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アパレル廃棄に対して、私たちにできること

【この記事は、2019年12月9日に加筆・修正しました】

みなさんは廃棄というと、なにを思い浮かべますか?

なんとなく「食品」廃棄を想像する人は多いのではないでしょうか。しかし、「アパレル」廃棄も実は大きな問題になっているのです。

アパレル製品の国内の年間供給数量は約29億点。消費数量は約14億点。つまり、その差“約15億点”が人の手に渡らずに残ってしまった在庫なのです。(小島ファッションマーケティング調べ)

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(商業界ONLINE「過半が売れ残るのは本当だった!小島健輔が調べた「怖すぎる衣料消費の現実」より)

さらに、人の手に渡った服でも、数回の着用や未使用のまま捨てられてしまう服も多くあるといわれています。

食べ物を捨てるのは、腐るから。じゃあ、腐らない服はなぜ捨てられるの?

今回のnoteは、ぜひみなさんに知っておいてほしい「アパレル廃棄問題」についてです。

アパレル廃棄の原因ー「大量生産・大量消費・大量廃棄」の経済構造

経済成長と人口増加によって世の中にモノが溢れるようになった結果、「大量生産・大量消費・大量廃棄」が社会的に問題視されるようになりました。

それはアパレル業界でも同様です。アパレル業界における「大量生産・大量消費・大量廃棄」にはさまざまな原因があると考えられています。

①アパレル市場の価格競争
ファストファッション(※)の繁栄により、低価格で服が手に入るようになりました。これによりアパレル市場の価格競争が激化。1着あたりのコストを下げるため、メーカーは大量生産をする必要が出てきました。それに伴い、余剰在庫も発生しやすくなってしまいました。

(※)ファストファッション…最新トレンドを取り入れた商品を大量生産し、短いサイクルかつ低価格で販売すること。代表的なブランドとして、H&MやZARAなどが挙げられます。

②消費者行動の変化
あらゆるものが低価格で買えるようになり、低コストで豊かさが手に入るようになりました。低価格で手に入るがゆえに、1~2回着て捨てられる服、1シーズンで捨てられてしまう服も珍しくなくなりました。

また、さまざまな娯楽や趣味が生まれ、「服にはそれほどお金をかけない」考え方をする消費者も増えました。経済産業省のデータによると、衣料品の購入単価は1991年の6割前後に減少しています。

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(経済産業省「繊維産業の課題と 経済産業省の取組」より)

③アパレルメーカー・ブランドが再流通に消極的
ファッション・アパレル業界はブランド価値が重視される業界です。自社製品の再流通(転売)では、ブランド価値の毀損が懸念されます。たとえば、ブランドイメージを大きく損なう場所で流通(販売)してしまった場合です。消費者のブランドイメージは崩れ、ブランド価値毀損につながってしまいます。

アパレル廃棄の問題点

アパレル廃棄が増えると、どのような問題が起きるのでしょうか?

廃棄焼却処分による環境負荷
アパレル製品が廃棄される手段の多くは、焼却処分です。廃棄焼却処分で発生する二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化などの環境問題を加速させます。それらを食い止めるため、日本のみならず世界中で、CO2削減への働きかけが活発におこなわれています。一方で、廃棄が年々増加しつづけるファッション・アパレル業界は、社会の動きとは真逆を進んでいるとも言えます。

廃棄ロスが利益を圧迫
アパレル製品には、トレンドという特有の「消費期限」があります。値引き販売をしても残ってしまった在庫は販売を続けるのが難しく、最終的に廃棄されることもあります。廃棄した場合、利益は残らずすべて在庫ロスです。大量廃棄による在庫ロスは利益を圧迫するため、企業側としてもできる限り避けたいはずです。

ブランドイメージへの悪影響
インターネットによって世の中が可視化されやすくなり、世界のあらゆる情報が消費者に知られるようになりました。また、SNSの普及もあって、それはすぐに広まってしまいます。

