローとか表形式のデータベースみたいな機能ばかりではなく、ツリーやマップのようなインタラクティブな機能をつける必要があります。マップの機能も、ただ単にマップであるだけでなく、直感的にわかりやすいことをコンセプトに持っていて。そういったところの開発は、toBのシステムだと他にはなかなか見かけないと思っています。

— そうなのですね。技術的に難しいけれど、目指しているビジョンや実現したい未来のために妥協できない部分であったということでしょうか?

彌冨:この技術的な課題を乗り越えることがマストのラインだと思っています。サプライチェーンに関わる情報は多様な側面からたくさんあり、お客様はそういった情報を総合的に把握して意思決定していく必要があるため、優れたユーザーインターフェース(UI)が求められています。そのバリューを提供していかないとResilireがResilireではなくなってしまうと思っており、こだわっているポイントです。

岡本:特に、今提供してるサプライチェーンリスクマネジメントのプロダクトでは、UIが大切です。大雨や地震、台風がきて大変なときに、普段私たちがYahoo天気で地図を見てどこの地域が大変なことになっているのか、自分が今いるところは大丈夫なのかを把握するのと同じように、お客様がResilireを見て、どこのサプライチェーンにどんな影響が出ているのか、直感的に理解できる構造になってなくてはいけないのです。そのUIへのこだわりは強く持っていました。

— なるほど。バックエンドについてはいかがですか?

彌冨:難しかったところの3点目ですね。バックエンドで難しかったところはさらに2つあって。地理座標系と、ユーザー権限についてです。

岡本:地理座標系について簡単に説明すると「リスク情報の収集・処理」です。まず、いつどこでどのくらいの大きさの災害が起きたのか、気象庁が定義する災害区域で公表されるものを、それが一体どこなのかをシステム的にマッピングしなくてはいけません。そして、お客様が登録している工場の位置情報は住所といういわばフリーワードから解決します。なので、それが正確なのか・そもそも存在するのかも、外部のAPIを叩いて確かめる必要があります。

つまり、お客様の工場の正確な緯度経度の情報と、災害リスクの情報の双方を正しく収集し、それらを正しく分析して統合する作業です。

— 災害の情報と工場の位置情報をそれぞれ正確に収集し、両者を統合する処理、これらを緻密にやることが難しい点ということですね。

岡本:そうですね。そしてそれをワールドワイドで挑戦します。既存のアーキテクチャはすでにワールドワイドでやっています。

彌冨:バックエンドの中で難しかったところのもう1つは、ユーザーの権限をどうするか、という議論です。Resilireが今作っているプロダクトは、導入したメーカーからサプライヤーにIDを付与するという特性があるため、メーカー・サプライヤーの多種多様なユーザーがアクセスします。さらにサプライチェーンは、ものを作る工場があって、その材料があって、その材料を作るための原料があって…と、連なっているもので、そこに関係する会社は多種多様だからです。

しかし、「どの会社がどの会社から仕入れてる」という情報は、ビジネス上重要な情報なので、情報をどこまで見せていいのかは、非常にセンシティブな問題です。しかし、私たちがやりたいのはサプライチェーン全体を見える化して様々なリスクに即座に対応できるようにすることなので、ユーザー権限をどこまで厳しく制限すべきか検討するには、ビジネスを正しく理解してプロダクトに反映する必要がある、そこが難しいところです。

— なるほど。技術的な難しさだけでなく、ビジネスへの理解が必要という点での難しさもあったのですね。では4点目は?

岡本:4点目は、インフラのところですね。災害体制・ワールドワイドを見据えての2拠点サーバーの設立です。簡単にいうと、サプライチェーンという業界上、ワールドワイドのプロダクトである必要がある、また、リスクマネジメント・災害を扱っているのに自分たちが災害に弱かったら意味がない、というところから、インフラとして複数拠点でサーバーを動かさなくてはいけないというところです。

彌冨:例えば、関東で災害がおこったとき、お客様は関東の災害でどこのサプライチェーン上に影響があったのか・まだ動いてるのか、Resilire上で確認したいわけです。しかし、Resilireの社員も東京にいて、プロダクトも東京にあって、関東で起きた災害によってResilireも使えなくなりました、となってしまっては意味がなくなってしまいます。災害が起きてにっちもさっちも行かなくなったとしても、きちんとプロダクトは動いている状況を作ることが重要です。

