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幸福の資本論 橘玲 by エシモの備忘録

幸福の資本論
あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
橘玲

◆この本から得たい知識
・現代の幸福とはなにかを知りたい
・幸福を得るにはどんな方法があるか知りたい
・具体的な行動手順を知りたい

◆この本から学んだこと
・現代の幸福とはなにか
幸福な人生は以下の3つのポートフォリオから形成される。
❶金融資産(株、債権、不動産)
❷人的資本(労働)
❸社会資本(家族、恋人、友人)
この3つのうち、一つも無いと貧困となる。

・幸福を得る最適な方法
幸福な人生を送るポートフォリオを以下のように割り切ると現代に合う幸福を感じられる。
❶金融資産 (インデックス株の積立投資)
❷人的資本 (幼い頃のグループで演じた役割を思い出し、労働力を好きなことだけに集中投資してフリーエージェントになる)
❸社会資本 (家族以外は切り捨てて、趣味友などは貨幣空間で補う)

・具体的な行動手順
❶金融資産
毎月収入の10〜15%をインデックス投資に回し、経済的独立を目指す。

❷人的資本
20代ならば、35歳までに
⑴好きなことに人的資本のすべてを投入する
⑵好きなことをマネタイズできるニッチを見つける
⑶官僚化した組織との取引から収益を獲得する

❸社会資本
強いつながりを家族や恋人に最小化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて趣味の会費などのお金で解決する。

◆備忘録
・お金が幸福度を下げる
→お金のことを考えすぎると不幸になる
→お金の心配がいらない人は幸福である
etc.家賃、授業料、給食費どうしよう…

お金と幸福の関係
❶年収800万、世帯年収1,500万円までは収入が増えるほど幸福度は増す
❷金融資産1億円までは、資産額が増えるほど幸福度は増す
❸収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる

・マイナス金利の世界では、賢い人は利潤を最大化するために金融資産よりも人的資本を有効活用する、すなわち「働く」のです
→働け

・自分でインデックス株に積立投資しろ
→月の収入の10〜15%

・経済合理的に倹約しろ
→収入を増やすよりコストを下げる方が簡単に貯金できる

・倹約マインド
同じ結果を得られるのなら、安ければ安いほど良い
→資本主義の技術革新もこの顧客マインドから生まれる

自己実現とは
・人的資本からより多くの富を手に入れる
・人的資本を使って自己実現する

・拡張可能な仕事でクリエイターとして成功せよ
→ミレニアル世代で一番尊敬される職
ex)テクノロジーを利用して安価にコンテンツを複製できる職業(YouTuber、映画俳優、小説家、マンガ家…)

・口コミ評価制度がネット間売買の信用度を格段に上げた。初めは安い商品で多くの高評価を得ると、だんたんと高い商品も売れるようになる

・うつ病の原因は長時間労働ではなく、ミスマッチと分かっても中々やめられない日本の雇用制度に問題がある

・プロフェッショナルではなくゼネラリストを量産する日本は今後のリベラル社会にはついていけない。差別的国家とみなされるリスクもある。
→グローバル企業は国籍関係なく優秀な人材を合理的に高給で雇うため生き残れる

・人類は他の同性と差別化(キャラ化)して優位性を示すことで自分の子孫を残してきた。現代で自分のキャラを伸ばしてスペシャルになるためには
「好きなことに人的資本のすべてを投入する」しかない。これができないから日本人の労働者は会社がとても嫌いなのだ。

・凄む場所を変えろ
→みんなが行かないニッチな場所を確保せよ

・弱者の生き残り戦略
❶ニッチを見つけよ
❷大量生産に適さない仕様を流通させよ
→自分のキャラは誰にも真似できない
❸変化を好め。パイオニア(開拓者)であれ

・プロフェッショナルが組織に対して優位性を持つようになるのが知識社会の必然。

・収益の最大化と自己実現を両立する方法
⑴好きなことに人的資本のすべてを投入する
⑵好きなことをマネタイズできるニッチを見つける
⑶官僚化した組織との取引から収益を獲得する

・老後問題とは老後が長すぎること
・老後とは
→人的資本をすべて失った状態

・人生100年時代の人生戦略はいかに人的資本を長く維持するかにかかっている
→好き、得意を仕事にする以外に生き延びることのできない残酷な世界になった

・幸福は社会資本からしか生まれない
→人とのつながり

・狩猟採集で生き延びてきた人間は群なくして生きられなかったため、群の中にいると幸福を感じられるようにプログラムされている

・3つのつながる世界
❶愛情空間(政治空間)
❷友情空間(政治空間)
❸貨幣空間

人間関係の主観的な重みは愛情空間80%、友情空間18%、貨幣空間2%

客観的な範囲は政治空間1%、貨幣空間99%
→人は顔の見えない他人と貨幣を通して繋がっている。コペル君的な見方

嫌われることを恐れる日本人は、政治空間が大嫌い。それに対し弱いつながりでできた貨幣空間は個人として振る舞えるので居心地が良い。

・新しい仕事や住む場所を決めるときには「私の幸福に最も貢献してくれる人たちはどこに住んでいるか」を考慮すべきだ

・幸せな人と友人になり、不幸な人とは縁を切りなさい
→感情は伝染する

・悟りは買える時代
人間関係から生じる煩悩から瞑想で自由になることを悟りというが、すべての社会資本を政治空間から貨幣空間に置き換えれば悟りは得られる
→ソロ充、独身貴族

・本当の自分とは幼い頃に友達グループの中で選びとった「役割=キャラ」の別名である

・ひとは、自分と似ている人からの助言がもっとも役に立つ

◆エシモの所感
橘玲さんの著書を初めて読んでみたけど、私情を挟まず割り切った感じがスッキリしてて良かった。

「幸福」っていかにも抽象的な言葉だけど、根本は不自由な状態から自由になる過程のことを指すのだと思う。

これから日本の企業がじわじわと衰退していくと、今までしがみついてきたゼネラリストのプロパー社員はクビ…かな?クビにされても、他では使えないから露頭に迷うのでベーシックインカムおなしゃす…。でも日本の企業自体に体力がなければベーシックインカムもできないかもね。

んー、大卒からの大企業コースは死に直結しそうで可愛そう。なんのために義務教育からまじめに勉強の時間を割いてきたんだか…

それで今更、子どもの頃のキャラを思い出して好きなことに人的資本のすべてを投入しろって言われても諦めちゃう人が多そうだなぁ。

でもせっかく恵まれた先進国に生まれたわけだし、一度きりの人生だし、これからはいくらでも拡張可能なサービスが増えるだろうし、橘玲さんが示してくれたポートフォリオを獲得するために人生使った方が、大企業や公務員でミスマッチに苦しみながら耐え続けるよりは、今の時代にあっていると思う!

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