H&Mが毎年12万トンの売れ残り衣類を焼却処分(2017年10月)、バーバリーが42億円相当の売れ残り商品を焼却処分(2018年6月)していたとの報道は、世界中に広まり、消費者たちを驚愕させました。ビジネス上の理由があってのことだとは考えられますが、このような報道が出てしまうと、ブランドイメージへの悪影響は避けられません。

アパレル廃棄を減らすために、アパレルメーカー・ブランドにできることはなにか

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AIなどコンピュータ技術を活用した在庫管理
アパレル製品のような、ライフサイクルの短い大量の在庫を人手で管理すると、発注ミスが起きたり仕入れ予測が外れたりした場合、余剰在庫が発生してしまいます。

AIなどコンピュータ技術を活用した在庫管理ツールを導入すれば、より正確な在庫管理だけでなく、作業の効率化も期待できます。

アパレルメーカー・ブランドのCSRやCSV活動を通して、消費者の意識を変える
CSR(=Corporate Social Responsibility;企業の社会的責任)やCSV(=Creating Shared Value;共有価値の創造)を通して、アパレル廃棄を減らす活動に取り組んでいくのも一つの手段です。(CSRやCSVについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。「CSV(=共有価値の創造)とアパレル業界 – ESG投資だけが理由ではない、求められるブランドとしてのあり方」

CSRやCSVは、近年注目されているサステナビリティ(※1)やSDGs(※2)の考え方から来ています。サステナビリティやSDGsに配慮した活動・事業をアパレルメーカー・ブランドが実施し、それを消費者が認知したり参加したりすることで、アパレル廃棄削減への意欲向上も図れます。

アパレルメーカー・ブランドの活動で消費者の意識を変えられれば、社会全体でアパレル廃棄に取り組めるようになるでしょう。

(※1)サステナビリティ…利益だけを追求せず社会や環境、労働者への社会的責任を果たし、事業を続けていくこと。
(※2)SDGs…Sustainable Development Goalsの略。日本語で「持続可能な開発目標」。2015年の国連サミットで2030年までに達成すべき目標として採択された、世界全体の課題を解決し、社会や地球環境を変えるための17の具体的目標。(SDGsについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。「SDGsとファッション – アパレル業界はどう関わるべきか?」

▼アパレルメーカー・ブランドの目立ったCSRやCSV事例
・アディダスの「テイクバックプログラム」:店舗設置のボックスで他社ブランド品も回収し、新たなアパレル製品をつくる取り組み。
・パタゴニアの「ブラックフライデー全額寄付」:2016年におこなわれた、ブラックフライデーの売上を環境団体に全額寄付するという取り組み。
・ユニクロの「全商品リサイクル活動」:店舗で回収した服を、世界各地の服を必要とする人に届ける取り組み。

ブランド価値毀損を防ぎながらの再流通で、自社廃棄を減らす
廃棄ロスを避けるためにも、衣料品の廃棄削減はアパレルメーカー・ブランドの大きな課題です。その解決策としても、サステナビリティの実現のためにも、再流通は有効な手段です。

しかし、在庫を再販売するには、やはりブランド価値毀損が懸念されます。そのため、販売経路の限定やタグのカットにより、ブランド価値の毀損を防ぎながら再流通できる在庫買取サービスがおすすめです。

私たち株式会社FINE(ファイン)にも、Rename(リネーム)という、新しいアパレル再流通があります。

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▼Renameの詳しい仕組みはこちらをご覧ください

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エシカル、サステイナブルなどが叫ばれるようになった今日。「個々の利益を追うだけでなく、より広い視野でも社会を見てみようよ」、そんな動きがアパレルおよびさまざまな業界で広まっているのを感じます。私たちひとりひとりも、いまの自分の行動を見直すところから少しずつ進んでいけたらいいですね。

▼このnoteについて詳しくはこちらをご覧ください。


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ブランドタグを付け替えて、新しい名前、新しい価格で、新しい人へ服を届ける。アパレル廃棄という社会課題がきっかけで生まれた、ブランドネームではない"服の新しい売り方"です。noteでは、Renameの取り組みやアパレル業界に関するコラムなどを発信します。
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