池戸万作@政治経済評論家・経済政策アナリスト

令和初の政治経済評論家です。日本経済復活の会・幹事、消費税増税の「リスク」に関する有識…

池戸万作@政治経済評論家・経済政策アナリスト

令和初の政治経済評論家です。日本経済復活の会・幹事、消費税増税の「リスク」に関する有識者会議出席、政治家に経済レクも行っています。ここでは経済や選挙などについて記事を書いていきます。 取材、執筆、講演、経済レクのご依頼はコチラまで→mansaku.ikedo@gmail.com

最近の記事

年次のGDP速報を受けて2022年と2023年のGDPを比較する

 去る2月15日に、2023年の年次GDPの速報値が発表されました。そこで、今回は2023年のGDPと前年の2022年のGDPを名目・実質のそれぞれで比較して、コメントを述べたいと思います。まずは名目GDPの方から。 名目GDP比較 国内総生産 +31.77兆円(+5.68%) 民間最終消費支出 +11.39兆円(+3.66%) 民間企業設備 +4.34兆円(+4.59%) 政府最終消費支出 +3.01兆円(+2.50%) 公的固定資本形成 +1.70兆円(+5.89%)

    • 京都市長選挙2024で福山和人候補に勝利の芽はあったのか?~出口調査の結果から各政党支持層別の推計票数を割り出す~

       去る2024年2月4日(日)に大激戦となった京都市長選挙が投開票を迎えた。この京都市長選挙は日本維新の会も参入して、一時は三つ巴の選挙とも目されていたが、維新から推薦を受け取っていた村山祥栄候補が政治資金パーティー絡みで失速し、終わってみれば、構図としては過去の京都市長選挙通りの親共産vs反共産陣営の戦いではあったと言えよう。  結果は自民・公明・立憲・国民から推薦を受けた松井孝治候補が177,454票を得て当選となり、共産党から支持を受けた福山和人候補は161,203票と

      • 山本太郎れいわ新選組代表の被災地視察の何が問題だったのか?

         元日に能登半島で発生した震度7の地震から僅かその4日後の1月5日(金)に、れいわ新選組の山本太郎代表が、最も被害の大きい自治体の一つである能登町に、国会議員として視察に訪れていたことが物議を醸し出している。  れいわ新選組支持者からすれば、被災してすぐに現地に駆け付けた山本太郎代表の行動を英雄視して称賛コメントで溢れる一方、アンチれいわ新選組の人々からは、まだ被災地は救助活動中であり、石川県側からも来ないで下さいと言われているのにも関わらず、即座に国会議員として現地視察に訪

        • 「国債発行は将来世代のツケ回し」という大ウソ~国債発行の制約は発行残高ではなく発行速度である~

           年に4回、季節の変わり目の風物詩として、財務省からマスコミを通じて発表される「国の借金が千数百兆円で過去最大!」という報道がある。この報道がなされる度に、世間一般ではもちろん、ネット界隈ですらも「国はこんなに借金をしてけしからん。将来世代にツケを回すのか!」といった言説が未だに絶えない。  しかし、こうしたリアクションは、実は大きな間違いなのである。  まず、第一に「国の借金が過去最大!」と聞くと、多くの国民はマイナスのイメージとして捉えるであろう。しかし、何も日本に限ら

        年次のGDP速報を受けて2022年と2023年のGDPを比較する

          インボイス制度は税金の役割に反する制度である~税金とは格差是正のためにお金を間引くものである~

           去る3月30日(木)に、衆議院第一議員会館で開催された「インボイス制度の中止を求める税理士の会」の集会に、私は政治経済評論家として取材させて頂いた。その集会の後には、衆議院第二議員会館前で行われた「STOP!インボイス」の街頭演説活動にも、4年前に「消費税増税のリスクに関する有識者会議」に最年少で参加した有識者として、マイクを握って、インボイス制度の誤りについて述べさせて頂いた。  インボイス制度とは端的に言えば、これまで免税事業者となっていた売上1000万円以下の個人事

