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未経験で"農業"をしてみて感じたギャップ(後半)

こちらは後半になりますので、まだ前半を読んでいない方は、よろしければ前半を読んで頂けると嬉しいです。

それでは後半も書いていきます。

やっぱり暑い寒いは当たり前

太陽の下で身体を動かす、、と前述しましたが、暑い日は暑くて、寒い日は寒いです。
当たり前のように聞こえますが、本当にそうです。

夏は熱中症との戦いになります。
気をつけてこまめに水分補給をしながら作業をするのですが、夕方ごろに頭が痛くなるなんてことは多々ありました。
そしてすごい勢いで日焼けしていきます。
大人になって日焼けをすることが減ったので改めて実感しましたが、日焼けは火傷です。
日焼け対策は必須です。

そして寒い時でも農作業はあります。
寒くて雨でも野菜たちにとっては関係ありません。
弊社では根菜類は洗ってから販売しているのですが、霜焼け、あかぎれは当たり前です。
意識が手に行かないように心を無にしてとにかく野菜を洗います。

もちろん自分も人間ですから、正直暑いから(寒いから)畑に行きたくないなぁと思う日もありました。

農薬は撒くのも大変

REPOC FARMではお取引しているお客様の要望で基本的には栽培期間中に農薬を使用しておりません。

雑草は手で抜き、虫は手で除去するというやり方で世話をしておりましたが、ある日突然じゃがいもの葉っぱが萎れてしまいました。
畑の端から何かが侵食するように葉っぱが萎れていき、半分以上が茎のみになってしまいました。

調べたり詳しい方に聞いた結果、疫病にかかってました。

じゃがいもを全て見捨てるか農薬を使うか検討した結果、じゃがいもに関しては農薬を使うという結論に至りました。

農薬を買いに行き、噴霧器と防護服とゴーグルを買い、、
農薬を希釈し全じゃがいもに噴霧しましたが、丸2日かかりました。
噴霧器を担ぎながらの噴霧でしたので肩はパンパンになり、体力的にとても辛い作業でした。

農薬は使っても使わなくても一緒なら、わざわざお金と時間をかけて使う人はいないと思っております。いや、いないでしょ。
自分の畑をきれいにしても、周りが雑草だらけであれば虫などが来ます。
農薬を使う・使わないに関してはかなり難しい判断なんだなと実感しました。

農業やりながら田舎でスローライフって言い出したのは誰?

これ本当に謎なんですけど、色々な人と話すと一定の割合で農業やりながら田舎でスローライフがしたいって言っている人がいるのですが、最初に言い出したのは誰ですか?

"農業"は仕事です。
利益を出していかないと、継続して農業を続けることはできませんし、生きていけません。

仮に一ヶ月20万円収入がないと生きていけないとして、
めちゃくちゃ簡単に考えても一ヶ月に100円の野菜を2000個売ってやっと20万円です。

もう少し直売所ベースで詳しく書くと、

販売手数料が大体15-25%なので、平均の20%だとしても100円の野菜を1つ売ったら手元に入るのは80円です。

そしてさらに売り場に野菜を裸で放り出すわけには行かないので、袋代やバーコード代もかかります。
合わせて1セットあたり5円だとしても、
100円から販売手数料20%と袋、バーコード代5円で75円になります。

そうすると20万円手に入れるためには100円の野菜を約2700個売らないといけません。

上記の時点で2700個/30日で一日90個の野菜を売り続けないとなりません。

また、売り場に出した野菜が必ず毎日売り切れるわけではなく、何割かは売れ残りが発生しますし、直売所への輸送コスト(ガソリン代・人件費)もかかりますし、もちろん種代、肥料代、農業資材代等もかかります。

30日で計算しているので、週休2日取りたいなら、1日あたりの販売個数はもっと増えます。

その上で、収穫を控えた野菜が獣害や寒波等で全滅することもありますし、去年たくさん売れた野菜が今年は他の農家さんと被って値下げ競争になってしまうこともあります。

毎年環境が変わる自然を相手に、何をどうやって育てて、どうやってどれくらい売ればいいのかを考えつつ、土づくり・播種・栽培・収穫・梱包・配送をしていき、なぜ上手くいったのか、いかなかったのかを検討して実行に移すと考えるとなると、まさにPDCAの考え方が必要なんですよね。

ただ、これって農業に限ったことではなく、ほとんどの業種に言えることだと思うんですよね。
そしてよく考えたら当たり前なのですが、もちろん"農業"も"仕事"ですからね。

"仕事"に対して、ゆっくりスローライフがしたい!では上手くいくものもいかないよってことです。

最後に

自分自身、農業に対して考え方が甘かったこともあり、”思ったより大変!”と思うことが多々ありました。

前半でも書きましたが、そもそも経験したことのない領域でお仕事をするというのは負荷がかかります。
技術も経験もなく、作業におけるルーティンも確立されていないので。

ただ、農業をやっていて、辞めたいと思ったことは一度もないです。
大変に感じたことをたくさん書きましたが、どの理由も自分にとっては"農業”を辞める理由にはなりませんでした。

"大変"だけど、それを上回る楽しいことがたくさんあります。

農業にチャレンジできて本当によかったと思っておりますし、農業を選んだことに対しては一つも後悔をしておりません。

失敗に関しても、"失敗ではなく、成功しない方法が分かった!"と捉えて、失敗する要素を潰していく作業はとても楽しいです。
失敗する要素がなければ成功しますしね。

思考錯誤しながら農業をしていて感じたのですが、農業って成功体験が積みやすい業種だと思うんですよね。

色々試しながら、上手に野菜が出来たら嬉しいですし、野菜を買っていただいたり、お客様に褒められたらとっても嬉しいです。

自分が育てた野菜が食卓に並ぶと、まさに"ご馳走”です。

そして、やっぱり太陽の下で体を動かすのは非常に気持ちがいいです。
よく寝れると気分がいいです。

この記事を読んで、"農業をやってみたい!"って思った方がいたら是非体験をしにインターンに来てみてください。
やってみないとわからないことがたくさんありますからね。

REPOC FARMが一人でも持続可能な農家さんの誕生のきっかけになってくれたら嬉しいです。

こうしている間にも耕作放棄地は増えていますからね。

読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。



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