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自分自身はそこらへんのそいつらよりも愚かではない、愚かなはずがないと思っている。しかし時々それも怪しくなる。そしてその度に、そこらへんのそいつらはより酷いのだ、と自分自身に言い聞かせる。

愚かな生き物である人間は同じミスを何度も何度も繰り返す。

俺自身はそこらへんのそいつらよりも愚かではない、愚かなはずがないと思っている。しかし時々それも怪しくなる。そしてその度に、そこらへんのそいつらはより酷いのだ、と自分自身に言い聞かそうと努める。


夕方のボディコンバットをビシッと終えて汗を流そうとシャワー室に向かう。

シャワーは入り口から奥に向かって左右に5つずつあり、各々が半透明のプラスティックの板で仕切られている。そのうちの水圧の高いズバズバお湯が降ってくるやつを取ろうと急ぐ。

日本のようにどの仕切りに入っても同じ水圧のお湯が出てくると思ったら大間違いである。いい感じで圧がかかった湯は2か所しか出ず、それに準じるのが2か所。あとのはちょろちょろでシャワーを浴びた気がしない。

ラッキーなことにお目当ての磨りガラス、もとい磨りプラスティックの仕切りの向こうに人影なし!よっしゃと思ってそこに向かった俺の視覚の左上隅に…赤いもの…。仕切りの枠にひっかけられたパンツ。

ああ、パンツ忘れるお馬鹿さんっているんだな。

そう思いながら仕切りの中に入る。そして脱いだパンツを引っ掛けようとすると、俺がいつもパンツを引っかけるまさにその位置にその忘れ物の赤いパンツがあるではないか。

あれ、待てよ。

そのまま眼を凝らしてみる。
見たことのある色感。
ILDの文字も確認できる気がする。

あれえ、ちょっと待てよ。うーん、どうしよっかなあ、
っとためらいながらも、ちらっと指でパンツの端を動かしてみる。
タグがピロンと現れる。Mサイズ…。そして日本語…。まじか…

今朝のトレーニング後のシャワーのときに脱いだもの、真っ赤なパンツをそのまま仕切りの上に放置してきていたのである(朝もそこを使えたのだ)。

数十秒前に脳に浮かんだ「パンツ忘れるお馬鹿さん」は俺自身であった。一体何度目何か、もう分からない。

犬や猫でも、いや、おけらだってあめんぼうだって、そう何度も何度もシャワー室に自分のパンツを忘れたりはしない。

あらためて自分という人間について考えさせられた。

しかし明確にするためにはっきりと言っておくが、
今度はユニクロではなくBodyWildである。
(どうでもいい…)

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