          インボイス制度は税金の役割に反する制度である~税金とは格差是正のためにお金を間引くものである~

          無税国家は雑な論理だと言う無税国家不可能論に対して反論する~MMTの租税貨幣論の正しい捉え方で無税国家は論理的には実現可能である~

           私は兼ねてから無税国家は可能であるという主張を繰り返している。それに対して、無税国家は可能というのは雑な論理だとのお叱りの声を積極財政派からも頂いたので、今回はその声にお応えして、逆に積極財政派なのに無税国家不可能論こそ雑な理論ではないかということを述べていきたいと思う。  なお、良く勘違いされがちではあるが、私自身は、無税国家は可能であると言っているだけであって、決して無税国家は好ましいとは考えていない。何故ならば、税金とは政府の財源ではないが、税金は格差を是正するために

          無税国家は雑な論理だと言う無税国家不可能論に対して反論する~MMTの租税貨幣論の正しい捉え方で無税国家は論理的には実現可能である~

          たかまつなな氏の「老人ヘイト」を煽る動画に対して、経済財政の観点から真っ向反論する~社会保障政策は高齢者か若者かの二者択一ではない~

           高齢者に若者への煽り言葉を言わせる、たかまつなな氏の動画ツイートが炎上している。この動画は若者に対して老人へのヘイトを煽って、高齢者の好きなように政治を運営させないためにも、若者は統一地方選挙に行って意志を示そうというものである。  この動画に対しては、私自身は強烈な嫌悪感を覚えた。成田悠輔氏の「高齢者は集団自決すべき」発言もそうだが、昨今のテレビに出演するような若手論者による「老人ヘイト」は異常であると、ハッキリと警鐘を鳴らしておきたい。背後に何か仕組まれたものであること

          たかまつなな氏の「老人ヘイト」を煽る動画に対して、経済財政の観点から真っ向反論する~社会保障政策は高齢者か若者かの二者択一ではない~

          政治経済のコメンテーター業として、7月に出演した動画のURLをまとめてみました

          先月の7月には参議院議員選挙もあったせいか、過去最高レベルで様々な動画に出演しました。なので、レギュラーで出演している新経世済民チャンネル以外の出演動画を振り返ってみたいと思います。 ①ニューズ・オプエド安倍晋三元総理 銃撃【特集:どうなる!?今後の日本経済】池戸万作 原野城治 上杉隆 舟橋明慧 https://www.youtube.com/watch?v=ZQ0LsYvGK8U&t=2043s 安倍晋三元首相が亡くなったその日にニューズ・オプエドに初出演しました。本番

          政治経済のコメンテーター業として、7月に出演した動画のURLをまとめてみました

          2022年参議院議員選挙における各党の比例議席獲得予測~2021年衆議院議員総選挙をベースに試算~

           6月に入り、いよいよ参議院議員選挙の投開票まで1ヶ月と迫って来た。今回は参議院議員選挙の中でも、全国比例区にスポットを当てて、定数の50議席が各党にどのように配分されて行くのかを2021年の衆議院議員総選挙での比例票をベースに試算してみた。  また、その議席獲得の順番や、各党があと何票獲得すれば次の議席獲得となるのか、逆に何票減らしてしまうと議席数が落ちることになってしまうのかまで、合わせて試算した。 0.衆議院議員総選挙における各党の比例票数と得票率 まずは、昨年の衆議

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          2022年参議院議員選挙における各党の比例議席獲得予測~20…

          山本太郎やれいわ新選組が「嫌いな人」にこそ水道橋博士を支持して欲しい~参議院全国比例区の仕組みを説明する~

           5月26日にお笑い芸人の水道橋博士が、れいわ新選組公認で「参議院全国比例区」から出馬することを表明した。選挙区からの立候補ではなかったので、これにより7月10日投開票予定の参議院議員選挙において、全国どこからでも比例票で「水道橋博士」に投票することが出来るようになった。私が水道橋博士を支持する理由については最後に述べる。  さて、ツイッター等を見ていて、彼を応援する周囲の方々は参議院全国比例区の仕組みをあまり良く理解していないのではないかと感じたので、まずは参議院全国比例区

          山本太郎やれいわ新選組が「嫌いな人」にこそ水道橋博士を支持して欲しい~参議院全国比例区の仕組みを説明する~

          積極財政の政権を実現する方法を選挙結果から考察する~緊縮財政の自民党ではなく、「金を出す自民党」が必要だ~

           今回は日本で積極財政の政権を実現する方法を現行の選挙制度やその結果、傾向を踏まえて考察して行きたい。  端的に言えば、自公政権で積極財政を主張する総理大臣が誕生すれば早い話だが、しかし仮に誕生したところで、自民党内の緊縮財政派の国会議員や財務官僚に邪魔されて、積極財政は骨抜きにされてしまうであろう。なので、私は既存の「自公政権」という枠組みでは、もはや積極財政の政権は見込めないのではないかと考える。  一方で、では野党政権を樹立すれば良いかと言えば、これに関しては絶望的なま

