不器用な人へ ~発達性協調運動障害とその対策 ~
noteを見ていただいて、ありがとうございます。注意欠如多動性障害(ADHD)・精神障害者手帳2級で博士(生命科学)のred_dash です。
先日、オンライン飲み会をやってみました。遠方の友人と久々に顔を合わせられると、ストレスも吹き飛びますね。最近はやりなので、既に試していらっしゃる方も多いかと思います。
さて、これまでに感覚過敏と感覚鈍麻について取り上げました。感覚過敏とは簡単に言えば「特定の感覚に対して過剰に反応してダメージを受けやすい性質」です。感覚鈍麻とは「特定の感覚に鈍感で気づきにくい性質」です。前回は特に、体性感覚の過敏と鈍麻について取り上げました。
感覚過敏や感覚鈍麻が原因の一つとなって、身体をうまく扱えない人がいます。いわゆる『不器用な人』です。専門用語ではこれを発達性協調運動障害と言います。
発達性運動協調障害は健常者にも見られますが、特に発達障害の人に多い傾向があります。例えば、ASDの人は79%、ADHDでは55%の人が発達性運動協調障害を示すとの報告があります。
たとえば、こんな経験はありますか。
・ハサミでまっすぐ紙を切れない
・靴ひもが結べない
・平均台がうまく渡れない
・何故かあちこちに身体をぶつける
心当たりがある方は、協調性運動障害かもしれません。私は中学生になっても靴ひもがうまく結べず、定期的に担任の教諭から『靴ひもがほどけている』と指摘を受けていました。
当事者のできる対策ですが、これも協調性運動障害に適した道具を使うのがいいでしょう。例えば、靴ひもが解けやすいならば『ほどけにくい靴ひも』を普段から使えばよいのです。具体的には、下記のゴムの靴ひもがオススメです。
私は、自分の靴のひもはこれに置き換えています。
ハサミの使用に困難があるようであれば、こんな商品もあります。
便利な道具をつかって、快適な日々を過ごしたいものですね。それでは、よい1日をお過ごしください。
※前回の記事はこちら
※本記事は、red_dash が2020年4月27日現在までに収集した情報に基づき作成されていますが、情報の正確さを保証するものではありません。
※発達障害には個人差があります。必ずしも紹介した全ての事項が当てはまるとは限りません。いくつか当てはまる症状があった場合、心療内科や精神科に相談して医師の診断を受けてみましょう。
※リンク切れ、事実と異なる記載など、お気づきの点を発見された際はどうぞコメントからご連絡ください。
参考
Green, Dido, et al. "Impairment in movement skills of children with autistic spectrum disorders." Developmental Medicine & Child Neurology 51.4 (2009): 311-316.
松田 雅弘, 新田 收, 古谷 槇子, 楠本 泰士, 小山 貴之 幼児期における運動の協調性と感覚異常の関連性の検討 理学療法学 45. 4 (2018): 248-255
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