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なし 2

どうにも頭にひっかかったままだったので「ひとでなし」について調べてみた。

「ひとでなし」。昭和のドラマで浮気した亭主に女房が茶碗や皿を投げつけながら言う言葉ってくらいのイメージである。しかしながら今まで茶碗を投げつけている奥さんとは直に会ったことがないから、必然的にその投げつけられる「ひとでなし」にも会ったことがない。それで「ひとでなし」についても真剣に考えることがなかった。

[名・形動]人間らしい心を持たず、恩義や人情をわきまえないこと。また、その人や、そのさま。

「ひとでなし」は「ひとでない」ということなんだろうが、妖怪や怪物を指すというわけではなさそうである。日頃会わないものだから、もしかするとそういう妖怪がいるのかも、と密かに期待していたのに少し残念だ。ぐぐっても出てこない。でもどうしても「ひと」よりも「ひとでない」ものの方に注目したい気持ちが薄れない。

類語
<容赦なく強欲な人>畜生 ・ 鬼畜 ・ 狼藉者 ・ 人非人 ・ 人畜生
<冷酷な人>鬼 ・ 悪魔 ・ 鬼畜 ・ 鬼畜生 ・ 人非人 ・ 極悪人
<残酷で邪悪で冷酷な人>大悪 ・ 極悪人 ・ 極重悪人 ・ 悪魔 ・ 鬼畜 ・ 鬼 ・ 人非人

これらは類語ということだが、鬼とか悪魔、鬼畜(鬼と畜生)がここでは「ひとでない」。あとは全部ひとを指している。

ということはひと以外で茶碗を投げつけられる可能性があるのは、鬼か悪魔のいずれかである。ほかに漏れはないのだろうか。

さて過去の歴史を振り返ってみると、鬼をやっつけているのは、桃太郎と一寸法師(金太郎が坂田金時となって源頼光らと酒呑童子をやっつけるという話もあるが、この酒呑童子が鬼の頭目なのか盗賊の頭なのかあやふやなのでここでは取り扱わない)。

悪魔をやっつけるのは、誰?デビルマン?

うーん困ったことになってしまった。これまでの検証によって浮気された昭和の女房が桃太郎か一寸法師かデビルマンか、ということが証明されてしまった。つまりここで我々が長い間彼らの性別を「男性」と勘違いしていたという新たな事実が浮かび上がったのだ。

「ひとでなし」について調べたら、桃太郎と一寸法師とデビルマンが、本当は桃子と一寸庵主(あんじゅ)とデビルウーマンだということが分かった。

こんなことなら、この時間、腹筋のトレーニングをしたほうがよかった。

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