          積極財政の政権を実現する方法を選挙結果から考察する~緊縮財政の自民党ではなく、「金を出す自民党」が必要だ~

          「ベーシックインカムを配ったら働かなくなる」という俗論のウソ~働かなくなるか否かは給付金額で決定される~

           今回は先日公開された加谷珪一氏に反論する動画の中でも少し取り上げた、ベーシックインカムに関する「誤解」について、解いで行こうと思う。  積極財政派の方々であれば、ほとんどの人は消費税廃止には賛成する一方で、毎月一定金額を全国民に給付するという、ベーシックインカムに関しては、かなり反対の声が根強い。私の肌感覚では積極財政派でも7~8割方の人々が反対しているかのような印象を受ける。  代表的な論拠としては、ベーシックインカムを配ったら社会保障費が削減されるとか、竹中平蔵(パソナ

          「ベーシックインカムを配ったら働かなくなる」という俗論のウソ~働かなくなるか否かは給付金額で決定される~

          反緊縮保守の政治団体を国政政党にする必勝法~お金と選挙戦略で必ず国政政党化はできる!~

           今回は反緊縮保守の政治団体を如何に国政政党化するかについて述べて行こうと思う。結論を言えば、正しい選挙戦略に基づき、お金の力によって候補者を全国各地に擁立して行けば、国政政党化は十分可能だと考える。その方法をナント!無料で公開して行く。もし宜しければサポートや、私の論文が載っている著作を購入して頂ければ幸いである。  なお、私自身は、外交安全保障はハト派なので、核武装論などタカ派の主張には相容れない部分も多いが、来たる次回の衆議院議員総選挙で、自民党の緊縮財政派を落選させて

          反緊縮保守の政治団体を国政政党にする必勝法~お金と選挙戦略で必ず国政政党化はできる!~

          山本太郎れいわ新選組代表の参議院議員選挙の選挙区出馬を強く支持する~出馬する選挙区の考察~

           4月15日、れいわ新選組の代表である山本太郎衆議院議員が議員辞職を行った。この議員辞職に対しては世間一般には批判の声もあるが、私は「全く問題ない」と考える。何故ならば、先の衆議院議員選挙では「山本太郎」と書かれた票は1票も入っていない、得票にカウントされないからだ。あくまでも得票に入っているのは東京都内における「れいわ新選組」と書かれた票だけである。  また山本太郎代表が議員辞職しても、その議席は同じれいわ新選組内の候補者であった櫛渕万里候補に譲られるだけであるから、れいわ

          山本太郎れいわ新選組代表の参議院議員選挙の選挙区出馬を強く支持する~出馬する選挙区の考察~

          日本の国の借金1000兆円は少な過ぎる!~日本の経済学者は他国の債務残高を知らない~

           私は新経世済民新聞チャンネル上で「打倒!緊縮財政」というコーナーを担当しており、毎週木曜日夜8時より、動画を公開している。さすがに、1年4ヶ月もやっていると、緊縮財政派の「手口」も良く分かって来ており、だいたいいくつかのパターンに分類されるものだ。  今週取り上げた、小林慶一郎氏は、現在新型コロナウイルスの分科会のメンバーも務めており、政府の経済財政政策への影響力も大きい人物とも言える。こうした政府の有識者である人物が、「日本の国の借金は多過ぎる」「このまま増え続けると円の

          日本の国の借金1000兆円は少な過ぎる!~日本の経済学者は他国の債務残高を知らない~

          債務対GDP比率など名目GDPを増やせば改善する単純な指標だ

           久しぶりのnoteとなるが、今回は昨今の財政健全化論のバカげた数々の話に対して、正直ムシャクシャして腹が立っていることもあり、記事を書いてみた。これから書く話は、ハッキリ言って小学生でも理解できる話だ。しかし、こんなことも理解出来ないのが、今の日本社会の大人たちなのである。  良く「日本は財政危機だ!」「このままでは財政破綻する!」と言っている人達が持ち出す指標として、「債務対GDP比率」というものがある。具体的には下記のグラフだ。  このグラフを持って、諸外国の中でも

          債務対GDP比率など名目GDPを増やせば改善する単純な指標だ