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今日はアンザックデーでオーストラリアは祝日。この日は「日本人は家でおとなしくしてろ」と警告される日だった。

今日はアンザックデーでお休み。土日合わせて3連休。

さて、アンザックデーというのは… 昔は「日本人は家でおとなしくしてろ」と言われる日だった。英語学校に通っていたときにも前日に言われたものだった。
当日は友達の車で信号待ちしてたときに、生卵をぶつけられたこともあった。

時代はちょっとは変わったはずだが、今はどうなのだろう。

ときは1700年代の初頭、ブルーマウンテンの麓で大量の金塊が発見された。まあ、これがゴールドラッシュってことで、世界的に大ブームになっちゃって…ってのは世界史の教科書にも載っていたのでご存知のことだと思うけど。

その金塊を一番最初に見つけたとされるのが、当時イギリスから派遣されたザック提督。彼は罪を償うためにこの大陸で働いていた人たちを使って金を掘り続けたんだな。(俗に小判が「ザックザック」って言うじゃん。昔話とかで使われてるやつ。語源はこれ。あ、関係ない話で申し訳ない。)

さてさて、その大金持ちになった提督には娘がひとり。名前はマリー。少女は何不自由なく生活していたんだけど、そんな彼女に恋の相手が登場するんだな。

名前は佐吉。そのころアジア各地には朱印船貿易で活動する日本人町があって、有名どころではシャム(現タイ)の山田長政が国王の側近として活躍したりする(一説には山田長政は白人より先にオーストラリア大陸を発見したとされる)んだけど、佐吉はその朱印船貿易で商用のためにオーストラリアに立ち寄った商人の番頭だったか、小僧頭だったか、まあそんな感じの若者。英語に堪能な優男だったらしいけど、そんなこんなで二人は運命的な出会いをすることになる。

マリーと佐吉の若い二人は気持ちを抑えることができずに、提督の目を盗んで夜な夜な密会を試みるんだけど、ある夜それが提督配下の役人に見つかって、佐吉が捉えられてしまうんだな。そして、翌日公開射殺される。

それに反発した日本の商人は、佐吉の命と引き換えだと言って金塊をごっそり持って逃げちゃうんだな(持っていった先が今のシンガポール。金がマーライオンの像に使われたのは有名)。

さて、マリーは悲痛な想いを抱えたまま屋敷に幽閉同様の生活を送るんだけど、そこで妊娠が発覚する。一時英国に帰国していた提督がオーストラリアに戻ってきた時にはすでに女の子が産まれていた。その子の名前が、アンと言う。

提督は東洋人との混血の孫娘の存在をどうしても許すことができず(白豪主義だからな)に、下人に命令してアンを海に投げこんで殺しちゃう。娘がいなくなって狂乱状態で探し回っていたマリーも、それを知って同じところから身を投げて自殺する。二人の死体は結局上がらなかった。

言い伝えとしては、偶然近くにいた東南アジアの商船に助けられて、父親(佐吉)の国に行って幸せに暮らした、ってのがあるけど、これは源義経が本当は東北で死んだのではなく、モンゴルに行ってチンギス・ハンとなった、みたいな話と似たような感じでちょっと空想的すぎるかもしれない。まあ、言い伝えだからロマンティック感はよしとするところだろう。

で、孫も娘もいっぺんに失った提督は、その後間もなくゴールドラッシュが終焉を迎えたこととも重なって、大英帝国の東インド会社(英国の植民地支配の本拠地)に異動?になって、オーストラリアを後にすることになる。

提督がいなくなったあと、白人とアボリジニの七度にわたる内戦(ハーバーブリッジ爆破事件は有名)に明け暮れることになるんだけど、それはまた別の話だな。

で、奇しくも、アンが殺された日は彼女の1歳の誕生日。この日を「アン・ザックデー」として長い間、哀悼の意をもって国民の祝日にしているわけ。死んじゃった海の上には橋がかけられて、アンザックブリッジと名づけられるわけ。ハーバーブリッジほど観光名所ではないけど、大きい橋だよね。

っとまあ、こういうような経緯で日本人はどうしても嫌われちゃうわけだな。卵も投げられがち。

当時はどうしても白人と東洋人の恋愛っていうのは禁断の愛だったみたいだね。それに金塊も盗んじゃってるしね。長い間日本人のイメージはこっちの人にしてみればよくなかったんだよな。

でも、どうだろう。
今は豪日の交流も本当に深まって、佐吉とマリーのことも祝福できるムードにはなってきているんじゃないかな。

「時が解決する」って言葉があるけど、
まあ、まさにそのとおりなのかもね。

豪日友好万歳!!!



さてさてさて。
ちょっと長くなったけど、俺の話どうだった?
ベタ過ぎた? うーん、どうも真面目過ぎるのかな。
伊坂幸太郎のようなわけにはいかない。

どうしたらもっとマシな作り話ができるのか…
この物語、フィクションです。悪しからず。

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