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伊藤さん

歳をとると、なのかどうかわからないが、なかなかきちんとしたダメ出しをしてくださる方がいなくなる。

伊藤さんは俺のことを本当によく見てくださっていて、何かにつけてダメ出しをくださる。とても貴重な存在である。稀有な存在と言っても構わない。何? け有? 毛… 有…? いやいやいやいやいやいやいやいや。 ここ、カットでお願いします。 えっ、カットできない?なんでよ? ないから? 何が? おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!! バカバカバカ!! 俺のバカ!  はい、失礼しました。

ダメだし、ダメ出し、だダメ出し。合わせてダメダメ、だダメダメ。ダメ出しばっかりだ。でもそれは致し方ない。俺にダメなところが沢山あるからだ。身長がウルトラマンより低かったり、仮面ライダーに戦闘で一度も勝ったことが無かったり(俺は書っ家ーだ)。

さて、伊藤さんと俺は一体どんな縁があるのかと言えば、特にそんなに畏まったものはない。

伊藤さんが浜辺で村の子供たちにいじめられていたのを、俺が助けてあげて、竜宮城に連れていってもらったのだ。

あ、いや、俺が桃から生まれて鬼退治にいくときにお尻の真っ赤っかな伊藤さんをキビ団子でナンパしたんだっけか?

いやいやいや、足柄山で相撲の稽古をしてコテンパンにしたあとで、またがってお馬の稽古をしたかもしれない。

あれ~、舞踏会で落としたガラスの靴の持ち主を探したとき、唯一その靴がピッタリ入ったのがピンクのドレスを着た伊藤さんだったか、はたまた、7人の小人にせがまれて行ったときに花だらけの棺のなかで例のあのドレス姿の伊藤さんが魔法使いに毒リンゴで心臓停止されていたんだったか…

いやいや、「もと光る竹なむ一筋ありける。」と係助詞「なむ」がきたせいで結びが連体形になってしまっている、係り結びの法則が適応されてしまった竹の中の光る物体だったか…

歳をとると、なのかどうかわからないが、なかなかきちんとした記憶がなくなってしまう。

ただ、ノースブリッジの「東京マート」さんの看板。
あの上のマークのデザインは伊藤さん。その下の文字は拙作。
なんと本人たちの全然知らないところでコラボレーションをした仲なのだ。

これを縁と言わずしてなんと言おう。おお、そうだな。何とでも言える。偶然?たまたま?神の気まぐれ?好きに言えばいい。そんなの知らん。

しかしだ。
よく考えてみたら、俺はいつもダメ出しばかりで褒められた記憶が無い。

歳をとると、なのかどうかわからないが、なかなかきちんとしたお褒めの言葉をもらった記憶がひとかけらもないではないか。

うーん、いいのか悪いのか、歳はとりたくないものである。

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<72歳。癌手術後5ヶ月後リハビリチャレンジスタート>

福岡県豊前市よりだい~~ぶ田舎の、山形県米沢市のご出身です。

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