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腰の痛みが経済損失に繋がる?!

✔なぜ腰痛に着目したか

 先日産業リハビリで入らせて頂いている、クライアント企業様への社内向けセミナーの題材を考える為に社員様の心身状態を調査していました。
 その結果なんと約8割もの方が腰痛を有している事があきらかになりました。実に34人中27人と驚愕の数値でした。
 この数値を少しでも下げなければ!と思い、個別の施術のみならず腰痛に対する知識面もつけていただこうと思い腰痛を題材としたセミナーを実施しました。

✔職業病の第一位は腰痛

厚生労働省

 今回のクライアント企業様のみならず、日本では腰痛を有している方が多いのは周知の事実かと思います。 
 この円グラフは、労働者へ職業病についてアンケートを行い示したものになります。ご覧の通り日本では、およそ6割もの労働者に腰痛があるということが分かります。

年代別の腰痛有病率を見ると30代、40代の働き盛りに多くなっている

Nakamura M.et al J Orthop Scl.2014

日本では成人の4人に1人が慢性的な痛みを抱えており、
腰と肩が群を抜いて多い

日本における慢性疼痛保持者の実態調査-Pain in Japan 2010
臨床整形外科2012年:47巻2号

 また、上記報告の通り腰痛をはじめとする慢性的な痛みは労働者のみならず、日本人にとって”国民病”とも言われ由々しき問題と捉えられています。

✔腰痛と経済・労働時間損失との関係

腰痛などの痛みによる経済損失は「1兆9000億円/1年間」

日経GOODDAY「腰痛・肩こりが招く職場の経済損失」
Inoue S et al. Plos One 2015,10(6):e0129262

腰痛による勤務時間の損失は1人当たり1週間で「平均4.6時間に及ぶ」

Stewart,W.F.,et al.JAMA 2003

 このように、ただ「腰が痛くて、身体がしんどい」というだけでなく「全体経済・時間的損失」にまで繋がる報告もあります。
 これは例えば 1hで終えられる仕事が1.5hかかったり、1人で出来る仕事に2人要したり そういった面からの算出になっているようです。

✔一人当たりの年間コスト損失額

 では、1人当たりの年間コスト損失額はどの程度なのでしょうか。それを示したのが下記図になります。

1)Nagata T,et al:Total Health-Related Costs Due to Absenteeism,Presenteeism,and Medical and Pharmaceutical Expenses in Japanese Employers e273-280,2018

 上位3症状を示しています。中には”肩こり、腰痛、睡眠不足”いずれも抱えており相当パフォーマンスが下がっている方もいらっしゃることでしょう。

✔さいごに

 企業から見れば”コスト損失”と捉えられますが、労働者視点からで見れば「痛みさえなければもっと働けるのに・・・」といった事を示しているようにも捉えられるかと思います。
 仕事ができる能力はあるにもかかわらず痛みのせいで、その能力が発揮できていない。すなわち痛みを抱えてしまうことは【非常にもったいない状態】であると言えます。
 我々はそんな方を一人でも減らしていけるように励んで参りたいと思います。

Remove澤田将人

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