そこで今やっていることは、東京と大阪に並行して2拠点にサーバーを立てているということです。普段は、東京近辺のユーザーは東京のサーバーに、大阪近辺のユーザーは大阪のサーバにアクセスしていて、しかし、どちらかで災害があった際にも、片方のサーバーにアクセスしてサービスを継続して使用することができるという、災害に強い体制を構築しています。

基本的にベンチャーは最初から2拠点でインフラ作るということはしないです。コストも労力も倍かかるので。しかしそれを今の段階から構築しているのがResilireの特徴です。これからのプロダクト開発に向けた布石としてもそういう体制をとっています。

譲れないこだわり 『グローバル』と『再利用性』を見据えた開発

— 世の中の課題に真摯に取り組み、難しいこと・挑戦すべきことがたくさんあるなかで"譲れなかったこだわり"があれば、ぜひ教えてください。

彌冨:最初からグローバルを意識する、というところです。Resilireは、小林製薬様、積水化学工業様といったエンプラ企業様にも利用していただいているのですが、彼らがサプライチェーンで関係している会社は、もちろん日本だけでは完結しなくて、海外にもいらっしゃいます。グローバルな大企業をお客様とするとなると、日本のお客様との契約だったとしても海外ともつながるし、そこから派生して海外のメーカー自体がResilireを使いたいと言ってくれる可能性もあります。そのようにして繋がった海外のユーザーにもResilireを使って欲しいと積極的に思っています。

サプライチェーンに挑戦するとなると、グローバルは絶対に見据えなくてはなりません。ですが、例えばブラジル・アメリカから日本のサーバーにアクセスすると遅延が生じるので、海外にもサーバーを立てる必要が出てきます。グローバルを見据える以上、海外で滞りなく使えるようにすることも重要であるため、今後複数拠点を持つことを最初から視野に入れています。

岡本:初めから東京・大阪の2拠点サーバーに挑戦しているため、インフラの基盤自体はやろうと思えばいつでもできる状態です。あとはコストやお客様ができれば拡大していけるし、国際化対応こそ、これから目指している世界線です。

彌冨:そして、今述べたことがこだわった点の一番であるとすると、2番目としては、「今のプロダクトで集めている情報が、再利用性が高いものであることを意識する」ということです。リスクマネジメントは、ビジネス上の一つのエントリーポイントとして認識しております。サプライチェーンの世界には、課題がたくさんあります。そしてそれらの課題一つずつに対応していきたいと思っています。

今のプロダクト上に入力していただいた情報を、次のプロダクトに活かしながらお客様の他の課題を解決するように、2つ目、3つ目と展開していきたいと思っています。そのために、今のプロダクトで集めている情報を再利用性が高いものにしておきたい、ということです。今後のプロダクトにおいてもスムースなユーザー体験が実現できるように今からこだわっている点です。

こんな人と一緒にReslireを作っていきたい

— 少人数でありながらグローバルな事業展開を目指していたり、新しいプロダクトを考えていたりと、やることが盛りだくさんですね。実際、開発体制はどうなっていますでしょうか?

岡本:常に人手が欲しい状態です。笑 ですが、採用でたくさん人を入れるための組織作りの準備が追いついていないのも事実です。

— なるほど。Resilireのエンジニアとして、どんな方にきてもらいたいですか?

彌冨:人手が欲しい状況ではあると思いますが、もちろん誰でも良いというわけではなく、Resilireのチャレンジを一緒にやりたい、楽しみたいと思ってくれる人。事業・プロダクトに熱狂的になってくれるエンジニアがいいなと思います。基本的に、急成長中のスタートアップはどれだけ人を足しても事業の成長に間に合わない。どちらかというと仕組み化してなるべく仕組みで担保し、自分たちはユーザーへの価値にコミットできるような体制を作っていきたいとも思っています。そういったところに共感してくれる人がいいですね。

岡本:自動化できるところを今のうちから自動化していて、その分お客様に向き合う仕事にリソースがさけるようにしています。そういう姿勢に共感してくれる、興味を持ってくれる人がいいですね。

— なるほど。Resilireの素敵な企業カルチャーに合う方とのご縁があることを願います。本日はありがとうございました!

最後に

Resilireでは、エンジニアを積極的に採用しています!
弊社の事業やプロダクト、開発について、もう少し詳しく知りたいという方は、エンジニア採用ページをご覧ください。

社会課題の大きい領域のプロダクトづくり、シード期スタートアップといった裁量が大きく、スピード感のあるフェーズに少しでも興味を持った方は、ぜひカジュアルにお話しさせてください!

岡本健のカジュアル面談はこちら

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