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オブジェクト指向とは?身近な例でわかる、私たちの生活や仕事を支える重要な考え方

プログラミングやアプリ開発の話を聞いていると「オブジェクト思考」という言葉をよく耳にすることがありませんか?でも、「なんとなく聞いたことはあるけど、具体的に何なのかよくわからない」「それが自分の生活や仕事にどう役立つのかピンと来ない」という人も多いのではないでしょうか。

この記事では、オブジェクト指向とは何かを簡単に説明し、その考え方がどのように生活や仕事に役立っているのかを、具体例を交えながらお伝えします!

オブジェクト指向とは?

オブジェクト指向とは、一言で言えば「物(オブジェクト)」を中心にして物事を整理して考える方法です。

例えば、ゲームの世界をイメージしてください。ゲームにはプレイヤー、敵キャラクター、アイテムなどいろいろなものがありますよね?オブジェクト思考では、それぞれの「物」に役割や特徴を割り当て、パーツごとに分けて設計します。

ゲームの例
・プレイヤー:動く、攻撃する、体力がある
・敵キャラクター:近づいてくる、攻撃する
・アイテム:拾われると体力を回復する

これらの「物」がそれぞれ自分の役割を果たしながら、ゲーム全体がスムーズに動くように設計されるのがオブジェクト指向です。

身近な例で理解するオブジェクト指向

オブジェクト指向は、プログラミングだけでなく、会社や組織運営の仕組みにも似ています。

全社で全員が動く状態(オブジェクト指向じゃない状態)

もし会社全体で部署を分けず、全員が同じルールのもとで動いているとどうなるでしょう?どんな業務を誰が担当するのか曖昧になり、何かを変更するたびに全社員に影響が出てしまいます。これでは効率が悪いですよね。

部署を分けた状態(オブジェクト指向的な考え方)

一方、会社を「営業部」「開発部」「経理部」などの部署ごとに分ければ、各部署がそれぞれの役割を持ちながら、全体としてうまく動く仕組みになります。例えば営業部のルールを変更しても、開発部には影響を与えません。これがオブジェクト指向の考え方に近いのです。

具体的にどんなところで使われているの?

オブジェクト指向は私たちの生活や仕事を支えるあらゆる場所で使われています。以下はその一部の例です。

1. デザインツール(Figmaなど)

Figmaの「コンポーネント機能」は、オブジェクト指向を活用したものです。例えば、ボタンやアイコンを「コンポーネント」として作れば、同じボタンを別の画面でも使い回せます。さらに、元のデザインを変更すれば、すべての画面に変更が反映されるため、効率よくデザインが進められます。

2. フロントエンド開発(Reactなど)

Reactというフロントエンドライブラリでは、UIを「コンポーネント」という小さなパーツに分けて作ります。例えば「ボタン」や「ヘッダー」など、画面の構成要素を独立して作り、それぞれが再利用可能になります。これにより、変更が簡単で、複雑なアプリでも管理がしやすくなります。

オブジェクト指向のメリット

オブジェクト思考を取り入れることで得られるメリットを整理してみましょう。
1. 再利用性
一度作ったものを他の場面でも使い回すことができるので、作業効率が向上します。
2. 変更のしやすさ
部分ごとに独立しているため、特定の部分を変更しても全体に影響を与えません。
3. 管理のしやすさ
構造が明確なので、大規模なシステムでも整理しやすく、トラブルも早く解決できます。
4. スケールしやすい
新しい機能や部分を追加しても、既存の仕組みに影響を与えずに拡張できます。

なぜオブジェクト指向は重要なのか?

現代のソフトウェアやアプリ、さらには組織の運営において、複雑さを管理することが重要です。オブジェクト指向は、この「複雑さ」をシンプルに分けて整理するための強力なツールです。

あなたがプログラミングをしない場合でも、デザインや仕事の仕組みづくり、さらには生活のあらゆる場面でオブジェクト指向の考え方は活用できます。

余談:動的計画法とオブジェクト指向の似ているところ

実は、私が研究している「最適化アルゴリズム」の分野にも、「動的計画法」という手法があります。動的計画法では、問題を小さな部分問題に分け、一度計算した結果を覚えておく(メモ化)ことで、同じ計算を繰り返さず効率化を図ります。

これもオブジェクト指向の「一度作ったものを再利用する」という考え方と似ています。
たとえば、フィボナッチ数列を計算する場合、すでに計算済みの値を再利用することで、無駄を省き、全体を効率よく処理できるのです。

このように、オブジェクト指向の考え方は、プログラミングやアルゴリズムの効率化にも通じる部分があるのです。

まとめ:オブジェクト指向は私たちを支える考え方

オブジェクト指向は、単なるプログラミングの技術ではなく、「物事を分けて整理し、効率よく動かす」ための基本的な考え方です。それはゲームやアプリだけでなく、組織運営、デザイン、最適化アルゴリズムなど、さまざまな分野で活用されています。

次回、アプリやツールを触るとき、「これがオブジェクト指向の考え方なのかも」と思ってみると、新しい発見があるかもしれません!

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