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アートのルール

◆アートのルール

アート業界には作り手、買い手、売り手、美術館、4つの立場にそれぞれルールがあるみたい。ざっくり説明するとこんなかんじ!

【作り手のルール】
・世界史、西洋美術史の教養を身につけた上で美術史の文脈に則った作品を作ること
→逆に言うと文脈に則っていない作品は永遠に趣味の領域であり純粋芸術とは認められない。
・人の目を離さない構図で作られていること
→ピカソもフェルメールもずっと見ていても飽きない理由に構図(絵全体の構成)を押さえて人の目の動きを科学的に捉えているから。
・時代を超える作品を作り出し、後世に残すことがアーティストの共通目的
・自分の人生全てを作品制作に賭ける覚悟があること
・センセーショナルな道化師であり続けること
・アートに関わる全ての人と柔軟なコミュニケーションを取ること
・どんなに有名になっても社会的ヒエラルキーの一番最下層だと認識すること

アーティストの適性
・3年以上飽きずに毎日作品制作に打ち込める人はアーティストの適正がある
→逆に言うとこれができない人は趣味の領域のままのほうが幸せ

【買い手のルール】
・「好きだから買う」が一番の理由であること
・即転売はご法度
→作品の価値を最大限に高める前にオークションで売ってしまうのは作者の価値も下げてしまう。即転売する顧客はブラックリストに載る。
・マーケットの種類のプライマリー(ギャラリー)とセカンダリー(オークション)の特徴を理解すること
・購入はなるべく作家に会って決めること
・沢山の作品を足を運んで生で鑑賞して、観て観て観まくること。決して「感動する」などのやすい言葉を連呼するんじゃなくて、言葉にしなくてもいいから作品をとにかくたくさん観ること。
・最初はまっさらな気持ちで作品と一対一で対面して、体で感じる楽しさを味わうこと
・美術史の教養を楽しみながら学んで、美術史の文脈に対する作者の意図を体感すること

メリット
・作品を愛でる生活は最高の至福となる
・コレクションを通じて作家、ギャラリー、コレクターの三組で未来に作品を繋ぐ一つのチームとなれる。
・コレクター同士の交流はアート好き同士のオフ会のように楽しめる
・コレクションはハイヒエラルキーの人々にとって満足度の高いライフワークになり得る

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【売り手のルール】
・世界史、美術史、その他一般教養と専門知識を身につけていること
・資本主義のルールに則り、利益向上を常に目指すこと
・時代を超える作品を発掘し、作品の価値を最大限に高めること
・後世のために作品情報を書物に書き残すこと
・買い手へのおもてなし精神を常に心得ること

【美術館のルール】
・人類史に残すべき価値ある作品を永久に保存し広く一般に知ってもらい、教養の一部として芸術に触れてもらうことが最大の目的
・美術館への貯蔵は多くのアーティストとコレクターにとって最大の栄光
→一部のアーティストは美術館の倉庫に保管されることを嫌って別の表現方法で作品を残すこともある
・富裕層の心をガッチリ掴むこと
・米国の有名美術館館長は最高の名誉職
→米国は王室がなく勲章などがもらえない代わりにとして、美術館館長や美術館への寄付者が名誉となる

参考書籍
・現代アート超入門! 藤田令伊
・想像力なき日本 村上隆
・その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる 小山登美夫
・感性は感動しない 美術の見方、批評の作法 椹木野衣
・アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻 アートの価値はいかにして生まれるのか? 後藤繁雄
・巨大化する現代アートビジネス アート界を牛耳る100人とは? ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール
・巨大アートビジネスの裏側 誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのか 石坂泰章
・アートの入り口 河内タカ

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